電気屋的、福島第1原発
大変な事になってしまいました。一刻の収束を願っています。
写真で見る、食い止め作業
注 コメントはソース元の情報および知識を元にし嘘は書かないよう努力してますが、間違っている可能性があります。情報が少なすぎるのもあります。
また、私は原発廃止論者ではない事を先に申しておきます。この騒ぎの発端は経営上の失策および政治的なものと考えております。
写真は、注釈のない物は東京電力が公開したもの(通信社を経由した物も含む)を使用しています。新聞社の写真は引用するとうるさそうだからあまり使わない事にした。
タイトルの通り、ここは写真がメインのページであり、サイトに転載や引用が可能な写真を掲載しつつ事象を扱う趣旨のページです。写真がない出来事は扱わない場合があります。
このコンテンツはニュース速報ではありません。写真が公開された当時の情報により書かれた物です。
現状と内容が大きく異なる場合があります。最新の情報はニュースやTVなどでお調べください。
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5月編(11〜20日まで)
2012年5月11日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2012年1月18日撮影 |
1月17日に送電線(夜の森線)で発生した瞬時電圧低下に耐えられなかった機器が多数停止し、復帰が大変だったという事態が発生。保安院にいろいろ言われていた分ですね。(当時のページはこちら) 今回発生した瞬時電圧低下は0.08秒。開閉器付近で発生した地絡を検知後、事故点を切り離してサブの母線側に系統を切り替えるまでに掛かった時間ですね。 たった0.08秒と思うなかれ。この一瞬は人間の目では十分分かります。落雷の瞬間「ん?今一明かりが瞬暗くなったな」という事がありますが、まさにあれです。 家の明かりならその程度ですが、これが工場となると話は別です。2010年12月8日、三重県四日市市で0.07秒ほど発生した瞬時電圧低下で、東芝四日市工場(フラッシュメモリーを生産)が操業を停止。損害が100億円くらい発生しています。 出典:東芝の工場が瞬間停電で操業停止、NAND出荷量最大2割減も (ロイター) 2010年12月9日 この事故の影響は愛知県西部、三重県北部、岐阜県西部にまで及び、東芝工場近隣の工場などでもあちこちで機器が停止、大騒ぎになる事態になっています。トヨタの工場ではロボットのデータがすっ飛び、操業開始時間に遅れが出ています。このように、瞬停や瞬時電圧低下は非常に怖いんですね。 停電の発生要因は様々です。例えば落雷などは、機器の故障事故と比べて格段にリスクが高いでしょう。今後も、落雷などで瞬低などが発生する可能性は十分ある(多分実際に起こる)ので、この前の件も踏まえて対策の検討を行うようです。 資料によると、瞬時電圧低下の定義を
上記の資料によると、夜の森線における落雷時の再閉路(後述)に必要な最大時間は2秒とあります。通常の故障で発生する瞬時電圧低下は0.1秒以下ですが、事故の原因によっては、これよりも停電時間が長くなることがあります。という訳で、瞬時電圧低下対策については、影響時間を最大2秒と想定します。 送電線路の事故について 重要な施設向けの場合、受電場所には複数系統の送電線路が入っており、万が一片方が死んでも、もう片方で送電・受電を継続させるようになっています。左上の図の場合、新いわき開閉所は東京電力系統から2系、東北電力系統から2系、計4系統を受けています。 送電系統に異常(電圧・電流・地絡など)が発生すると、継電器(リレー)という装置が異常をキャッチ、障害箇所に関係する遮断器(開閉器ではない)に対して開放(OFF)するよう信号を送り、健全な系統から異常個所を切り離します(図中の赤斜線部分「甲1」の範囲)。同時に、負荷側の電源を健全な系統側に切替えます。 今回の瞬時電圧低下は、これら一連の動作に要した時間です。切替には、どうしても一瞬の電圧低下(実質的な停電)が発生してしまいます。これを防ぐのは事実上不可能です。(よって、対策は下流(低圧)で行うのが基本です。) 落雷や地絡について 送電線事故の多くは、雷とか地絡(鳥とか蛇とかを介して漏電する)が原因です。これらのトラブルは、事故が発生した瞬間のみ影響を与えるもの(一過性)が大多数です。例えば雷は皆さんご存知の通り一瞬ですし、鳥や蛇は感電したら一瞬で丸焦げになったり失神して下に落っこちます。そのため、事故を検知して解放された遮断器は、ある一定の時間が経過すると自動的に再閉路(オン)されます。この時点で再閉路に成功すれば、そのまま送電は続けられて一件落着となります。上記の2秒というのは、異常の発生から再閉路までの時間の事です。