電気屋的、福島第1原発


大変な事になってしまいました。一刻の収束を願っています。


写真で見る、食い止め作業

 コメントはソース元の情報および知識を元にし嘘は書かないよう努力してますが、間違っている可能性があります。情報が少なすぎるのもあります。
また、私は原発廃止論者ではない事を先に申しておきます。この騒ぎの発端は経営上の失策および政治的なものと考えております。
写真は、注釈のない物は東京電力が公開したもの(通信社を経由した物も含む)を使用しています。新聞社の写真は引用するとうるさそうだからあまり使わない事にした。
タイトルの通り、ここは写真がメインのページであり、サイトに転載や引用が可能な写真を掲載しつつ事象を扱う趣旨のページです。写真がない出来事は扱わない場合があります。


このコンテンツはニュース速報ではありません。写真が公開された当時の情報により書かれた物です。
現状と内容が大きく異なる場合があります。最新の情報はニュースやTVなどでお調べください。


   

2月編(1〜10日まで)

2012年2月1日
毎日のように、凍結によると思われる水漏れが起きている中、一番トラブルが起きては困る高台炉注水ポンプに対して、小屋を設置したようです。
この中を、0度以上に保っておけば凍結は起きないので、いい方法だと思う。
ていうか、今まで誰も思いつかなかったんだろうか・・・

まずは、足場鋼管で骨を組んでいきます。
関係ないけど、足場鋼管って便利いよな。小屋とか建てられるし。


(撮影日未記載)
上からシートを被せて完成。
風が入ってこないだけで全く違います。


(撮影日未記載)
要所には200Wくらいの投光器(レフランプ)を設置、ヒーター代わりにしています。

投光器で凍結防止を行うのは、以前からよく行われる方法です。
設置が簡単、何気に照明代わりになる、安いなど結構メリットがあります。
これでも凍結が懸念されるほど室内の気温が低ければ、小型のストーブかジェットヒーターでも突っ込んでおけば、零下になるのは回避できるでしょう。

以前の写真と比べると、さらに保温が徹底されているのが分かります。
最初から小屋を建てて、保温なしでも良かったと思うんだけどねぇ。
たぶん保温材を巻いたら、露天のままでも大丈夫と踏んでいたんでしょう。


(撮影日未記載)
では次の話題。

これは、先月(31日)に水漏れが発見された「ジェットポンプ計測用ラック」という場所です。
ここの、ジェットポンプ流量計装配管が外れて水漏れが発見されたとのこと。
図の正面、縦に2本ある配管の右側で、途中に横へ分岐している配管が、下部のバルブ部分で外れています。写真でわかるかな?
ここから「鉛筆一本分」の水が漏れていたようです。結構いい勢いだね。

写真の真ん中よりちょっと下の銀色の塊が差圧伝送器(下記図中の「FT」)と思われます。ここに高圧側と低圧側のポートが入り、その圧力を電気信号に置き換えて伝送されます。

時系列が前後しますが、2/10に公開された資料より。
差圧伝送器を利用した流量計ですね。ジェットポンプとは、原子炉内の冷却水をかき混ぜて原子炉の出力を微調整したり、給水を原子炉に押しこむポンプです。原子炉の重要な装置の一つで、再循環ポンプとセットで使用します。新型(ABWR)にはありません。
原子炉圧力容器とこの配管は直結しています。つまりここの配管が外れると、原子炉ウェルの水が空になるまで延々と水が出てきます。

図の通り、ここは原子炉ウェル部分の水です。燃料プールとほぼ同等の水です。

幸いだったのは、ここが原子炉建屋であったことです。
漏れた水は地下階に流れており、現在地下は汚水タンクとして機能していますので、外部への流出は起きていないようです。
また、ここは4号機なので、他の号機と比べると汚染は比較的少ないのも幸いだったと言えます。


(2012年2月1日撮影)
ズーム。
なんで外れたんだろう。やっぱ凍結かな。完璧にすっぽ抜けています。

1月30日頃、スキマーサージタンクの水位が通常よりぐんぐん減っているため調査を開始、31日にパトロールを行った際にこの不都合を発見。
上の図を見ても分かる通り、解放された原子炉圧力容器の水は原子炉ウェルやDSピット、さらには燃料プールともつながっているので、原子炉圧力容器から水が抜けると循環冷却の復路とのバランスが崩れ、結果的に燃料プールの水はオーバーフローしないので、スキマーサージタンクの水位はどんどん下がってきます。

