電気屋的、福島第1原発


大変な事になってしまいました。一刻の収束を願っています。


写真で見る、食い止め作業

 コメントはソース元の情報および知識を元にし嘘は書かないよう努力してますが、間違っている可能性があります。情報が少なすぎるのもあります。
また、私は原発廃止論者ではない事を先に申しておきます。この騒ぎの発端は経営上の失策および政治的なものと考えております。
写真は、注釈のない物は東京電力が公開したもの(通信社を経由した物も含む)を使用しています。新聞社の写真は引用するとうるさそうだからあまり使わない事にした。
タイトルの通り、ここは写真がメインのページであり、サイトに転載や引用が可能な写真を掲載しつつ事象を扱う趣旨のページです。写真がない出来事は扱わない場合があります。


このコンテンツはニュース速報ではありません。写真が公開された当時の情報により書かれた物です。
現状と内容が大きく異なる場合があります。最新の情報はニュースやTVなどでお調べください。


   

1月編(11〜20日まで)

2012年1月11日

5・6号機のR/B換気空調系の運転が再開されたとのこと。

過去の写真でえらいサビサビと思ったら、ずっと停めてたみたいです。そりゃいかん。
地下とか水没してるのに、電気室とか大丈夫かいな。
とは言っても、下手に換気すると外の放射性物質が入ってくるので、その対策をしていたのかもしれないですね。5と6は、下手したら外より空気がきれいだし。

通常時通り、フィルタを通して主排気塔から排気。モニタリングで変動なし。
損傷してないのに当たり前だろ常識的に考えて・・・(公表するのは一応お約束だろうけど)

これは今回公開されたものではなく、9月末頃に公開された6号機のホウ酸注入系(SLC)ポンプ。
5階に設置されているのに錆が出てるので、当時は何でこんなに錆びているのか不思議に思っていました。換気していないなら、どこも多湿だわな。
5階といえば燃料プールがあるはずです。冷却がままならない頃は水温が60度を超えていたので、オペフロがまるで風呂場の中のようになっていたはずです。


(2011年8月24日撮影)

2012年1月12日

福島第二・4号機の蒸気タービン(発電機を回すタービン)の点検状況が公表。
こっちは海水系と一部地下階以外は無事なので、ご覧の通り明かりも付いてるし普通です。
という訳で、こちらは地震による影響の調査です。

ご覧のとおり、発電機には沢山のタービンが付いています。タービンとは、巨大な風車みたいなもんです。
タービンは原子炉で発生した蒸気の力を利用して回転させています。その回転で発電機を回します。

実は、一旦タービンを回し終えた蒸気は、同じ軸上にある他のタービンも回します。
図中の一番左にあるのは高圧タービンといい、原子炉からやってきた蒸気は、まずこれを回転させます。高圧タービンを回した後でまだ残っている蒸気の勢いで、次は低圧タービンというものを回します。
こうしする事で、せっかく発生させたエネルギーを、勢いが落ちて使い物にならなくなる最後まできっちり軸を回す力として利用し、効率を上げるわけですね。

上記の通り、高圧タービンを回し終えた蒸気はまだ勢いが残ってはいますが、当然勢いが落ちます。ついでに温度も下がります。
温度が下がるということは湿度が上がります。(飽和水蒸気量って理科で習ったでしょ?アレです)
実は、湿気のある蒸気はタービンの効率を落とす上に、タービン本体に悪影響を及ぼします(腐食が発生する)ので、高圧タービンを回し終えた蒸気は「湿分分離器」という装置で湿気を取り除いた上で、低圧タービンに送られるようになっています。

蒸気はこんな感じで流れる。

高圧タービンを回した後、湿気を取り除いた後に低圧タービンを回します。
低圧タービンの台数は発電所によって異なりますが、高圧タービンは1台です。

高圧タービンの動翼と静翼の接触部分。
動翼が蒸気の勢いで回転する側、静翼は固定されている側です。
扇風機の羽根が外のカバーに当たった感じです。

あれだけ揺れたのだから、まぁ接触しても仕方が無いとは思う。
ブレードが吹き飛ぶような被害は発生していないようです。さすがだわ。

実は、蒸気タービンは日本の名産品のひとつです。最近は中国のシェアが伸びまくっていますが、技術面では日本および欧州が牽引し、これらの会社と技術提携している中国メーカーが生産しまくっているという構図です。
蒸気タービンの設計は流体解析だの共振なんちゃらだの、非常に高度な技術が必要です。製造より設計が難しいというやつですね。どうせ特許の塊だろうし。
日本メーカーでは東芝が頑張っています。最近ではメリケンで火力発電用大型タービンの受注に成功するなど、割りとノリノリです。

