ＷＢＣに出場する侍ジャパンのスタッフミーティングが５日、都内で開かれた。山本監督は巨人の阿部慎之助捕手（３３）が「侍ジャパンマッチ２０１２・キューバ戦」（１６日・ヤフーＤ、１８日・札幌Ｄ）で代表入りすることを発表。ＷＢＣ本大会でも主将を任せる方針を明かし、代表メンバー決定第１号となった。また、動向が注目されていた前レイズの松井秀喜外野手（３８）は招集見送りが決定的となった。

　ゴジラが日の丸を背負う可能性は、今回も極めて低くなった。関係者の話を総合すると、現時点で松井に招集オファーはない。代表入りを推す声は根強くあり、今後も議論の対象とはなる。ただし、７月にレイズを戦力外になってからのブランクがネックとなり、最終的に招集は見送られる方針だ。

　松井招集は、今回の人選の焦点だった。当初から山本監督も動向を気にかけており、１０月１０日の就任会見の際には「松井もイチローも、それだけの実績を残している選手は、力強いものを持っている」と代表入りに含みを持たせていた。来季の現役続行を見据え、自宅のある米ニューヨークで自主トレを続けている松井のコンディションなど、情報収集を行う意向も示していた。

　ただ、この日約５時間にわたるミーティングを終えた山本監督は、現時点でオファーを出しているメジャー組について「６人」と明言。「６人」とはヤンキースのイチローと黒田、レンジャーズのダルビッシュにブルワーズ・青木、マリナーズの岩隈、さらにマリナーズを戦力外になった川崎とみられ、松井は含まれていない模様だ。

　ヤンキースに所属していた過去２大会は、ともに４番を任される予定だったが、チーム事情などから辞退している。山本監督は「いろいろな意見が出たので、そのほかは先送りにしている」と再度検討する構えを見せたが、“三度目の正直”は難しい状況だ。