計測用ラックの例。(浜岡原子力発電所2号機)
流量や圧力、水位などを電気信号に変換するために、ここへ計装用配管をまとめて集めてセンサーを取付、一元管理をしています。またテスト配管も取り出せるので、今回の事故においても仮設計器の取付に利用されています。

(写真は中部電力のサイトより引用させて頂きました。)

(2012年2月1日撮影)
2012年2月2日
4号機の原子炉ウェルに水を供給するホースから漏れが発生。
何中の赤いホースです。
原子炉ウェルへの弁は閉まっていたらしいので、写真に見える継手部分で漏れていたと言うことですね。

両サイドに見えるステンメッシュホースは、プールの循環冷却用ホース。往と復の2本があります。


(2012年2月2日撮影)
2012年2月3日
1月10日に漏れが発生したタンクと同型の物から、また水漏れが発生したとの事。

詳しくはこちらへ
 前回と同型のタンクからまた漏れが発生 (2012年2月3日写真公開)

ジャボジャボ漏れたわけでなく、土間コンに滲みがある程度なのが幸いです。
外部での流出は見られないとの事。


(2012年2月3日撮影)
水漏れ部分のズーム。
う〜ん、柔らかいシールを使ってるし、タンク全体が冷えて収縮して隙間が出来たんだろうか。
時間があれば、内側にFRPとか張れればよかったんだろうけどね、まぁ急ぎだから無理だったのかね。
継目の溶接閉止も、線量のこともあるし難しいでしょう。外から溶接しただけじゃ、多分割れます。
ボルトの増し締めして、気温が上がるまでお茶を濁すしかないでしょう。


(2012年2月3日撮影)

スポンサード・リンク


では、次の話題。

「福島第一原子力発電所免震重要棟前面駐車場におけるダスト・小ガレキ集塵による線量低減について」と題されて写真と資料が公開されました。
以前触れた、駐車場の線量低減を目的とした除染作業の結果が出たようです。
これは、駐車場の空間線量を下げて管理区域外化することにより、単に免震重要棟に用がある人など、作業を行わない人は防護服が不要になり、また車の汚染の低減にもなります。(特に、タイヤは汚染されると除染が困難らしい)

この写真の建機は、うちのサイトで何度も登場している除染用掃除機マシンです。
機械のあちこちに大成建設と書いてあるので、たぶん大成建設が開発したんでしょう。建設ゼネコンは何でもやるんだなーと感心するわ。
ちなみにこれ特許出願中らしいので、悪徳業者は真似して「除染ビジネス」と称して荒稼ぎしようと思わないように。


(2012年1月7日撮影)
除染を行う範囲。
出入り業者などが使っているであろう範囲と思われます。
免震重要棟に近い部分は、構内用車か社員用駐車場でしょう。
では作業内容。
前のページで紹介した事とほとんど被るので、簡単に。

まずは手作業でざっと清掃。
右に、太陽電池で動作する移動式モニタリングポストが見えます。


(2011年12月16日撮影)
放射線を発するのは、汚染された塵が原因です。非舗装面において汚染されているのは、殆どの場合は表土部分です。
そのため、畑などは耕さずに表土をそっと取り除いたほうが良いと言われています。

舗装面は後で建機掃除機で吸引しますが、植栽部分の表土は、手作業でざっと鋤取っています。
ちなみにこの手作業は直営工事らしい。


(2011年12月16日撮影)
その次は、いよいよ重機登場。

まずは、舗装の細か所に入り込んだり、しっかり固着した汚れを浮かせる作業です。
俗に言う「ケレン」と呼ばれる作業です。「清掃」を意味するclean(クリーン)が訛ったのが語源と言われています。塗装業界ではおなじみの用語で、塗装前に古い塗料や表面のサビ・汚れを除去する作業を指します。
で、ここの場合では具体的に何をするかというと、上記の通り、汚染物質を集塵機で吸い込みやすいように、あらかじめ舗装面を硬いブラシ(たわしのほうが近いかも)のようなものでゴシゴシこすって剥ぎ取ります。バケット(ショベル)の先に何か付いているのが見えるでしょ?