もしこの2秒の間で解決しない故障であれば、再閉路しても再び継電器が作動して停電します。その場合、以後の再閉路は行われず(ロックされる)、障害が取り除かれて手動で遮断器を投入するまで停電したままとなります。電力会社は、この2度目の停電を事故扱いとしています。 事故って送電が停止した場合で、もし送電系統が複数あって片方が健全であれば、健全側への切替え時間のみで済むことになります。事故った側の線路のみが「2秒ルール」により再閉路を試み、成功すれば復帰します。 まとめ: 事故部分を健全側に切替える→0.05〜0.08秒位 送電線の一時的な異常→2秒位(再閉路に成功した場合) 遮断器と開閉器の違い ・事故などによる過電流など、定格電流以上を遮断する能力を有するもの・・・遮断器(例:ブレーカ) ・定格電流までしか遮断できないもの・・・開閉器(例:照明の壁スイッチ(タンブラスイッチ)など) ちなみに、負荷が少しでもあったら入切してはいけない断路器というものもあります。 |
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対策については、いろいろ小難しいことが書いてありますが、大きく分けると・・・
瞬停が許されない物に関しては、そのほとんどは電子機器や制御盤であるため消費電力は小容量でしょう。そのため、UPSで補償を行います。(写真1) すぐに復帰すればいいものについては、継電器の設定変更(図の左)と、制御シーケンスの変更(図の右)で対策を行います。 まずUPSについてです。UPSとは「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では無停電電源装置といいます。事務所のサーバーとかの横に置かれているのを見たことがある人がいるかも知れません。中には家に所有している人もいるかも?詳しい仕組みはググってね。 簡単に言うと、普段は外部電源から供給を行い、停電発生時はバッテリーからの電源で負荷を回す装置です。方式にもよりますが、停電発生からUPSによる供給の切り替えは一瞬もしくは完全無遮断です。いずれにおいても、負荷機器に異常が発生させないように電源の供給を続行させます。 次に継電器の設定変更ですが、受電設備には事故などを検出するためにいろいろな継電器が付いています。(今回の場合、おそらく不足電圧継電器:UVR が対象) これの感度が敏感な場合、ほんの一瞬の電圧低下で反応してしまい、本来は遮断器を開放しなくてもいいのに解放させてしまうことがあります。家のブレーカと違って、復帰作業は複数の機器を決められた手順に沿って行われるため大変です。普通、UVRには時間を設定するタップ(切り替えスイッチ)があるので、これを適切な値に変更すればOKです。(写真2)ついていない場合はタイマーを挿入するなどの改造でも対処できるかと。 最後は制御シーケンスの変更です。ここにある装置の多くは、本来は一瞬の停電では何ともなく、そのまま運転可能です。電動機の動作は一瞬だけ止まりますが、そんなもんは機器運転上ほとんど関係ない場合がほとんどです。たかだか0.1秒未満なんて、どうせ惰性で回ってるしね。しかし、それを制御する制御回路は、構成によっては一瞬の停電で電源が切れてしまうことがあります。図の「制御回路パターン」項・左上にある自己保持回路がその一例です。 一般的な自己保持回路とは、自身の電源で自身のスイッチを押し続けているような仕組みなので、一瞬の停電で、その押し続けている力が解かれると、スイッチは切れてしまいます。 対策としては、自己保持が勝手に解かれないようにタイマーを挿入するとか、接点を機械的に保持するなどがあります。(写真3) |
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(参考) リレーによる自己保持回路について ここではリレーを使用していますが、大負荷の場合は電磁接触器を使用する場合がほとんどです。 構造は少し違いますが、電磁石で接点を吸い寄せてON/OFFさせるのは一緒ですので、同じ考え方で使用できます。 電磁接触器はほとんどの場合、サーマルリレーと呼ばれる過電流検知器のようなものとセットで使用されます。電磁接触器とサーマルリレーを組み合わせたものを電磁開閉器(通称・マグネット)と呼びます。
電動機の場合は電流の特性がちょっと変わっているので専用の機器で保護します。ブレーカも、モーターブレーカという専用品があります。 なんか電気の教科書みたいになってしまった・・ 自己保持は制御の基本中の基本なので、解説書では必ず触れられるほどです。 電気回路だけでなく、電子回路でもロジックICを利用した自己保持のようなもの(フリップフロップ回路)があります。 |
