電気屋的、福島第1原発


大変な事になってしまいました。一刻の収束を願っています。


写真で見る、食い止め作業

 コメントはソース元の情報および知識を元にし嘘は書かないよう努力してますが、間違っている可能性があります。情報が少なすぎるのもあります。
また、私は原発廃止論者ではない事を先に申しておきます。この騒ぎの発端は経営上の失策および政治的なものと考えております。
写真は、注釈のない物は東京電力が公開したもの(通信社を経由した物も含む)を使用しています。新聞社の写真は引用するとうるさそうだからあまり使わない事にした。
タイトルの通り、ここは写真がメインのページであり、サイトに転載や引用が可能な写真を掲載しつつ事象を扱う趣旨のページです。写真がない出来事は扱わない場合があります。


このコンテンツはニュース速報ではありません。写真が公開された当時の情報により書かれた物です。
現状と内容が大きく異なる場合があります。最新の情報はニュースやTVなどでお調べください。


   

4月編(21〜30日まで)

2012年4月23日
中塚一宏・内閣府副大臣が福島第一にて視察を行ったようです。
・・・・てか誰?副大臣の名前も顔も全く知らんかったわ・・・・・・・
(ググっても今回の視察ネタばかり出てくるので、普段は注目されていないんだろう)
あの政党は個性が異様に強い人が出しゃばっているせいか、「その他の人」の印象が全く残っていない。
まぁ口ばっかりの人より、ちゃんとそつ無く仕事をこなしてくれる人なら、それで十分なんですがね。この人がそうなのかは知らんが。特に偉そうに怒鳴ってばっかりとかの人はマジ勘弁です。

という訳で、免震重要棟で訓示(?)している様子。


(2012年4月23日撮影)
なぜか倒壊の噂が絶えない(誰が騒いでるんだ?)4号機のプールを補強しているコンクリート壁のご覧の様子。左側が副大臣。
どうせ外しても余分なゴミが増えるし、バラシなんてやったら無駄な被曝が増えるだけなので型枠がそのままですが、それじゃ中身が見えないので一部分だけを取り外してあります。
信用していないのか、副大臣は何度もこの場から立ち去ろうとする素振りをしている。あと、なぜかたまにタメ口になる。

どうやら天候が雨のようですが、雨が侵入しているせいか建屋内でも雨音がしています。
建屋カバー建設の際は、雨水の侵入防止を目的として原子炉建屋自体にも屋根が取り付けられますが、出来るだけ急いだほうがいいでしょう。雨水や海岸からの潮により設備や建屋の劣化が心配です。
4号機は比較的短期間で燃料プールの燃料が取り出されるため大した問題ではないと思いますが、他の号機はまだ10年以上(最悪、あと40年)は建屋が健全でないといけない訳ですので、外的要因(雨の他、海からの潮など)による劣化は防がないといけません。

(2012年4月23日撮影)
そのままオペフロへ。

手前の白いシートの部分は燃料プールです。シートの下にはフロート式の覆いがされています。
奥の緑色の構造物はなんだろう。燃料取替機とは形が微妙に違う。たくさんチェーンブロックが取り付けられているのが見えるので、工事用の櫓(当時、4号機は炉心シュラウドの交換工事中)か何かっぽいですね。
動画によると、この緑の構造物の向こうに燃料取替機があるようです。真ん中部分から下に向かって縦に棒が見えますが、これが燃料集合体を水中で掴むアームですね。

前のページで触れていますが、もうすぐここに(プールの向こう、原子炉ウェル上部辺り)に重機を持ち込んでオペフロ上での解体が始まります。写真の奥部分は、この写真でも分かる通り、壁が非常に不安定な状態で残っていて、安全な解体には高度な技術が必要です。
この不安定部分の壁の真下にはRw/B(廃棄物処理建屋)があります。Rw/B内には燃料プール冷却設備が設置されているため、解体時のミスでデカい瓦礫をRw/B上に落下させて建物がぶっ壊れた場合は、その内部の燃料プール冷却設備を破損する可能性があります。