重機なので力はいくらでもありますが、下手くそがオペるとケレンの先端をぺっちゃんこにして痛ませたり、もっと下手くそだと舗装を掘って破壊してしまうので、バケットを舗装に対して平行に丁寧に操作するなど、それなりの技量を必要とします。


(2012年1月7日撮影)
その後、この項の最初に出てきた掃除機で塵を吸い込みます。
これを、隙間なくきっちりやっていきます。
集塵のムラがあるとそこがスポットになってしまい、せっかくの苦労が水の泡になってしまいます。


(2012年1月7日撮影)
これが、集塵による除染が行われた前後での線量の変化を示したものです。
測定部分は、地上から1mの位置です。

平均値もですが、最大値がしっかり下がっています。1/3位になっています。
空間線量「だけ」を単純に見れば、平均値であっても移動程度であれば普通に歩いても問題無い数値です。ただし、ダストが何かの拍子で舞ってくる可能性は否定出来ないので、吸引を防ぐ為に何かのマスクはしたほうが安全と言えます。
次は、地上1センチ部分での線量です。地面における表面線量です。
空間線量は時間と共に下がっており、現在は原発敷地外を出ると、ほとんど普通に出歩いても問題無い程度になっています。
じゃあ安全かと言われると、そうじゃありません。事故の時に降り注いだダストが地面に堆積していて、ここから放射線が相変わらず出ています。立っていればマシだけど(足には放射線は飛んで来てるが)、地面は相変わらずデンジャーというわけです。左図の集塵前を見ると、上記の地上1m地点の空間線量と数値が全く違うのが分かります。1mSv/h(1,000μSv/h)を超える場所もあります。
しかし、集塵により線量は大幅に低下しています。平均値を押し上げていた免震重要棟左の部分はみんな青色になっていますね。平均値が地上1m空間線量とほとんど一緒にまで下がっています。一方、免震重要棟の正面は集塵作業を行なっていないので、値に変化は殆どありません。ここでも作業を行えば、平均値をかなり落とせそうです。
2012年2月6日
またまた、このタイプのタンク(濃縮水貯槽タンク)がお漏らしです。3日に漏れが発見され、このタイプのタンクでの漏れが続発したことから、同タイプのタンクの一斉点検を行なっていた所、この漏れを発見。
漏えい量は、約0.6リットルと推定。滲み程度でコンクリート基礎から外には漏れでていないので、外部への流出は無し。早期発見できて良かった。

う〜ん、しかし漏れが多いなぁ。ちょっとタンクの水を減らして運用したほうがいいかも知れんね。みんな下部から漏れているので、おそらく水圧にシールが負けてます。寒くてタンクの継ぎ目がちょっと広がってるのかも。
同じ説明を何度も書くのは無駄なので以下略。

この場所にある水はセシウム吸着装置を通過した後なのでセシウムが主に発するガンマ線は(元よりは)少ないのですが、ストロンチウムといったベータ線を発する核種はほとんど除去されていないので、ベータ線量が凄まじく強いのです。前回は驚異の2,000mSv/hでした。おそらく、サリーやキュリオンが無ければ、ガンマ線もそれくらいあるんじゃないかと。
ただ、ガンマ線より遮へいが容易なのが救いです。アルミ板を被せるだけで2ケタ下がったりします。
今回の漏れのコンクリート滲み部分の表面線量は、ガンマ線20mSv/h、ベータ線250mSv/hとの事。前回よりはかなりマシです。しかしベータ線は相変わらず強いです。早期の多核種除染装置の稼働が望まれます。

