電気屋的、福島第1原発


大変な事になってしまいました。一刻の収束を願っています。


写真で見る、食い止め作業

 コメントはソース元の情報および知識を元にし嘘は書かないよう努力してますが、間違っている可能性があります。情報が少なすぎるのもあります。
また、私は原発廃止論者ではない事を先に申しておきます。この騒ぎの発端は経営上の失策および政治的なものと考えております。
写真は、注釈のない物は東京電力が公開したもの(通信社を経由した物も含む)を使用しています。新聞社の写真は引用するとうるさそうだからあまり使わない事にした。
タイトルの通り、ここは写真がメインのページであり、サイトに転載や引用が可能な写真を掲載しつつ事象を扱う趣旨のページです。写真がない出来事は扱わない場合があります。


このコンテンツはニュース速報ではありません。写真が公開された当時の情報により書かれた物です。
現状と内容が大きく異なる場合があります。最新の情報はニュースやTVなどでお調べください。

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5月編(21〜31日まで) 1/2ページ
※当項目は写真が多いため、2ページ構成です。

2012年5月24日
3月21日に行われた2号機のTIP室調査の結果が思ったより良かったため、3号機のTIP室も調査してみようという事になったようです。調査は昨日(23日)に実施。

ここも2号機と同じくTIP室のドアが施錠されているので、前回と同じように事前にロボット(クインス)単独でTIP室のドアまで行って線量を測定、100mSv/hを下回っていることを確認後に人が行って扉を解放、その後クインスがTIP室に入域するという感じです。

原子炉建屋の入口部分・2重扉の場所からクインス単独潜入が開始。
目の前の扉が2重扉の外側、その奥の部屋が前室ですね。向こうに見える暗い部分が原子炉建屋の内部です。

※映像は、左が進行方向(前方)、右が後方です。

(2012年5月23日撮影)
建屋内部を進行中。

右にパワーセンターロードセンターらしきものが見えます。
扉が開きまくっていますが、爆発の影響か復旧工事の際のドタバタのせいかは分からない。


(2012年5月23日撮影)
よく見ると、外部からのケーブルがキャビネットの中に入っています。
外部電源で、既設の何かの設備を生かしてるんでしょう。


(2012年5月23日撮影)
さて到着・・・・・・?

と・・・扉が吹っ飛んで無くなってる(;´Д`)
ドアというか、枠ごと無くなってます

ドアはTIP室内に向かって突っ込んでいるので、TIP室での爆発では無いようです。


(2012年5月23日撮影)
通常、ドアをコンクリートの建物に取り付ける場合、コンクリート打設時に「サッシアンカー」という金物を埋め込んでおき、打設が終了した後にドア枠をサッシアンカーと溶接して取り付けるという方法が行われます。(参考サイト

どうやら、爆発の衝撃で躯体と枠の溶接が千切れてしまったようです。写真左の部分に、枠が剥ぎ取られた跡が見えます。

奥に転がっているのが、その枠ごと吹っ飛んだドアです


(2012年5月23日撮影)
高解像度の写真が1枚しか無く後は小さい動画なので、得られる映像は基本的に不鮮明です。
で、その唯一のくっきり写真より、ドア開口上部をトリミング。
壁貫通の配管部分も欠けているので、何となくドアの垂壁ごと吹っ飛んでる気がします。
左隅に、ドア横のスイッチか電気錠の物らしい配管やケーブルが引きちぎられているのが見えます。

奥の壁の傷は、吹っ飛んだドアがぶつかって出来た物。


(2012年5月23日撮影)
邪魔物があるので、クインスでの調査はここまで。
なんだこんなドア、人が引っ張り出せばいいじゃん!と思ったあなた、もちろん試したようです。しかし残念ながら、大人2人掛かっても引っ張り出せなかったようです。よって内部は人でも調査できず。今後どうするか検討するとの事。