副大臣はあまり興味が無いらしく、説明は適当に聞いている雰囲気。まぁ誰かに頼まれて行ってるだけだろうしなぁ。野田は多分ここには来ないだろう。沖縄訪問すらアレだし。

(2012年4月23日撮影)
原子炉ウェルを覗きこむ副大臣(たぶん)。
向こうに、仮置きされたままの格納容器の蓋が鎮座しています。
副大臣、これには興味を持ったのか「あれは何?」みたいな質問をする。その他、建屋が斜めで無いかの調査方法について説明を受ける。

床にたくさんのマーキングがされてます。
破損調査や変位測定やカバー取り付けの調査やらをしているんでしょう。
塗り床なので、雨で滑りやすそうである。


(2012年4月23日撮影)
では、他の話題。

中長期対策会議の運営会議・第5回の資料が公開。
前回からの変更・進展部分の中から興味のあるものについてピックアップ。
資料のほとんどは過去のダブリで、実績についても随時公開されている資料とほとんど一緒なので省略。

最近はあまり続報が無く、どうなってんのかなと思ってた3号機の解体機を載せる構台ですが、資料に写真が載っていました。東側に設置される分については、3月末にはすでに座っていたようです。(※1の部分)
構台の形が変わっていますね。構台を設置する部分が建屋から離れているためでしょう。

残り1つの構台は南面に設置されますが、これは5月上旬から設置が開始されるようです。設置工事が完了次第、そのまま上部瓦礫の解体・撤去が開始されるようです(予定:5月開始)

※2の部分はRw/B(廃棄物処理建屋)の上部。建屋内部には燃料プール冷却設備が設置してあります。
この建物に乗っかっていた瓦礫を退けている解体機(ユンボ)が見えます。


(2012年4月17日撮影)
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2012年4月26日
免震重要棟の一部の区域を放射線管理区域から外すべく、建屋内外で除染や放射線対策工事を行ったとの事で、保安院に報告を行い妥当性について伺うことに。

放射線管理区域とは、放射線量が一定以上ある場所を区分けした部分の事で、その区域を明確にして厳しく管理をするよう法で定められています。病院とかに放射線危険マークがありますが、あれも放射線管理区域です。免震重要棟の場合、1号機の爆発時の衝撃で玄関の扉が変形し、そこから汚染された外気が侵入したせいで室内で汚染が起きてしまい、いわゆる管理区域と同等の管理を要する状態になってしまいました。
その後、破損したドアの手前にコンテナハウスを設置して風除室を作ったり、建屋内に局所排風機(空気清浄機)を設置したり、汚染されたカーペットの撤去などを行なって線量低減を行った結果、現在は汚染のおそれのない管理区域と同等の管理を要すエリア区分になっています。
現状は汚染の恐れはないものの、主に建屋外部から飛んでくる線量がそれなりにあり、法で定める区分上では今だに建屋内は管理区域であることに変わりは無く、様々な制約が発生しています。
例えば、年間100mSvを被曝した人は、仮にこの場所が理論的に安全であろうと、ここでは事務仕事すら出来ません。お茶汲みもアウトです。なぜなら、一定以上の被曝をすると、管理区域内では仕事をしてはいけないと法令で定められているからです。事故初期の対応で多くのベテランが被曝しているので、現場最前線の司令室で仕事ができないのは痛手です。そこで、せめて免震重要棟の一室だけでも非管理区域化する事で、これらの制約を脱する事を目指すわけです。
またここは上記の通り現場指揮の最前線なので、出来るだけ線量を落として貴重な人材を温存する必要もありますし、健康被害のリスクを少しでも減らすことは企業としての責務です。

管理区域としない要件
 ・外部放射線に係る線量が1.3mSv/3ヶ月(2.6μSv/h)を超えないこと。
 ・.表面汚染密度が4Bq/cm2を超えないこと。
 ・空気中放射性物質濃度が3ヶ月の平均濃度で3×10-4Bq/cm3(Cs-137)を超えないこと。
一般的な場所での空間線量:0.01〜0.2μSv/h程度。東京都内で0.06μSv/h位。
※地盤条件や標高の差など、地域により数値が大きく異なる事に注意。
参考:(出典:東北大学
ニューヨーク:0.25μSv/h ソウル・0.1μSv/h Manavalakurichi(インド):0.442μSv/h
ロンドン:0.25μSv/h スーダン:4.57μSv/h 航空機(高度12,000m)5μSv/h
放射線遮蔽では定番の鉛ボードです。普通の石膏ボードに鉛が貼り付けられたもので、既成品で存在します。レントゲン室やオーディオルーム(防振対策)などでよく使われます。死ぬほど重たい。
ボードの継ぎ目からも容赦なく放射線が入ってくるので、そこには鉛のテープを張って遮蔽を行います。
これにより、周囲から飛んでくる放射線を防ぎます。
よく見ると、床にもびっちりと鉛シートが敷き詰められています。