原子力に限らず、火力発電も結局は蒸気タービンで発電しているので、日本の電力の大半は蒸気タービンで発電されているとも言えます。みなさん蒸気タービンに感謝しましょう。

こっちは低圧タービン。やっぱり動翼と静翼の接触が確認されています。
ほとんどくっついた形で隣り合っているので仕方ないです。
軸が横揺れして、動翼が静翼側の角にジョリジョリっとなった感じです。

写真では、タービンケーシング(カバー)を外してあります。ケーシングを固定するボルトが床から生えていますが、凄い太さ&本数なのが分かります。
結構な蒸気圧が掛かりますので、ケーシングも非常に丈夫に出来ています。
鉄製のしっかりした物で出来ていますが、タービンブレードが破損して、遠心力でケーシングをぶち破って外に飛んで出てきた事故が海外で発生しています。飛んだブレードは刃物のようになってそこら辺を破壊し、大抵は大惨事になります。復水器の細管を破壊して噴水になり、タービン建屋が洪水になった例もあります。
という訳でタービンの保守管理はとても重要です。

こちらはタービンの軸を受け止める軸受です。でっかいですね

軸受け部分外周に取り付けられている油切り(潤滑油が飛び散らないようにするカバーだと思う)が、軸と接触した痕跡を確認。写真で見える筋みたいなやつです。
ここに擦ったって事は、ラジアル方向(軸に対して直角方向)にも、そこそこの揺れがあったということでしょう。恐いのう。
ちなみに適当にググッた所、同じ東電の原発である柏崎刈羽原発でのスラスト側(軸の長手方向)の揺れに対するトリップ値は、25/100mmだそうです。トリップというのは、この値に達した時点で非常停止が掛かる値です。でかいのに繊細なんですね。こんな大きな物が高速回転しているので、ちょっとしたブレでも大変な事になります。

怖い話をひとつ。
軸の先っちょには発電機が付いています。実は、発電機の冷却(回転子側)には水素が使われることがあります。というか大型の物はほとんど使っています。
熱伝導率がよく、不活性で腐食も発生しないので、とても都合がいいわけです。
ただ福島の件で建屋が吹っ飛んだことでも分かるように、扱いをミスると即火災なので、ちゃんと漏えい対策が行われています。
いちおう、酸素さえ無ければ爆発は起きないので、そこをちゃんとすれば安定したいいやつです。

・・・という訳で、このタービンは特に大きなダメージは無し。良かった良かった。
過去より地震の度にこうやって調査を行なって次の製品にフィードバックしているので、地震に強いタービンが完成したとも言えます。
現在は点検も終わり、ケーシングが元に戻されています。ちなみにこのまま放置してると自重で軸が曲ってしまうので、定期的に回してやる必要があるそうです。

2012年1月16日

1〜4号機の取水口海底に沈む瓦礫の撤去が始まったようです。
鋼管矢板を打つのに邪魔なので撤去するわけです。
13日に起重機船(クレーン船)が入港、翌日より作業開始。


(2012年1月14日撮影)

クレーンで吊ったマジックハンドみたいなもので、海底のガレキを掴んでは持ち上げて回収って感じです。
港に住んでいる人とか釣りが好きな人なら、一度は見たことがあるのではないかと。

運転台側面に鉛シートが取り付けられています。


(2012年1月14日撮影)