一応、ドアの部分から強引に覗きこんで見える範囲で目視したようですが、その際に室内の機器に損傷は見つからず。(写真撮らなかったんか?)放射線量も室外とほぼ同じ。
2012年5月26日
福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋の健全性確認のための点検結果についてという資料を公表。
もう何回も調査させられてうんざりと思っている頃だと思いますが、国民に安心してもらうためなので仕方ないと言えます。問題なのは、十分安全と知っててわざと知らないふりをして煽っているマスコミです。
ほとんどの人(特に年寄り)はテレビしか見ないので、テレビの言うことを完全に鵜呑みにしています。テレビ(最近はNHKすら)は視聴率至上主義なので、事実をそのまま伝えてはスポンサーが喜ばないのです。そこで彼らは、嘘は言わずに(不祥事になるからな)、注目を浴びる内容にするべく、報道する内容をずる賢く選んでいるんですね。
保安院は保安院で自分たちの地位を守ろうとしているのか国民を味方に付けたいと思っているのか、見当違いみたいな事をたまにしている。
残念だけど、うちのサイトにはそんなまやかしは通用しないよ。事実しか興味ないからね。無駄に危険を煽るなんて事は論外であり、安心できる事は素直に安心すればいい。

真実1:建物は傾いていません。
細かく言うと、建物は新築時から微妙に傾いていることが多々あります。これは建設時の精度などの問題で、完璧な水平垂直な建物は現実的に建てられません。しかしあまりにも傾いていると気分上・強度上・耐震上の問題が起きるので、「建築基準法で傾きは1/200以内であること」と定められていると、資料に書かれています。試しに調べたけど該当条文がどれか、よく分からんかった。
4号機においては、南西面(1階上部〜3階床面の間の壁面)の1/390が最悪値で、他は1/1,000〜1/12,000と、基準を大幅に下回っています。この南西面の数値が他と比べて突出して悪いのは、建物の傾きではなく、後述の爆発の影響での壁の歪みが原因と思われます。

そもそもこの敷地は高台で、それを敢えて20m以上も掘り下げて建設しています。(後述の資料を参照)
理由は、強固な地盤にぶつかるまで掘り下げて、そこに直接基礎を行ったためです。おかげで、今回の地震による大きな損傷は起きていません。しかしそれが仇となって、津波に巻き込まれてしまったが。
真実2:爆発の影響で、外壁が少し膨らんだり引っ込んだりしています。

特に上階を中心に、爆発の影響で壁が吹き飛んでいます。残っている壁にも爆発の影響を受けているものが多数あります。このうち、変形に至った場所もあります。

問題の壁は、地震の際に負担を大きく受ける部分ではないので、強度上は問題ありません。そもそも、この建物は壁ではなく柱で支える構造です。柱にヒビが入っている場合は「せん断」(ボキッと折れる)や「座屈」(へしゃげる)が発生しなければ、程度によりそのままでOK、または比較的簡単な補修で対処可能です。
なお、大きく変形が発生してる場所は一部(南西付近)に集中しているので、建物全体が傾いているわけではありません。ここの床面にはハッチやエレベーターシャフトといった開口部が存在するため、部分的に剛性が低い(拘束力が弱い)のが原因とされています。床は建物の強度に大きく寄与するからですね。

また、プールを主に支えているのは、内側の壁や原子炉シェル壁(図中の丸い場所。格納容器を覆っているコンクリート製の壁)です。これらは普通の壁とは比べ物にならないほど分厚く、(原子炉シェル壁は1m以上。場所によっては2m弱もある)、目視点検でも損傷は見つかっていません。さらに形状からして剛性が高いです。そもそも強度上は問題ないのですが、さらにプール底部に補強工事が行われているので倒壊する可能性はありません。
真実3:プールを支える下部・およびプール側面に問題となるヒビは無い。