その他、凍結が原因の漏れは、相変わらず大なり小なり発生しています。
さっさと春が来ればいいんだが。後1ヶ月の辛抱だ。

(2012年2月6日撮影)
ズームアップ。
毎回、似たような場所から漏れでています。
歪がここに集中するんじゃないのかね。
別のネタ。なにやら保安院の検査があったらしい。
どうせケチ付けに来たんだろう。独立した立場からケチ付けるもいいが、知恵を出し合ったほうがいいんじゃなかろうか。主導する実力も技量も知識もない政治家よりはいいアイデアを持っているんじゃないかな。
後ろに、仮眠用らしき二段ベッドが見えます。福島第2の体育館にあったアレと一緒なタイプです。
役の付いている人は、ここで数日泊まりっぱなしの人も居るんじゃないかと。
撮影されている写真の13枚中11枚が、ただひたすら保安院メンバーの激写です。完全に晒しあげですw やっぱりこの人達、社員に嫌わr(ry
まぁ監督者は好かれてない位がいいんですけどね。程度が過ぎると今度は意思疎通が断絶するので、何事も程度ですが。

そういえば最近、政府が東電に介入しようと躍起になっていますが、実に馬鹿らしい。
政府は黙って金だけ払っていればいい。政府が民間企業に土足で入り込んでも碌な事にならないのはJALの件で立証済みです。
どうせ、いつもの上から目線で役員をなじって正義のヒーロー気分にひたるだけでしょう。活動家上がりだらけの危ない現政府にインフラ企業を任せるのは自殺行為です。
それ以前に、官僚に頼りたくないというプライドだけは一人前なくせに知識は無い素人集団には何も出来ませんし、してほしくありません。周波数統一だの直流送電だの発送電分離だの、どこで覚えてきたのか分からない用語に酔いしれてるし。
そんなことより円高対策と景気対策してください。復興で工場を建て直すどころか、これを契機にと言わんばかりに拠点が中国やタイに逃げるじゃん。税収も減るしばかじゃないの

(2012年2月6日撮影)

スポンサード・リンク

2012年2月8日
さて、他号機では絶賛運転中の格納容器ガス管理システムですが、3号機の設置が大変滞っております。
うちのページでも何度も触れていますが、3号機における機器設置予定場所の線量が非常に高く、パックボットなどで頑張って掃除をしてもなかなか下がらないという所で話題が途切れてしまいました。何だか2ヶ月以上も音沙汰がありません。
格納容器ガス管理システムは、放射性物質の拡散や、発生する水素の除去、また再臨界の発生を早期に発見するために重要な装置です。

機器ハッチのレールを掃除中のパックボットさん。
兄弟のルンバには、溝掃除は真似できません。
このレール面は、掃除前の時点で440〜1,600mSv/hという凶悪な数値を叩き出していました。
ここから離れれば線量は一気に下がりますが、最低でも100mSv/hを下回らないと人間での近接作業は不可能です。

(2011年11月19日撮影)

去年11月末から音沙汰がなかったので、頓挫したか決死隊投入か(日本では出来ない手法ですが)と思いきや、実は秘密裏に(別に隠してるわけではないけど)計画は進められていました。
問題は、強い線量を発する機器ハッチのレール面です。この真上が、作業する場所です。
そこで、誰が思いついたか「じゃあ空中に配管を飛ばせばいいんじゃね?」というびっくりアイデアです。なるほど、上を通す事でレールに近づかなければいいのです。マジで発想の転換です。

方法は、荷揚台車(工事現場にあるバッテリーの高所作業車だろう)を使用して、格納容器ガス管理システムを接続する、既設「FCSテストタップ」(パイプの接続口)近傍のグレーチングに、予めホースをハンガー吊りしておいたワイヤーを引っ掛けます。この作業を、遠隔操作された台車を利用して無人で行ったようです。
その後、FCSテストタップにヘッダ(ホースを取り付ける金物)を取付け、これにホースを差し込んで接続。これはロボットでは無理っぽいので多分人がやってると思います。ただし作業車で行けば床面から遠ざかるので線量低減効果はあります。
最後に、ワイヤーの反対側をウインチで引っ張って緊張し、敷設完了です。見事です。
つまり、ヘッダーの接続作業以外、高線量の場所は人が作業を行なっていません。