2012年1月17日

いつもチェックしている某サイトですが、サイトシミュレータで事故発生時の状況を模した訓練を行った映像が、定例記者会見時に会場で流されたとの情報が。
しかーし、動画ページを見てもどこにもない。どうやら動画自体は公開されていないようです。
あるのは、会見ライブ会場でスクリーンの映像を撮影した物だけです。会見映像は公開が一週間分だけなので、一週間が経ったら見られなくなります。困った!
会見の動画は、鉄壁で知られる妙なストリーミング方式なのでダウンロードが出来ない。困った!!
もったいぶらずに動画公開してくれさい。わざわざ動画にタイトル付けたりしてるから公開前提で作ったと思うんだけどなぁ。だれか、この部分だけでもようつべに上げて下さい。我が科学力では無理だった

というわけで、この項の映像は・・・

  ∧_∧_         __
 ( ・∀|[ニ:|ol         | i \ \  プロジェクターの
 ( つ ∩ ̄         | i  l =l ←スクリーン
 と_)_)          | |__ノ  ノ
               | ̄ ̄| ̄ ̄|

 ↑↑↑
これ状態なので、画像は不鮮明です。ご了承下さい。
八つ当たりは東京電力へお願いしますw(もし動画が出たら差し替えます)


ん?これWindows2000?さすがにそれはないか。やっぱクラシック表示がいいね。

こちら、柏崎刈羽原発にあるサイトシミュレータという、中央操作室(中操)を模した練習部屋です。
ここにある計器類やスイッチの全てが本物同様に機能する本格的なものです。100%再現型というそうです。もしかしたら電算機とかも実物を使ってるかも知れん。
基本的に、原発を建てた際は、それと同型のシミュレータが作られます。本物で練習する訳にはいかんからな。
福島第一にももちろんあります。事務本館の近くに3号機の中操を模したシミュレータがあるようです 。正門の近くにもあった気がする。
ここで訓練を重ねて一人前にならないと、スイッチ一個だろうが操作を行えません。
運転員の資格みたいなものもあるようです。

離れた部屋からインストラクターが模擬信号(故障信号など)を入れて、操作室の計器類に様々な事象を発生させます。こうした異常時の対応などを繰り返し行い、訓練したり検証したりしています。

youtubeに「数人のエリート達によって運転・制御されているかのように教育している。・・・」と言って動画を投稿している低俗なバカがいますが、「かのように」ではなく、本物のエリートが運転しています。残念ですがバカには務まらない仕事です。
操作員の責任者である当直長は、様々な権限が与えられています。

地震が発生の所から再現スタート。
別室に居るトレーナー(教官)が「地震加速度大」の模擬信号を入れると、本物の装置と同じように自動スクラム(原子炉の自動停止)が行われます。

スクラムにより設備の停止や、また入れ替わりで動作を開始する設備などが慌ただしく動きますので、警報は鳴りっぱなしです。

福島での事象をシミュレートするので、地震後に外部電源が喪失。
変電所の損傷(1〜4号)、鉄塔の倒壊(5・6号)が原因のやつです。

交流が絶たれたので直流電源(バッテリー)に切り替わります。
正式に言うと切り替わったわけではないのですが、ソースがバッテリー側になります。

天井で光っているのは非常灯です。明かりは数個のダウンライトだけです。これは、非常用ディーゼル発電機が起動するまでの間に合わせ的な意味合いなので、必要最低限です。
室内は、常夜灯で照らされた部屋位の光量はあるので、視認はとりあえず可能です。

13秒後、自動で起動した非常用ディーゼル発電機により、交流電源が復活。
福島第一原子力発電所の場合、DG 6Bのみは非常用ディーゼル発電機が津波の後も生き残ったため、6号機に関しては以降もこの状態で推移し、色々あったものの冷温停止に至っています。1〜5号機も、津波襲来まではこの状態での推移となります。

重要でない設備の電源(いわゆる常用回路。運転に関係無いコンセントなど)はバックアップは行われず、発電機が起動しても停電したままです。
バックアップが行われるのは非常用回路で、重要機器はこれに接続されています。
常用回路と非常用回路はお互いが切り分けられていて、バックアップしなければならないものと、そうでないものを明確に区別しています。
もちろん、配電盤の操作で常用回路に非常用電源を供給をすることも出来ます。
中操は最重要設備の一つなので、ここの電源は基本的に全てが停電補償されるはずです。よって、基本的には外部電源喪失前と変わらない状態に戻ります。

