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戦士のほっとタイム
今年は「3割・40本・30盗塁」目指す

金本知憲 「けが人さえ出なければ今年はそこそこ戦える」 金本知憲
広島

 かねもと・ともあき  広島・広陵高、東北福祉大を経て、92年にドラフト4位で広島に入団。昨季は打率3割1分5厘、30本塁打、30盗塁。通算成績は883安打、190本塁打、打率2割8分5厘。180センチ、90キロ。32歳。外野手。

 昨年、最終戦で本塁打を放ち、史上7人目の「3割・30本・30盗塁」を達成。ベンチプレスで110キロを上げるパワーで、目指せ、赤ヘル復活。

 ――20世紀はいい感じで締めくくられて。

 最終戦での本塁打は、どさくさ紛れの1本でね。運があったんでしょう。まさかあんなぎりぎりまで打てないとは全然思っていなかった。もう完全にあきらめていたんだけど。

 ――盗塁が前年より20個増えたのはすごい。

 毎年、6月の後半くらいから夏バテして、足が動かなくなる。去年はストレッチをしたり、疲労回復に効く道具を買って手入れをしたりしたら、足がもった。ベンチにいる時から投手のけん制とか見ていて、スキあらば走るという意識の問題もあるでしょう。

 ○山本監督は神様だった

 ――自分の役割は十分果たしてもチームは5位。

 強いチームでプレーしたいと思いました、はっきり言って。パ・リーグに行きたいと。セはジャイアンツが強すぎて話にならんもん。勝てるわけない、先発メンバーみた時点で。

 ――小さいころは、ほんとに野球が好きな少年だったんでしょう。

 小学校のころはしょっちゅう市民球場に行ってね。三村(敏之)さんが好きだったんですよ。山本(浩二)監督は神様だったんです。存在が違った。中学3年くらいから本気でプロ野球選手になりたいと。PL学園高時代の清原さんはヒーロー。

 ――どこが好きだったんですか。

 学年は清原さんが1年上で、1年生で4番を打って、甲子園で優勝。これから先、どうなっていくのかという楽しみがあった。今は、ええおっさんだけど。結構、かわいがってもらってます。入団4年目のチャリティー戦で、初めて同じベンチに入ったんです。あの時は幸せでしたね。

 ○体づくりは鬼のように

 ――体づくりにはかなり力を入れている。

 鬼のようにね。入団した時は78キロくらい。太りにくい体質なんだけど、今は12キロほど増えました。高校時代に、カープの選手を間近に見よったですけど、体がとにかく違ってた。それから我流でウエートトレーニングをしよったですね。やせるのが怖いからランニングなんか、練習メニューに入っている以外いっさいやらんです。金もかけてますよ。去年は300万円くらいの治療器を買った。ほかに筋肉をほぐす温熱機や電気バリ。治療院が開けますよ。

 ――フリーエージェント(FA)は考えます?

 あと2年で権利が獲得できるから、35歳ですね。まだピチピチでしょう。他球団がどう見てくれるか。40歳までは余裕でプレーできると思いますけど。昨年FAで巨人に移籍した江藤は、成績的には……。でも優勝したから印象がよくて、しかも4番じゃなかったから、たたかれなかった。

 ――入団2年目まで監督だった山本監督が復帰。印象は変わりました?

 変わりました。前より明るい。1、2軍を行ったり来たりの選手でも積極的に話しかけて、理解しようとしている。監督からは直接「開幕4番」と言われましたが、いやなんですよね、期待されるのは。4番という柄じゃないし、変に自分で格好つけださんかなと心配してます。個人的には、3割、40本、30盗塁できたらいいね。去年はチーム打撃を無視できなかった。今年は、中村紀(近鉄)みたいにがんがん打ちますか。

 ○ライバルをつくらない

 ――ライバルは。

 考えたことないですね。ライバルつくっちゃうと、その人だけに勝てばいいと思っちゃうでしょ。だからって、自分自身がライバルとか、そんな格好のいいことを言うつもりもない。

 ――松井さん(巨人)の存在は。

 目標ですね。ライバルじゃないです。彼はすごい。あのスイングといい、当たりの強さといい、あいつにはかなわん。彼こそメジャーに行って欲しい。新庄なんか見てもしゃあない。イチローもおもしろくないよね。どうせ内野安打とかね、ぽーんと当てて、パワーで勝負してないからね。日米の差ってやっぱりパワーでしょ。それに対抗できる選手を見たい。パワーは、日本で松井がナンバーワンですからね、そうすれば、ジャイアンツも、ちょっと弱くなるしね。

 ●笑顔でも話は攻撃的

 4番打者で盗塁王を

 「桃のような」鍛えぬかれたおしりは拝見できなかったけど、そのたくましさは服の上からもわかりました。「強い」「メチャクチャお金持ち」など、何でもズバ抜けた人が好きというだけあって、志向もはっきり。話も攻撃的で、格闘技好きの彼はトークの格闘家でもありました。「盗塁王なんて恥ずかしい」なんておっしゃらず、4番打者の盗塁王を狙って下さいね。



<2001年3月13日付朝日新聞夕刊>


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