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2012年5月12日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
福島第一原子力発電所における信頼性向上対策に係る実施計画の策定に関する経済産業省原子力安全・保安院からの指示文書に対する報告の実施についてという資料が公開。名前が長い。 内容は多岐にわたるので、電気に関する部分を端折って見てみます。 引き続き行われている信頼性向上対策ですが、だいぶ進んできました。 まず、前回と同規模の津波が来た際、設備が飲み込まれてブッ壊れる位置(原子炉建屋がある地盤レベル:O.P.10m)から、重要な設備を高台側(O.P.30m)移設する工事が大詰めです。今年末までには大方の工事が終わるようです。 |
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●送電線・特高部分 どうやら、現在一部の機器を仮設設備で運用している大熊線2L(つまり1/2号開閉所)は今年いっぱいで廃止となるようです。 現状と予定
以前は夜の森線(新福島変電所より送電)から受電していた5/6号機側ですが、500kV双葉線(本来は送電用で受電機能を有しない)の線路を利用し、66kVにて新いわき開閉所からの受電となっているようです。 これは、特高系統に多様性を持たせるのが目的と思われます。(上流でのトラブルによる「共倒れ」の防止) 現在、M/Cのうち所内共通2A/Bは、大熊線3・4号線→各所内変圧器と、それぞれ1本ずつ、ほぼ独立した受電系統で入っている状態です。この状態だと、上流の送電線に異常があった場合は、下流の各系統がみんな停電してしまいます。どうやら、66kVの2重母線並列運用がまだのようで(納入待ちなのか、現在はまだ継電器が設置されていないらしい)、66kVが片方止まった場合は手動で切り替える必要があるようです。 2重母線の切り替えをする継電器は今年9月頃に設置されるとのこと。それまでは、停電発生→大変だー!→指差確認しながら順次遮断器を操作→電源復旧、みたいな感じになるかと。 自動化されると、トラブル時に自動的に切り替えられます。 2重母線とは、2つ以上の受電を2つの母線に引き込んだもので、もし片方が停電しても、母線に設置された複数の遮断器を使って負荷側を健全側に切り替えることで、停電を最小限に抑えることができます。 図ではほとんど省略されていますが、実際には多数の遮断器が使われています。規模の大きい場所になると、2重母線を横に並べて4本受電とかもあります。 なお、切替時には瞬間的に電圧低下が起こります。(11日の項を参照) |
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●メタクラ相互の母線連絡の強化 変圧器(図の「所内共通変圧器」)1次側に対しての切り替えは開閉所で行うわけですが、もし送電線路が全部停電してしまった場合は、非常用ディーゼル発電機の出番です。 発電機は負荷の機器の数だけ用意する訳にはいかないので、停電時は変圧器の2次側と同じ6.9kVで発電され、配電系統に供給を行います。 この電源を、多数のメタクラを介して他のメタクラへと融通しあう事で負荷に電源を供給します。 実はこれもまだ構築が不完全のようです。不完全というか、本設と比べると異常時における対策が不十分というわけです。 電気の事なんて分かるかボケ!とか言わないで・・・こんなもん、あみだくじみたいなもんです。 「所内共通M/C 2A」とか書いてある場所にある横の棒が、メタクラの内部です。上から入ってくるのが電源で、下に出ているのは負荷(装置など)などです。(図の表記ではほとんど省略されていますが) 例えるなら、スイッチ付きOAタップコンセントみたいなもんですね。 上の図で言えば、図中下の方にある「プロセス建屋常用M/C」は「所内共通M/C 2A」から、「プロセス建屋後備M/C」は「所内共通 2B」から、それぞれ供給を受けています。 よく見ると、メタクラの下方で同士が線でつながっているのが分かります。例として、「プロセス建屋常用M/C」と「プロセス建屋後備M/C」のメタクラ同士がそうなっていますね。 これが、隣から電源を融通するためのライン(母線連絡)です。 ここの場合だと、もしどちらかのM/Cが停電した場合、プロセス建屋常用M/Cとプロセス建屋後備M/Cの双方が接続されているので、これを介してもう一方のメタクラに電源を供給すれば、停電していたメタクラへ電源が復活するわけです。 この、横のつながりをもっと増やして、停電やトラブルに対して更に強くしようというわけですね。 こちらは今年秋ごろの予定図。 所内電源供給の大元となる「所内共通1A・2A」、「所内共通1B・2B」相互を接続しておき、いざ1箇所が停電した場合は、速攻で連絡母線の遮断器をONにしてお互いを助け合うようになります。 