これだけ遠隔作業を多用したにも関わらず、最大被曝線量11.19mSvの人が居たようです。(計画線量20mSv・作業者は合計26名で実施。)
以前の内視鏡検査と同様に、事前に安全な5号機で実証を行い、本番に挑んだようです。
もし、まともにオール人力でやっていたらこんなもんじゃ済みません。一番被曝するであろうホース敷設が遠隔で実施できたのは大きいと思います。しかもそんなにハイテクは必要無いし。
こうした頭の柔らかい人材を大事にして頂きたい限りです。
もう一つ違う話題を。

最近、2号機の圧力容器の一部分で温度が急上昇しています。圧力容器底部ヘッドと呼ばれる部分です。
センサは、断面の一周を3等分した箇所に3個取り付けられているのですが、その内の一個だけがぐんぐん温度が上がっています。当たり前ですが見に行けない場所なので原因は不明です。
ガスの分析によれば再臨界の可能性は無し(臨界時に放出されるキセノン135が出ていない)うえ、近くにある他の2つのセンサは以前と全く同じに温度が推移しています。
何せ原因が不明(見に行けない)なので、大事を見て注水量を増やしていますが、相変わらず1つだけ高いままです。代わりに他の2つは温度が下がっています。たぶん注水が増えたからでしょう。最近はホウ素も突っ込んでいますが相変わらずです。注水も、ただ闇雲に増やすわけにも行きません。急激な冷却は水の分子の密度が上がり中性子が減速されるため、核分裂を促進させる原因となります。(詳しくは、当サイトの「原子力なぜなに講座」を参照してね)

これ・・・温度センサの故障だよなたぶん。一時的な、何かの塊で起きた小さな反応かなと思ったりしましたが、キセノンが出ていないので違うっぽいです。
そもそも、分厚い鋼鉄製容器の側面を計測しているくせに、温度変動が小刻みすぎる事が既におかしいです。他の135°と270°と比較しても動きが変。
しかし、万が一の事を考えて、安易に故障と決めつけられないのが残念なところです。
しかしもっと残念なのは、これを根拠のないデマに置き換えて騒ぐ人達のほうです。
2012年2月8日
サブドレン浄化試験のために設置しているタンクより、水がオーバーフローして外部に漏れ出したとの事。

サブドレンとは、建物への漏水などを防ぐ為に、ここから地下水を吸い上げて地下水位を下げるための井戸です。また建屋外に放射性物質が漏れ出ていないかのチェックにも使われます。
事故後ずっとほったらかしになっているので、これを復活させるべく浄化試験を行なっていたようです。多かれ少なかれ汚染されているので、そのまま垂れ流しはできないので、ここで浄化するようです。
汲み上げられた水は右のほう(灰色)の方のタンクに入れられます。これは沈殿タンクで、ゴミを沈殿させる役割があるようです。沈殿させた後は、左のブルーシートの掛かっているタンクに移送されて元に戻る(サブドレンに戻すのか)との事。

ポンプは、サブドレンピットの水位で制御されているようです。サブドレンピットの水位が上がるとポンプが起動しこのタンクに移送、水位が下がると停止というシーケンスです。しかしサブドレンピットの水量が多く、タンクの容量以上に地下水を汲み上げてしまったのが原因らしい。
外部流出(地面に染み込んだ分)は推定16m3程度と推測。

保安院じゃないので責めるのはアレだけど、タンクに水位監視が無いのはちょっと詰めが甘い気がする。
まぁサブドレンなので、汚染の濃度といってのもそこらの水たまりくらいじゃないんだろうか。何とかの何乗ベクレルと言われてもピンと来ない。数学苦手だし。


(2012年2月8日撮影)
2012年2月9日
「耐圧ホースの破損事象に関する原因調査について」なる報告書を公開。
以前に触れた、チガヤ(茅萱)という凶暴な雑草によるホース損傷の件と、ホースに亀裂が入った件について調査を行ったようです。年末に起きた、ホースの謎の膨らみについては触れていません。別でやってるんだろうか。

左の写真2枚は実際に発生した損傷部分の写真で、右がチガヤの貫通が原因の水漏れ(ホースを切断し内側から撮影)、左は表面に見える亀裂部分。

ホースの断面。
3層構造になっています。
そして、いつものようにちゃんとした研究機関での大げさな調査を実施。
まずは、上の写真の左側、亀裂の発生メカニズムの解明です。

