獲得動きなし…松井、「浪人」確定で早過ぎるオフ突入

　レイズを戦力外となった松井秀喜外野手（３８）が、「浪人」のまま今季を終了することが事実上確定した。大リーグは３１日（日本時間９月１日）、ポストシーズンに出場するための移籍期限を迎え、松井の獲得に動く球団はなかった。

　ポストシーズンの出場資格があるのは、３１日深夜の時点でその球団のベンチ入り２５人枠に登録されている選手に限られている。９月以降にも移籍して残りのレギュラーシーズンに出場すること自体は可能だが、大リーグ関係者は「しばらく試合に出ていない松井を獲得することは考えられない」と指摘。チームをプレーオフに出場させる戦力としての松井獲りも、あり得ないとしていた。また、来季を見据えて戦う下位球団がベテランを新たに獲得するケースもない。

　レイズでは３４試合で打率・１４７、２本塁打、７打点。７月２５日に戦力外となった松井は現在、自宅のあるニューヨークに滞在し、同２日のヤンキース戦で痛めた左太腿のケアをしながら、トレーニングを行っている。来季の去就は（１）メジャー再挑戦（２）日本球界復帰（３）現役引退――のいずれか。あまりにも早く訪れてしまったプロ２０年目の「オフ」の動向が注目される。

　≪オリオールズは左腕ウルフ獲得≫ポストシーズン出場期限を迎え、各球団が補強に動いた。ヤンキースに２ゲーム差と迫るオリオールズはブルワーズで不振から解雇された先発左腕ランディ・ウルフ投手（３６）を獲得し即２５人のベンチ枠に入れた。また、松井が今季所属したレイズは、アストロズからベン・フランシスコ外野手（３０）、ブレーブスはタイガースからジェフ・ベーカー内野手（３１）をそれぞれトレードで獲得した。

　▽メジャーのポストシーズン出場選手　出場資格は８月３１日（日本時間９月１日）時点で当該球団の（１）ベンチ２５人枠入り選手（２）故障者リスト選手――が前提。その他選手との入れ替えは故障が出た場合のみ可能だが、大リーグ機構の認可が必要。「９月以降の戦力補強乱発」を防ぐ意味合いもある。０８年にパドレスの井口が９月１日に戦力外通告を受け、同５日にフィリーズと契約。フ軍は世界一となったが、井口はポストシーズン出場資格がなかった。 【松井秀喜成績】