所内共通1A・1Bは、わざわざ離れた場所にある5/6号機側の電源を常用側にしています。所内共通1x系と2x系はそもそも受電元となる66kV送電系統が全く別系統です。大熊線は「新福島変電所」から、双葉線は「新いわき開閉所」からの受電です。これは、受電箇所に多様性を持たせ、送電トラブル時に所内全体を巻き添えにしないためと思われます。 1〜4エリアと5/6エリアの間は2本のケーブル(タイライン)で連絡していますが、停電時に5/6号機側の全ての非常用ディーゼル発電機が動作しなかった場合は、このケーブルを介して1〜4号側から5/6号エリア側に送電をすることになります。もちろんその逆も可能で、ケーブルの容量も予めこれを想定して選定されているはずです。(異常時の供給元優先順位が発電機なのかタイラインなのかは不明。たぶんタイラインだと思うけど) 1〜4エリア側に非常用ディーゼル発電機が1機しか復活していなくても問題無いとされているのは、5/6号機側には稼動可能な非常用ディーゼル発電機が4機備わっており、こちらから1〜4エリア側に送電が可能だからです。 |
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●配電線路の監視・遠方操作 特に事故初期〜秋ごろまで、電源構築に必死だった頃は遠方監視どころではなく、ケーブルを引っ張っては接続に明け暮れていた感じです。 そのため、何かトラブルが発生した場合、原因究明や切り替え操作に無意味に時間を取られていました。これは復帰までに時間が掛かるという事であって、放置できる物ではありません。 そこで、重要なメタクラに関しては電圧の監視や遮断器の監視および操作が可能になるよう、制御系の整備が始まってきています。 遮断器の操作は一般的に直流が用いられます。なぜかというと、停電時でも遮断器や開閉器の操作を行う必要がありますが、その際は制御電源を蓄電池でバックアップするからです。 日本ではDC24VやDC100V、たまにDC200Vが使われます。ここのように設計が米国絡みの場合、あちらの設計思想に倣いDC125VやDC250Vが使われることもあるようです。 |
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●M/Cの設置場所 今回の事故のそもそもの理由は地震ではなく津波というのは周知の事実です。 そこで、この収束工事においては、万が一再び同規模の津波が襲来した場合でも早急な設備機能の復帰が可能なように配慮されています。そのひとつが、M/Cの設置場所です。 電気設備は、低圧系より高圧系のほうが復旧が困難です。そこで、重要な高圧系(所内共通M/Cなど)は出来るだけ高台に設置し、比較的復旧の行いやすい設備や、高台から直接ケーブルを引っ張るのが困難な低圧系(P/Cなど)以外は基本的には低いエリアには設置しないようにしてあります。 一部、仮設M/Cが海岸側などの低地に置かれていますが、これも順次高台側のM/Cに接続が振り返られています。
設置場所高が赤字の部分は、前回と同規模の津波が来たらまた沈みます。そこで、これから供給を受けている負荷を、津波を食らわない箇所みあるM/Cに繋ぎ直す作業が行われています。 重要な設備は2系統以上が並列設置されているので、これら機器の電源をA系側とB系側に振り分ける事により、同時に停止することを防いでいます。例を挙げると、窒素ガス分離装置は2台が設置されていますが、電源は所内共通M/Cの1Aと2Aに振り分けられています。セシウム吸着装置も、キュリオンとサリーは違う系統に接続されていますね。これも、もし片方の電源系統にトラブルが発生した場合でも、もう片方のセシウム吸着装置は常に使用可能にしておくための措置です。 また、共用プール建屋B1Fに復旧したM/C(所内共通D/G(A)M/C)が、同規模の津波が来た際に前回同様に沈まないよう、防水対策工事が行われています。 資料によると、沈んだ主な要因が、地下にあるケ-ブルの出入口からの水の浸入との事で、復旧時は建屋内にケーブルを引き込む場所を地下(トレンチの事と思われる)から地上に変更し、津波などの浸水に対して、室内に水が入って来ないように対策をしているとの事。その他、地上部分での防水工事も行われていて、おそらく1階部分の不要な開口などを塞いでいると思われます。 防水工事は少し時間が掛かるようで、現在は応急的な浸水対策で凌ぎつつ工事を続け、H25年9月までに全ての対策工事が完了(地上部の工事も含めた日程)する予定です。 |