1〜4階まで、燃料プールに関係する箇所(荷重を受ける部分、プールの側面)を点検し、異常は発見されていません。
コンクリートはほぼ確実にひびが入ります。これはコンクリート打設後に発生する収縮によるもので、どうしようもありません。問題となるのは、ひびの大きさです。
ここでは、日本建築学会「原子力施設における建築物の維持管理指針・同解説」に定義される「耐久性の観点で検討が必要になるひび割れ幅」で示されている、幅1mmを超える物の有無を調査しています。
その結果、この基準を超えるひびは見つかっていません。同時に、耐久性に影響を与える鉄筋の腐食が無い事も確認しています。
真実4:コンクリートの強度は低下していない。

そもそも、よっぽど変な薬品や温度を食らってない限り、コンクリートは急速に劣化しません。
たまに引き合いに出される、事故直後時におけるプールの水温が上昇したの件については、この事象が短期間であり、また火災などと違って数百度にまで上がったわけではありません。燃料が水に浸かっていればそんな温度にならない。
中性化についても、普段からそこらの家や橋などとは違い塗装などによりきちんと保守管理されていた建物であり、もしこれだけの壁厚が強度上問題になるほど劣化していたら、ここより壁が薄く雑に管理されているそこらの民間ビルは既に倒壊しまくっています。
とは言っても実際に測ったほうが説得力があるので、シュミットハンマーで強度測定しています。シュミットハンマーでの測定は、コンクリート構造物の強度測定で一般的に行われる方法です。

検査箇所 使用済燃料プールとの関係 強度(N/mm2
1階原子炉シェル壁 使用済燃料プールを支持する壁 38.4
2階壁 使用済燃料プールを支持する壁 36.3
2階使用済燃料プール床 プールの底面 33.1
3階使用済燃料プール壁 プールの壁面 39.1
4階使用済燃料プール 35.6
※設計基準強度:22.1N/mm2以上。

よって、強度は充分有るとの結果。
最後に「せん断変形」についても触れられていますが、こんなもんが起きていたら、壁云々以前にまず原子炉シェルや床が損傷するのですぐわかります。

資料&脱線コーナー

これは今回の資料とは別のもの(「土木技術」22巻9号)に掲載されていた地層図。1号機建設当時の、土木関連の業界紙です。

(上・中の図)
現在高台と言われているO.P.+30.000辺りからN値(地盤の硬さを表現する単位)が高くなり始め、原子炉関連の建屋があるO.P+10.000辺りになるとN値は相当高くなり、砂または砂岩でN=40以上もあります。
それに加えてサブドレン管理を行えば、地盤は問題ないでしょう。(現在サブドレンは止まっているため、地下水の流入が増えて問題になっている。)

(下の図)
同じく、土木技術22巻9号より。
現在のタービン建屋の屋根下あたりの高さが、元々の路盤です。(O.P.+33.000)
そこから20m以上も掘り下げて強固な路盤を表し、ここに建設しています。

本工事における路盤整備工事の工期はGE社との契約上非常に短く(実質8ヶ月)、その間に約120万m3(東京ドーム1杯分くらい)を掘削しないといけないため、施工の際は様々な工法が検討されています。当時、建機はまだ高価な輸入品が幅を利かせており、スクレイパーがまだ一般的でない時代です。本工事ではホイルローダーやショベル、スクレイパーを組み合わせて施工されています。
そもそも、路盤を深く掘削する事は工費の増大に直結するため、設計は慎重に行われます。施工基面をO.P.+10.000としたのには、こうした根拠があるのです。
低く掘ったのは馬鹿だと、事情を何も知らずに糾弾するだけの無様な行為は、このサイトに来て頂いている人だけにはして欲しくありません。


小松 RS-09


日特 NTK-4(左)、NTK-6(右)

