放送:この1年 NHK 委員空席、不祥事頻発/民放 動画で五輪、テレ朝好調/ドラマ編 「清盛」低視聴率、民放も
毎日新聞 2012年12月28日 東京夕刊
アンチヒーローとしてとらえられてきた平清盛に光を当て、武士の世を切り開いていく姿をたどった内容は目新しく、評価する声もあった。だが目立ったのは否定的意見。「画面が汚く見づらい」「登場人物が多すぎストーリーが理解しにくい」。放送開始直後から寄せられた意見に、制作陣は試行錯誤を重ねながら応えようとした。時代の変遷に伴って明るい映像を採用し、テロップや関連番組、ツイッターを使って時代背景などを解説。源平対決ムードが高まる後半に期待をつないだが、視聴率向上にはつながらなかった。
主役の松山ケンイチはクランクアップ後「僕らは本気で作品に取り組んだ。適当にやった結果が画面に出て、視聴者が離れ、最低記録を更新したならダメだが、そうではない」と語った。
次作は「八重の桜」。同志社大創始者、新島襄の妻で「幕末のジャンヌ・ダルク」と呼ばれた女性が主人公。「清盛」と異なり、歴史上の人物としては知名度が高くないヒロインをどう見せていくのか。
民放ドラマの視聴率も低調だった。10月クールの連続ドラマで20%超の回があったのは「ドクターX」(テレビ朝日系、10〜12月)、「PRICELESS」(フジテレビ系、同)の2作のみ。昨年、「家政婦のミタ」(日本テレビ系)で高まったドラマへの期待感がうそのような不振ぶりだった。(視聴率はいずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)