これは、ホースを捻る試験(捻回試験)です。試験装置というか工作機械ですな。
他にも、引張試験や衝撃を与えた耐圧試験など、様々な試験を行った写真がありますが省略。結論から言うと、漏れの発生するような損傷は発生しなかったとのこと。

こんな事を言ったら怒る人が居るかも知れませんが、これはたぶん施工時の問題だと思います。
敷設方法が分からないので断言はしませんが、例えば輪を解く際にキンクになったとか、規定以下の半径で強く曲げたとか、無闇に引き摺ったとか、何かの下敷きになったとかetc、施工時の不手際が後々に不都合として現れることはあります。

同様の不都合発生箇所は2ヶ所と、検証を行うには標本が少ない気がします。
だからといって標本は増えなくて結構だけど。
もう一つはコレ。凶悪な雑草・チガヤです。
完全に貫通しています。恐ろしい・・・

ここに限らず、こいつが凶暴なのは以前からその筋(どんな筋だ)では有名で、防草シート(草が生えないように地面を塞ぐように敷くシート)を普通にブチ破って頭を出すという元気の良さです。
根は非常にしつこく、根絶は困難と言われます。
海外では、チガヤの大繁殖により、他に植生していたネイティブな植物を根絶やしにしたという恐ろしい例もあります。

日本全国に生息しているので、近所を散歩がてらに見てみましょう。
春には小さいススキのような綿毛が出来るのですぐ分かります。
河川敷の土手などでよく見かけます。イネ科独特の細長い葉っぱが目印です。
こいつの貫通力を調査した所、ホースの外側の層(軟質塩ビ)は余裕で貫通すると判明。

ただし、次にある補強繊維(アラミド繊維)の貫通は、通常では無理との結果。
ただし、ホースは内部に水が入っていて重いので、そこの下からチガヤが伸びてきた場合は、チガヤに対して抑えつける力が働くので、チガヤの伸びる力によってホースを貫通する可能性があるとのこと。
可能性というか実際に貫通してるんですけどね。写真もあるし。

ちなみに、チガヤにブチ開けられた穴(ピンホール)は22ヶ所にも及ぶそうです。恐ろしや。
チガヤ対策は、ズバリこれ。ていうか、これしかありません。
下からブチ抜かれないように何かを敷く事です。
U字溝とかいいと思います。でも溝同士の隙間から平気で入ってくるので、継ぎ目部分にはコンクリート板を敷くとかの対策は必要でしょう。
2012年2月10日
4号の燃料プールの透明度を調査。
プールにカメラと、視界確認用のロープを設置。
視界は5m程度のようです。

これはラックですかね。たくさんガレキが載っています。これでも1号機や3号機と比べると、まだマシに見えます。

関係ないけど、世間で危険を煽る人たちは、なぜか4号機はやばいと言っています。何が根拠なんだろうといつも思う。損傷の比較をするならむしろ、3号機のほうがやばいと思うけど・・・
予想では、燃料プールのつっかえ棒施工がその根拠と思われますが、あれは建物の強度が基準を満たしている上での、さらなる安全策として施工されたものです。強度不足とは関係有りません。
また、4号機のみに施工されたのは、単に立ち入りが可能なのが4号機しか無いという理由でしょう。他の号機で、コンクリ打ちの出来るほど長時間作業の可能な建物はありません。2・3号機にいたっては、プールの下(4階)にすら誰も行けてない状態です。


(2012年2月10日撮影)

(写真は、表記のないものは全て東京電力公開)

スポンサード・リンク

ページ中には情報の出典元として新聞社サイトのリンクを張っていますが、日本の新聞社や通信社は糞野郎ばっかりで、権利意識だけは一丁前で転載にうるさいくせしてすぐページを消しやがるので、リンクが切れている可能性があります。
ご了承ください。
内容に間違いがありましたら、メニューページにあるフォームから教えていただければ幸いです。

文章は、加筆・修正がされる場合があります。
整合性や、転載による文章の一人歩きを防ぐ為、引用部分を除いて文章の転載は一切禁止します。


次へ(2012年2月11〜20日)

戻る