小松 D-80
昔は、チェーン駆動の建機もあった。進歩により油圧式が主流になった。
当時、造成に使われた建機一覧。
(表記は、資料のまま)
使用された建機 メーカー・モデル 馬力 台数 用途
モータースクレイパー CAT CAT-631 360(HP) 4 掘削運土
CAT CAT-619 250(HP) 3
キャリオールスクレイパー
(トレーラー式)
? 16-SA - 2
小松 RS-09 - 1
スクレープドーザー 日車 SR-63 140(PS) 1
ドラグライン 日工 u-106 85(PS) 1 掘削積込
ブルドーザー CAT D-9 385(HP) 2 プッシュドーザー
CAT D-8 235(HP) 2 キャリオールスクレイパーの牽引
小松 D-80 140(PS) 1
三菱 BD-11 92(PS) 1 土捨場捨土処理
日特 NTK-6 96(PS) 1
日特 NTK-4 53(PS) 1
モーターグレイダー 小松 GD-37 105(PS) 1 仮道路整備
馬力:PS・・・仏馬力またはJIS HP・・・英馬力

※社名について
CAT・・・米国キャタピラー社(Caterpillar Inc)日本法人:キャタピラージャパン(Website
小松・・・株式会社 小松製作所(Website
日車・・・日本車輌製造株式会社(Website
日工・・・日工株式会社(Website
三菱・・・三菱重工株式会社(Website
日特・・・日特金属工業株式会社

日特はかつての軍需メーカーで、戦後は朝鮮戦争時に米軍の機器整備で技術を身に着け、ブルドーザーを開発したようです。ブルドーザー全盛時代であった昭和30〜40年代は日本を代表する建機メーカーであったようです。

まだ日本の建機が外国製に完全に劣っていた時代です。まずエンジンの馬力からして全く違います。
今ではすっかり世界に誇れる日本製品の代表格になっています。敵はキャタピラーくらいかな。
当時は国内にスクレイパーがあまりなく、台数を揃えるのは困難と触れられています。そこで、様々な建機を状況により組み合わせる「折衷方式」が採られました。
では、次の話題。

「建屋内の遠隔除染技術の開発」の一環としてロボットによる線源・線量率の調査技術の検証を行いますが、開発したロボットの1号機についての報告が出てきました。
ロボットの走行部分は新規開発ではなく、パックボットを利用しています。ガンマカメラは新型っぽいものを搭載。
バックグラウンドが高いため、そのままでは使えないようです。
しかしデータを処理すると、突出して高い場所が見えてきます。

写真からして、たぶん日立GEニュークリアエナジー製。
上のロボット本体の写真に説明書きある足元の線量計のデータと、ガンマカメラのデータを組み合わせて2次元データを作成します。これを段々重ねにする事で、3次元データとして出力が可能です。
セル(1マス)の単位は、1m×1m。
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2012年5月26日
本日、細野大臣が視察をしたとの事。また記者連中も同行したようです。
今回はメディアに4号機内部を初公開。
メディアを入れても写真は仕舞いこんでまともに公表しないし、もっとちゃんと写真を出してくれる人を入れてくれないかな。
サイト内に入った記者は数多く居るものの、ここ4号機内に入ったメディアは代表撮影として(4社らしい)入っているので、いわば世界代表です。
よって、撮影した映像はみなさんの共有物だよな?N*Kさんよぉ。
某真理教のドラマを見ていた時にいきなりニュースが始まって、ほとんどキャプが間に合わなかった・・

(ここから本題)
オペフロ上の解体が結構進んでいます。
普段からなのか、来客用体制なのか分からんが、とても綺麗に整理整頓されています。


(2012年5月26日・代表撮影)
建屋奥側(北)に目を向ける。前回とかなり変わっています。
危なっかしく残っていた壁が、ほとんど撤去されています。さすがナベカヰの科学力。
と言っても、まだ残骸がアクロバットしているので油断ならない状態です。

黄色い蓋のような物は原子炉格納容器の蓋です。原子炉圧力容器の蓋は放射線を発するので、たぶん仮置プール内の水中に置いてあります。
格納容器の蓋の下とその手前には、原子炉ウェルの蓋(シールドプラグ)が見えます。段状になっている部分をお互い噛みあわせてピタっと蓋を閉じる仕組みです。