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●P/C(パワーセンター) ここまでは、いわゆる高圧系(6,900V)お話です。しかし御存知の通り、ほとんどの電気製品は高圧では使えません。 そこで、これを変圧(降圧)し、使用する機器に応じて480V・220V・100Vなどにする必要があります。それがパワーセンター(以降P/C)です。 (img) よく、大きな建物や工場の横にこんな物が設置されているのを見かけませんか?業界用語で言うキュービクルというものです。 これぞまさしくP/Cそのものです。 中には変圧器や、機器の保護を行う遮断器・継電器や各種計器がコンパクトに収められています。 P/Cとは形や名前は違いますが、電圧を下げてこれを分岐して負荷に配分するという点では同じですね。 四角で囲まれているのが、ひとつのP/Cです。このとおり、沢山あります。 P/Cは、負荷機器の多い場所に分散して設置されることが多いです。よって海抜の低いエリアに設置されたものも多く、前回と同規模の津波がきた場合は影響を受けるものが結構あります。 そのため、予備品の確保や電源車、可搬型ディーゼル発電機で対応することになっています。 オレンジで囲ったものが既設のP/Cです。津波の被害を免れ、事故当時に最初に中央操作室に明かりを灯したのが、このP/Cの変圧設備です。その他のものは全て仮設もしくは後に設置されたものです。 多くのP/Cは地下もしくは1階部分にあった為、ほとんどが浸水により使用不能になっています。M/Cの故障と共に、これが炉心損傷の要因の一つとなってしまいました。 現在、この既設P/C(P/C 2C・P/C 4D)が担当する低圧系統は各箇所1系統しかなく、M/Cを強化しても低圧系が弱いままです。そこで、P/Cを復旧(もしくは増設)して各2系統化する計画があるようです。 多様性確保の点からか、P/C 2Bは2Cとは異なる所内共通M/C 1Bからの供給となるようです。 その他、P/C 4Dは供給元の構成変更が行われます。現在は仮設3/4号M/C(A)から供給を受けていますが、仮設M/Cの廃止が計画されているので、津波の影響を受けないプロセス建屋内のM/C側に電源ケーブルが切り替えられます。P/C 2Cは既に本設に接続されているので、そのままです。 しかし、P/C 4C・4Dの電源の強固さは凄まじいです。M/C以外の場所でさらに母線連絡付きです。 あ、そうそう、タービン建屋内に高圧母線を引き通す計画があるようです。 どこにも書かれていませんが、勝手な想像だと、将来的には多くのP/Cをタービン建屋内に移設・増設をすると思われます。 建屋内収容にすると機器劣化を防げますし、設置場所の高さによっては津波対策にもなります。 もちろん、線量対策とかが必要ですが・・・まず、線源の大きな要因になっている地下の溜まり水を何とかしないとね。 不要な機器を取っ払ってタービン建屋内部をすっきりさせれば、広い建屋を有効活用できると思うんだけどねぇ、どうなんだろう。 |
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2012年5月16日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5月11日、1〜4号機の湾内部分の覆土工事が完了したようです。 これは、覆土工事前の海底の様子。 当たり前ですが海底なので砂や泥があります。 そして、大量の放射性物質も・・・ (2012年2月26日撮影) |
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2層目の覆土が終わった様子。 セメントとベントナイトを混ぜた、チョコレートみたいなパリパリの物体で覆ってあります。 放射性物質は放っておくと崩壊していくので、とにかく外に出てこないように閉じ込めておくのが重要です。 (2012年4月29日撮影) |
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1層目が15センチくらい、2層目が25センチくらいです。 続いて、17日から5・6号機側覆土工事をを行います。 5・6号機は原子炉に損傷はなく冷温停止中なので放射性物質の放出は全然ありませんが、1〜3号機から放出されたものが海流に流されてこっちにまで来ているので、覆土が必要になっています。 こちらは、6月末に完了予定です。 |
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今回の更新はあまり情報がないので、ここまで。 写真が無い、主なトラブル・出来事 ●デジタルレコーダーの結線ミスが判明(2012.05.14)
●モニタリングポストの送信不良(2012.05.16〜)
●6号機格納容器排気ファンの連続運転を開始(2012.05.18)
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