・趣味でしかも無料で公開しているフリーゲームで、 更には金銭的な損害が一切発生していない場合でも告訴は可能でした。 ・サイトは消えてもサーバーにログみたいなものは残ってるらしいです。 なのでサイトを消されても捜査は可能との事。 |
マッドファーザー偽公式サイト問題について、 知り合いの警察官に相談致しました。 転載許可を頂いたので、その回答を掲載させて頂いてます。 --------------------------------------------------------------------------------------------- |
ただいま、「せん」さんより相談を受けましたことについて回答いたします。 私はあくまで刑事的な手続きについて相談を受けましたので、この件に関しては 「被害届の受理が可能な案件」 であると認識します。 ただ、私はあくまで「サイバー捜査の専門ではない」という前提でお話しますので、間違いがあればご容赦願います。 以下に、被害が成立する理由について、私見として述べさせていただきます。 ○著作者人格権 著作者がその著作物に対して有する人格的利益の保護を目的とする権利です。 著作物には、著作者の思想や感情が色濃く反映されているため、第三者による著作物の利用態様によっては著作者の人格的利益を侵害する恐れがあります。 そこで、著作者に対し、著作者の人格的利益を侵害する態様による著作物の利用を禁止する権利を認めたものです。 ベルヌ条約上、著作者人格権は著作権が他者に移転された後も著作者が保有する権利と規定されています(ベルヌ条約6条の2第1項) つまり、権利の主体は著作権者ではなく、あくまでも著作者です。 また、保護の対象が財産的利益ではなく人格的利益である点で、著作権と区別されます。 著作人格権について、放棄の規定はありません。 よって、該当の「マッドファーザー」の公式を騙るサイトについて、この権利を阻害していると認められます。 いくら「著作権を譲って貰った」と虚偽の事実を流布しようとも、このことは揺るぎない事実であります。 よって、次のとおりの各規定にも違反しています。 ○違反していると考えられるもの 著作権法18条 著作者は、その著作物でまだ公表されでいないもの(その同意を得ないで公表された著作物を含む。以下この条において同じ。)を公衆に提供し、又は提示する権利を有する。当該著作物を原著作物とする二次的著作物についても、同様とする。 これについては、著作者の同意を得ずに公表された著作物についても適用されます。 ゲーム内CGの公表について、著作者の「せん」さんが同意していない以上、この件についても違法と言えます。 著作権法20条 著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。 これは、「マッドファーザー」の公式を騙るサイトそのものに適用されます。 著作者である「せん」さんに無断でページを真似て、そして虚偽の事実を流布しようとする行為は、十分に悪質性を立証できるものです。 著作権法113条3項 次に掲げる行為は、当該権利管理情報に係る著作者人格権、著作権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなす。 1.権利管理情報として虚偽の情報を故意に付加する行為 2.権利管理情報を故意に除去し、又は改変する行為(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による場合その他の著作物又は実演等の利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる場合を除く。) 3.前2号の行為が行われた著作物若しくは実演等の複製物を、情を知つて、頒布し、若しくは頒布の目的をもつて輸入し、若しくは所持し、又は当該著作物若しくは実演等を情を知つて公衆送信し、若しくは送信可能化する行為 同6項 著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。 著作物の改変を伴わない場合でも、その利用態様によっては表現が著作者の意図と異なる意図を持つものとして受け取られる可能性があります。 そのため、著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を利用する行為は、著作者の著作者人格権を侵害する行為とみなされます。 これは「著作権を譲って貰った」とする虚偽の事実をお題目に、紛らわしいURLを取得し 「許可を私に求めること」などの制限を加えていることから、 捜査を進めることができれば、この件について「悪意を持った」「意図的な行為」と判断されることは明白でしょう。 ○罰則について 著作権法第119条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第113条第3項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第120条の2第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第113条第5項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。 上は条文ママですが、要約すれば「第113条第3項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた」ということですので、 「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」 となります。 親告罪ですので、著作者の「せん」さんが正式に訴えることになれば、いつでも捜査を実施できます。 必要があれば、もよりの警察署の生活安全課へ申告し、必要な手続きを済ませてください。 なお、これは少年犯罪であっても、同様に訴えることが可能ですので、その点については全く考える必要はありません。 また、民事法でありますが、刑事罰規定もあることですし、警察が介入することには全く問題ありません。 必要があれば、こちらから弁護士を案内し、民事方面から訴えることも可能です。 また、これは私見ですが。 インターネットでの無料ゲームで、多くの人が楽しめる環境がある中、 こういった心ない行動で 「ゲームを楽しむ個人に余計な詮索を与える」 「多くの人々がゲームを目にする機会を逸する」 ことは悲しいことです。 この文章について、もし虚偽のサイトでも転載があった場合 私個人が「せん」さんに渡した文章への無断リンク、無断引用ということで 私が個人的に訴えることも可能かと思います |