解体機が乗っているステージ(写真右に写っている茶色い鉄製の物)の真下に原子炉ウェルがあります。当時は定検(およびシュラウド交換)のため内部の燃料が取り出されていた状態だったので、今も中には水が入っているだけです。


(2012年5月26日・代表撮影)
さてここからは東電公開の動画より。

颯爽と現れた細野大臣(奥の右側)。他に案内人や随行者、SPなどを引き連れています。
マスコミは隅っこに追いやられ、大臣を何とか写そうと待ち構えています。

左奥に、共用プール建屋のエアフィンクーラーが見えます。
手前に見える鉄塔は(旧)大熊線3L・4Lですね。旧3/4号超高圧開閉所や、その横にあった仮設変電設備は南側開閉所の新設により廃止され、この径間の送電線は既に使用されていません。
もっと向こうには、大熊線1/2Lの鉄塔も見えます。こちらは全線廃止されるみたいです。
先月の副大臣訪問時よりかなり撤去が進んでおり、残っている柱スパンがあと半分くらいになっています。
今立っている場所は既に撤去が終わっているので、こんな感じで大きく開けています。

写真左、POLICE(笑)の横に見えるもじゃもじゃした物は、柱を解体した後の付け根です。
この建屋は、年代からして民間建築で言う所の旧耐震基準と思われますが、元々余裕を持った設計がされています。そのため、基準が上がった現在でも耐震強度に問題が無いわけです。この通り、しっかり鉄筋が入ってますな。
ただし排気筒など一部の設備では基準に満たない(または余裕が少ない)ため、随時改修が行われています。
建屋東面(海側)。向こうにタービン建屋が見えます。

壁が綺麗に無くなっていますが、これは解体中に落下するのを防ぐため、事前に綺麗に取り除いたためです。この事を何度も記者に説明していました。
某何とか生放送の動画を見ていても分かりますが、彼ら(社員)は、マスコミが正しく情報を伝えない事に相当苛立ち、嘆いています。用語はめちゃくちゃ、「報道の自由」を「好きに報道する自由」と勘違いする者。不安だけを煽って単に人の好奇心を惹き付けるだけの記事を書き、得するのはマスコミだけです。国民には何の利益も無い。
しかし、写真は嘘をつきません。うちのサイトが写真に主軸を置くのは、写真は真実しか語らないという理念からです。

鉄筋の切り口が綺麗に揃っているのは、壁が爆発で押し出されて鉄筋が「抜けた」からです。
しかしこれは不幸中の幸いで、柱を巻き添えにせず先に壁が壊れたため、柱構造の倒壊が少なくて済んでいます。一方3号機は、ほとんどの場所を柱ごと吹き飛ばしたため、オペフロより上があんな状態になっています。あれちゃんと撤去出来るんかな・・・
解体機用のステージより向こう(北側)は、ほとんどカメラが向きません。
もっと見せろよ
核防護上あちこちが撮影禁止箇所になっているので、その関係かも知れん
でも、単に興味が無いだけだと思う。

奥には門型の何かの設備。シュラウド交換用のクレーンか何かだろうか。
手前の物は縦の棒が見えるので燃料取替機に見える。でも説明によると燃料取替機は既に降ろされているとの事。シュラウド交換の作業では水中作業があるみたいなので、もしかしたら原子炉ウェル関係の工作機器かも知れないですね。
解体機のステージ下より来客一同を撮影中。ステージ上では大臣が説明を受け、その周りをマスコミが囲んで取材中。

このアングルからだと、建屋の大きさがよく分かります。
オペフロは1階フロアから40mくらい上(12階建てのくらいマンションに相当)の場所で、屋根上となると60m近くの高さがあります。そりゃデカいわ。

