「新宿バイパス」70年ぶり完成にめど 明治通りの渋滞緩和へ
産経新聞 12月27日(木)15時18分配信
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新宿バイパスの工事区間と計画区間(写真:産経新聞) |
明治通りの新宿駅近辺(東京都新宿区)の渋滞緩和を目的にした通称「新宿バイパス」(全長約1キロ)が、計画から70年近くたって、ようやく完成にめどが立った。道路の一部が新宿御苑を横切る計画だったが、管理する環境省と調整が難航。計画を変更して、平成22年末に着工した御苑と接するトンネル工事が来年3月予定で終了し、28年度中に全通する見込み。
【フォト】 工事が進む明治通りの新宿バイパス
新宿バイパスは、新宿5丁目の花園神社近くから本線と分かれ、千駄ケ谷5丁目交差点辺りで再合流する。昭和21年に都市計画が決定された。
このうち、花園神社から甲州街道との交差点までの約500メートルは47年に開通したが、その先は用地も確定していなかった。
現在の明治通りは、靖国通り、新宿通り(伊勢丹新宿店前)、甲州街道との交差点などで渋滞が激しく、迂回(うかい)路が求められていた。
新宿御苑は、江戸時代には信州高遠藩・内藤家の江戸屋敷。明治に入って農業振興を目的とした「内藤新宿試験場」となり、皇室の庭園を経て、昭和24年に国民公園になった。学術的に重要な植生が数多く残るが、中でも北米原産のスギ科針葉樹、落羽松(ラクウショウ)は、気根と呼ばれる酸素を取り入れる根が地上に出て成長する。
環境省新宿御苑管理事務所によると、御苑の落羽松は明治時代に植えられて樹齢100年を超え、「国内では最も古く、これだけ気根が発達しているのは珍しい」という。
当初のバイパス計画は、片側2車線で幅31〜35メートル、御苑の一部を横切るもので、計画用地には落羽松が群生する場所も含まれていたという。
環境省は御苑の環境保護のため計画に難色を示していたが、平成15年に都と環境省が合意、17年に現在の計画に変更された。最大幅は35メートルのままだが、落羽松の近くは、上下2階建てのトンネルにすることで幅を14メートルに狭め、落羽松は難を逃れた格好だ。
御苑と接する長さ約330メートルの区間については、25年3月に完成、その先の明治通りに接続するのは28年度中で、開通は29年度の見込み。
御苑に流れてくる地下水が減少すると湿地に生える落羽松の生育を妨げる可能性もある。管理事務所は「今後も、地下水を注意深くモニタリングして、工事の影響がないか見守る」と話している。
最終更新:12月27日(木)19時12分
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