(この項の写真は、すべて撮影日未記載)
壁からでなく下からも飛んでくるので、円卓執務室(このページの一番上の写真の部屋)の床にも鉛シートを貼ります。
この部屋はフリーアクセス床になっているので、一旦これを全部ばらしたあとに鉛シートを敷きこみ、再び床を復旧するという手法が行われているようです。

この鉛シートが、これまた重たいんだよ。
厚さにもよりますが、1畳カーペットくらいの大きさの巻きが、やっと1人で持てるくらい。

窓も鉛シートで塞ぎます。
事故初期にダクト内へ侵入した放射性物質がそのまま残っていて、これも線源になっています。
そこで、不要なダクトを撤去し、また必要な物で汚染物質の付着した空調機やフィルタは取り替えます。
屋上のコンクリート表面には、放射性物質降下物が積もったり付着していて、これも線源となっています。これでは室内の上から放射線が降ってくる状態なので、これも削り取ってしまいます。
その後除染を行い、さらに床と同様に遮蔽を行います。
管理区域と非管理区域との間にゲートを設置、非管理区域内に放射性物質を持ち込まないようにします。

非管理区域にする為には空間線量を2.6μSv/h以下にする事が必要ですが、今までは局所的にこの数値を超えている箇所がありました(対象エリア平均・1.6μSv/h)。
そして、上記の対策工事により0.7μSv/hまで低減。年間当たりの被曝量は、従来の3.2mSvから1.4mSvまでに低減されます。
(通常勤務(2,000h/年)をした場合の年間の被曝量で換算)

依然、非管理区域エリア(執務エリアという)より外は管理区域のままです。つまり正門から免震重要棟内のこの部屋のゲートまでの間は管理区域なので、ここに来るまでの間にわずかながらも被曝する事になります。そこで、移動の間に受ける放射線量を実測してあらかじめ被曝線量を求めておき、これが実効線量で0.1mSvを超えないことを確認することとしています。これは、すでに年間許容積算量に達してしまい余裕が残っていない、つまり既に管理区域内では仕事が出来ない人への安全上また法令上(説得力のある根拠が必要)の配慮という意味合いが大きいでしょう。

参考:事故直後(2011.3〜4月)の時点で行われた線量対策
行われた対策 効果
免震重要棟の出入口にユニットハウスを設置 (参考) 汚染された空気の建屋内への侵入防止
チャコールフィルタ付きの局所排風機を設置 (参考) 建屋内空気中に含まれる汚染物質を除去
床面をカーペットから除染しやすいタイルに変更 建物内の線量低減・除染しやすさの向上
免震重要棟の窓等に鉛遮へいを設置 (参考) 外部からの放射線を低減
この対策により、8〜12μSv/h → 3〜5μSv/hにまで低減。(円卓周辺部)
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2012年4月27日
RO淡水化装置で水漏れ発生。
現場作業確認のため協力企業の作業員が蛇腹ハウス内に入室したところ、床面に水溜まりがあるのを発見。ここにはしっかり堰があるので、外部への漏れは無し。漏れたのは約36リットル。

漏洩検知器が発報するまでに発見されたお陰で、漏れは少ないようです。
漏れの発見が9時17分で、RO淡水化装置を手動停止させたのは9時30分、漏洩検知器発報の確認が9時35分。
検知器は、誤動作防止のためか床面から若干浮かせてあり、検知には数ミリ程度の水深が必要な感じです。今回検知器は正常動作しており、最終的に水たまりの深さが1ミリとあるので、検知器の動作的には良い感じではなかろうか。