以前も触れましたが、解体機に発電機が載っています。これは空気清浄機や緊急時の装置(緊急用電動油圧ポンプや無線機など)の電源と思われます。信頼性が特に求められる建機や車輌では、電動ポンプを併用して搭載する例があります。
(例として、鉄道保守工事で使われる軌陸両用車などは故障が運転支障に直結するため、エンジントラブル時でも線路外に脱出出来るように非常用電動油圧ポンプが必ず装備されています。)
たぶん、プールの水位による建屋の傾きについて説明を受けている所。
後ろには太平洋が広がる。

プールのシートが妙に綺麗なので、新調したのかも。
オペフロから南側の下を見る大臣。
この部分から4号機燃料取り出しカバーの鉄骨組みが上がってきます。(→参考

正面の建屋は可燃性雑固体焼却建屋、その右は焼却工作建屋。正面・可燃性雑固体焼却建屋の向こうには廃棄物集中処理建屋(プロセス主建屋)があります。
焼却工作建屋にはキュリオンがあります。プロセス主建屋には油分分離装置があり、地下は処理前の汚染水タンクとして使われています。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
続いて、ここからはいつものcryptomeより。(写真の順番は適当です)
4号機のオペフロの状況がよくわかります。建屋北側屋根は、爆発で崩落した壁につられて一緒に落ちた感じになっています。北面だけでなく南側の壁も爆発でほぼ完全に無くなっており、南北面の壁は東西面の壁と比較すると、あまり強度が高くなかったようです。(トラスやクレーンの走行軌条からの荷重がかからない箇所なのか、太い柱が通っていない)
左側手前の柱が、クレーンの走行軌条部分を中心に少し膨らんでいるように見えます。
(トリミングしています)

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
大きな写真からトリミング。
上の写真で曲がっているように見える柱の裏をオペフロ上から見た所。
変な力が掛かったのか、手前1本だけが横方向に無数のヒビが入っています。

爆発で内側から屋根が押された影響だと思いますが、トラスの下部と柱の接続部分は、全ての箇所で損傷が見られます。
壁も爆発の衝撃で外に押し出されていますが、しっかり鉄筋が入っているため、コンクリート部分は破断しているものの鉄筋のおかげで何とか形は残っている箇所があります。そうした場所も、鉄筋を境に内側のコンクリートだけが剥がれています。
場所によっては、壁が完全に吹き飛ばされている所もあります。

手前の頭は、細野氏。

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
同じ写真から、別の箇所をトリミング。

後ろに見えるのは、前の項で触れた大熊線3/4Lの鉄塔です。手前側が超高圧開閉所への引込、奥向きが隣の鉄塔行きです。
よく見ると、向こう側に向いている電線が全然張っていません。ほぼ真下に向かっています。つまり、この先の鉄塔の電線は、こちらへの鉄塔ではなく、新しく出来た「南側開閉所」へと線路が変更されていると思われます。
外した電線はブラブラさせとく訳にはいかないので、地面かどこかに引留られていると思われます。

カメラ目線の彼はPOLICE氏。細野の警護担当のSPか何かでしょうな。
彼らは武術に長けており、もし向かって行こうものなら片手で首の骨を折られて氏にます。

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
説明を受ける細野氏。
左は使用済み燃料プール。フロートで水面を覆って、落下物による燃料損傷が起きないよう保護しています。
手前の部分は、水面や水質を確認するための場所で、ここだけが外部に露出しています。ここからゴミが入らないよう網が被せてあります。
手前の白い棒状の物は仮設照明。
これは、オペフロが手付かずだった頃の写真です。南から北に向かって撮影されたもの。
写真の真ん中あたりが、上の写真で一行が立っている場所です。
燃料取替機と天井クレーンは既に撤去されているので、ここには有りません。
よくここまで片付いたもんです。


(2011年7月15日撮影)

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
網の覆いの内側には、水面(水位)監視用のドームカメラがあります。
当然夜間も監視しているので、さっきの照明が必要なわけです。灯りが無いと見えないからな。

