松井、移籍先絞った！ブルワーズ、ドジャース、ヤンキースの３球団！！

　アスレチックスからフリーエージェント（ＦＡ）となった松井秀喜外野手（３７）が、今季の所属先をブルワーズ、ドジャース、ヤンキースの３球団に絞ったことが２５日、分かった。０９年まで在籍したヤ軍だけでなく、ＤＨ制のないナ・リーグ２球団も浮上。たとえスタメンを外れても、代打なら打席に立つ機会が増えるとも指摘した。松井がメジャー１０年目で初めて、ナ・リーグ球団のユニホームを着る可能性が出てきた。

　とにかく試合に出たい。復活を目指す松井が、所属先を３チームに絞った。０３年に巨人からＦＡ移籍し、０９年ワールドシリーズでＭＶＰを獲得するまで７シーズンを戦ったヤンキースと、ＤＨ制のないナ・リーグのブルワーズ、ドジャースだ。

　実は松井自身、ア・リーグにこだわっているわけではない。昨季序盤はレギュラーを剥奪され、試合に出ずに調子を保つことの難しさを痛感した。それだけに「代打だったら、ナ・リーグの方が打席に立つチャンスが多いからね」と前向きなセリフを口にした。

　ＤＨ制がないため、投手に代打を送るケースが多く、スタメンを外れても毎試合、打席に立つ機会が訪れる。さらに、投手がいた打順に入って、そのまま外野の守備につく起用も考えられる。ア・リーグで中途半端に起用されることを考慮すれば、むしろリズムをつかめる。そんなメリットさえ感じている。

　０７年に右、０８年に左の膝にメスを入れたが、昨季は２７試合で左翼の守備についた。現在は連日、都内で自主トレに汗を流すなど、コンディションはいい。ナ・リーグでのプレーについて「そうなったら、少しでも多く出られるように準備するだけ」と覚悟している。

　松井も今オフの状況は十分に理解している。ＦＡ市場の動きが遅く、メジャー移籍後初めて「無所属」で越年した。野手最大の目玉であった左の大砲フィルダーがタイガースと合意。古巣・ヤ軍のキャッシュマンＧＭも現地２４日、「今は重視していることではない」とＤＨ補強に消極的な姿勢を示した。ただ、松井の勝負強さは、世界一の称号２７度の名門にとってもよく知るところ。今後も交渉していく可能性は十分ある。

　今季の所属先について、代理人のテレム氏に伝えているのは「３０球団ＯＫということ。それだけだよ」と説明した。外野手として再び力を見せられる自信がある。だからこそ、リーグにこだわらず、活躍の場を求めている。

　どの球団も、メジャーの野手組のキャンプインは２月２０日前後。節目のメジャー１０年目は、初めてナ・リーグでのプレーとなるのか。それとも、再びピンストライプのユニホームに袖を通すのか。松井の決断に注目だ。

　◆フィルダー抜けブラウン不在か…ブルワーズ　昨季ＭＶＰのブラウンが禁止薬物使用問題で、開幕から５０試合の出場停止が濃厚だ。ＦＡ移籍のフィルダーと２人で計７１本塁打、２３１打点が抜ける。残る長距離砲は、右翼から一塁に回るハート（昨季２６本）だけ。ヤクルトからポスティングシステム（入札制度）で獲得した青木が左翼に入り、中堅ゴメス、右翼モーガンとなると、そろって昨季の本塁打数は１ケタ。破壊力のある外野手獲得は必要だ。また、ローニキー監督は、松井が一昨年に在籍したエンゼルスではベンチコーチだった縁もある。

　◆左翼リベラ衰え…ドジャース　昨季に３０試合連続安打を記録したイーシア、３９本塁打、１２６打点の２冠に輝いたケンプの右中間は確定。昨年７月にブルージェイズから移籍の左翼リベラは、シーズン合計１３２試合で１１本塁打とパワーの衰えが感じられる。松井は０３年の渡米１年目同様、リベラを追いやっての定位置獲得も狙える。マッティングリー監督はヤンキース時代の打撃コーチで、実力を熟知しているのも好条件だ。

　◆ＤＨ空席に…ヤンキース　外野手は左翼ガードナー、中堅グランダーソン、右翼スウィッシャーと盤石で、狙うとすれば引退発表したポサダと、マリナーズに放出した２２歳の新鋭モンテロの２人でまかなってきたＤＨの座だ。３６歳のＡロッド、３７歳のジーターとベテランの起用プランもあるが、右中間スタンドまで狭いヤンキー・スタジアムを知り尽くし、なおかつ左打ちの松井なら好都合だ。