蒸発濃縮装置2A,B用ハウスに設置されている漏洩検知器のセンサー。たぶん同じ物が設置されていると思われる。

平成24年1月31日の資料より。

(2012年4月27日撮影)
漏れは、エネルギー回収装置という装置の入口部分の継ぎ手から発生。

漏洩した水の核種分析では、セシウムが100Bq/cm3と割と少ないものの、やはり全βが多く5.4×104Bq/cm3となっています。表面線量はγ線が1mSv/h、β線が7mSv/h。


(2012年4月27日撮影)
26日に保安院に提出された非管理区域化の件(一つ上の項のやつ)について、保安院からOKが出たとの事で、来月1日から運用を開始することになりました。

これは、ゲートの様子ですね。ここで、人に放射性物質が付着していないかを検査します。


(2012年4月27日撮影)
こちらは携行品モニタ。エリア内に持ち込む荷物を検査する機器ですね。富士電機製のようです。
(以前からサーベイメータや測定器をラインナップしています)
一般ピープルにはあまり馴染みが無い会社名かもしれませんが、この会社の製品は意外と身の回りのあちこちで活躍しています。よく目にする例として、自動販売機・スーパーの冷蔵ショーケース・つり銭機(レジの下から小銭が自動で出る奴)があります。

豆知識 富士電機株式会社
大正12年(1923年)設立。日本を代表する電機メーカーのひとつである。国内重電メーカー第4位。
古河電気工業とシーメンス社(独)との合弁企業「富士電機製造株式会社」として設立された。戦前期に多数行われた海外大手メーカーとの技術提携を代表する例である。電子機器メーカー大手の富士通は、富士電機内の電話部門が独立して設立された「富士通信機製造」がルーツである。
受変電機器・発電プラント・エネルギー機器・FA機器全般・パワーエレクトロニクスといった工業・産業分野から、インバーター・鉄道車両機器といった輸送搬送系、自動販売機や冷凍・冷蔵ショーケース・両替機といった民生品まで幅広く取り扱う。近年は、高まる省エネ志向に対応したパワーエレクトロニクスに注力している。
自動販売機国内シェア第1位、汎用インバーター国内シェア第2位、積算電力量計(家の電気メーター)国内シェア第3位。電磁開閉器国内シェア第1位。IGBTモジュール(インバータなどパワエレに必須である半導体)世界シェア第3位。地熱発電システム世界シェア第1位(いずれも2010年。出典

一時は純粋持株会社制に移行したものの廃止した。現在も多数の子会社・関連会社を率いるが、中核部門は直営に回帰しつつある。いくつかの研究センターを持っており、東京大学と産学連携も行なっている。

(2012年4月27日撮影)
では、次の話題。

今まではJヴィレッジで行われていた、警戒区域外に出る車両のスクリーニングおよび除染(スクリーニングの結果に応じて除染を行う)ですが、24日から福島第一の敷地内(正門のすぐ近く)で試験運用(どっちかというと予行練習)行われています。
線量低下および懸命な除染作業のお陰で警戒区域が大幅に縮小される計画があり、そうなると今まで通りJヴィレッジで除染するのは問題になる(汚染されている車両で一般地域を走行する可能性がある)ので、将来的にはJヴィレッジからここにスクリーニングと除染を行う機能を移転する計画になっています。
という訳で試験運用を行なってみたとの事。(これは課題を絞り出すための試験であり、正式なスクリーニングは現在もJヴィレッジで行う)
ちなみにスクリーニングは警戒区域から外に出る全ての車両に対して行われ、そのうち13,000cpmを超えた場合は除染の対象。
もちろん人間や資機材もスクリーニングの対象です。

会見を見ていないので某所の書き起こしからの情報ですが、昨日(26日)の実績で約1,000台がここを通過。そのうちで除染が必要だった車両が160台。
この大量の車両を捌くのは、90人のスクリーニング人員と、40人の除染人員です。
なお、除染後も基準値を超えていたのは10台。これどうするんだろう。


(2012年4月27日撮影)
1日1,000台とかなり多いので、スクリーニングも人海戦術です。
たぶん車両内もスクリーニングを行うと思うので、手間が大変そうです。


(2012年4月24日撮影)

(写真は、表記のないものは全て東京電力公開)

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