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
これは4階のMGセットの場所ですね。以前も何度か写真が出ている場所です。
右のすすけた機械がMGセットです。
昔、今のように電動機の速度調整が容易でなかった頃、電動機と変速機と発電機を組み合わせ、再循環ポンプ電動機の回転数可変を行なっていました。フライホイールを持っているので、MGの電動機がいきなり停止してもしばらくは惰性で発電機が回り、ポンプの運転が継続出来るようになっているようです。

非常に原始的な方法ですが、比較的最近の原子炉でも用いられています。事故が許されない以上、過去に実績のある「枯れた技術」を重んじ、設計が非常に保守的である事を伺える一例です。
ただし、いつまでもそれではいけないという事で、最近は積極的に新技術を取り入れた新型炉の設置が始まっています。

爆発のせいで、(このフロア(4F)で発生したという説が有力)スラブが爆風で押し出されて粉々に破壊されています。
スラブの破壊にとどまらず、手前の梁にも同じく衝撃で押されたと思われる亀裂が走っています。座屈はしてないので、とりあえずさっさとカバーをして雨水による鉄筋の腐食を防いだほうがいいですね。

photo:Toshiaki Shimizu, Japan Pool
場所不明。4号機内というのは間違いない。写真の流れからして4階からの撮影だと思う。手前にジブクレーンが見えるので、機器ハッチ開口部付近かな。
向こうに、エレベーターの入口らしき物が見えます。当然、ドアは吹っ飛んでます。

4階から、機器ハッチの開口を見下ろして3階を見ている感じですね。

この場所と推定すると、ジブクレーンの存在も合点がいきます。
2012.5.29 コメント修正

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
どこかに移動する大名行列一行。
右後ろに、建屋カバー建設用のセメントサイロ(緑のタンク)が見えます。

後ろの建機がカラフルです。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
4号機と、排気筒。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
かっちょいい建機を発見。
先っぽがぐるぐる回る機器っぽい。地盤改良用かな。
コンクリに穴を掘る機械・・・な事は無いか。
(トリミングしています)

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
一行は高台へ。
敷地南側から、北東に向かって見ています。
手前左は共用サプレッションプール水サージタンク建屋、その奥には雑固体廃棄物減容処理建屋(サリーがある場所)、共用プール建屋と続きます。
これらの建物の右には道路があり、その向こうには写真手前からサイトバンカ建屋、工作機械建屋、4号機エリア・・・となっています。
一番右端の、ちょっとクリーム色っぽい大きい建物がプロセス主建屋ですね。
この写真では小さくて分かりにくいですが、真ん中あたりでごちゃごちゃしているのが3・4号機です。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
高い機材で超ズーム。
3号機はしっかり水素を発生させたせいか、オペフロより上はほぼ消し飛んでいます。

そういえば、解体機の足場はあまり進んでないな。本当に5月中に解体が始まるんだろうか。
しかも、現場に人が近づけないのでプールの養生が出来ず、解体は慎重に行う必要があります。
何か養生の方法は考えていると思うけど。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
こちらは1・2号機群。

手前に、共用プール建屋のエアフィンクーラーが見えます。
これもまだ完全復旧が出来ていないようで、建屋横には仮設のエアフィンクーラーが沢山並んでいます。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
おそらく免震重要棟。
もし建物内で汚染が見つかった場合、そこをベリっと剥がして簡単に除染が出来るよう、人が触れる場所や、汚れを持ち込みやすい床にはシートが貼られています。

photo:Tomohiro Ohsumi, Pool
帰る際はスクリーニング。
出入りする車両は大変多く(1日1000台以上)、数をこなすために人海戦術で捌いていきます。
●おまけ 動画から強引に作ったパノラマ写真

(画像クリックで拡大表示します)
基本的に「ペイント」(Windows付属のやつ)だけで作成 (説明付きの写真はこちら
2012.5.29追記:説明付き写真の説明に間違いがありましたので修正しました。

(写真は、表記のないものは全て東京電力公開)

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長いのでページを分けています
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