正面にいる人は、中操の責任者である当直長です。この人が指揮官となります。
複数の部下が間髪入れず矢継ぎ早にプラント状況を報告してくるので、これを完全に把握して指示を出さなければなりません。さらに平行して所長への報告など行います。
非常に責任の重い役職ですので、運転経験が長くプラントを熟知したベテランが務める形になるようです。

単なる地震によるスクラムの場合は、普通通りに復水器で蒸気を凝縮させつつ原子炉停止を行えばいいのですが、今回は常用電源(外部電源)が喪失している悪条件なので、原子炉隔離を行います。

主蒸気隔離弁(MSIV)を閉じて原子炉を隔離し、逃し安全弁(SRV)を開いて原子炉圧力容器を減圧しつつ、原子炉隔離冷却系(RCIC)を手動起動して注水を行います。

何のトラブルもなければ、これを継続して外部電源の復帰を待つだけです。

ここで、致命的となった非常用ディーゼル発電機の全機停止が発生。津波襲来です。

水没により、いきなり2台(A・B)の非常用ディーゼル発電機がトリップ。しばらくしてもう一台(HPCS用)もトリップ、交流電源を完全に失います。最悪の事態です。

発電機が死んで交流は失ったものの、まだ直流電源は生き残っているので、制御系の機器と、少しの明かりが残っています。
交流電源喪失後も、計器盤や電算機(ディスプレイにデータ表示などをしているコンピュータ装置)、CVCF(定電圧定周波数装置。交流無停電電源装置も兼ねる)が直流で稼働を継続。しかしどちらも電気食いの装置なので、それほど長く使える物ではないかと。

なお、バッテリーの冠水を免れて直流が健在であった3号機と5号機は、バッテリー枯渇までの間は、この状況で推移しています。もし、ここで充電器に電源車の接続が可能であれば・・・
ちなみに5号機は、アクシデントマネジメント対策で5〜6号機間に予備で渡りケーブルを事前に敷設していたのが役に立ちます。このケーブルを使い、生きていた6号機の直流を5号機側に融通することで、翌朝には直流電源を復活させています。これで、弁類の制御が可能になり、5号機が早期に収束した大きな要因となっています。

3号機の場合、できるだけバッテリーを持たせるため、最低限のプラント監視や注水に必要でない機器は、電源を強制的に切るなどの対策をしてしています。

まだ、この状況であればプラント監視は可能です。
この状態であれば、電動弁の操作ができる可能性があるので、まだマシです。

映像から「RCICだけは落とさないように・・・」と聞こえます。
現在、注水が可能な設備は基本的にRCICのみです。制御弁さえ操作が可能であれば原子炉自身の蒸気圧で動作しますので、かなりの時間稼ぎが行えます。

世間や、東大の先生までもが3号機のHPCIを停止した操作員を責めていますが、実に馬鹿げている。
もし、お伺いを立てている間に軸ブレして蒸気タービンが損傷していたら、逆に停止しなかった事を責めていただろう。というわけで制御を行う電源次第なわけです。

画面後ろに並ぶ電算機のCRTがいきなり一斉に切れる。電算機電源の喪失です。
電算機の電源喪失後、画面中央に写っているPCも電源を失います。おそらくCVCFの停止でしょう。

残るは、照明と操作盤だけです。
バッテリーが、電算機・CVCFと制御盤とは別になっているようです。
しかし、バッテリーは同じ場所にまとめて設置されることが多々あるので、もしここが浸水したら、結局はほぼ同時に死にます。

報告書や外部調査書でも分かりますが、基本的に津波対策は、予想されている高さまでしか考慮されていません。まぁ当たり前のことですが。
電源喪失対策も、基本的には内部要因(故障等)を想定したもので、外部的要因を考慮したものはあまり見られません。津波はその予想高さを決めるのは元々難しく、土木学会等の専門機関に助言を乞いつつ今まさに対策を行おうとしている最中で、今回の津波が発生しています。
怒る人がいるかも知れませんが、あえて言います。運が悪すぎた。

電算機が死んだ今、残るはアナログ計器とアナンシエータパネルのランプ、あと警報音だけです。

ハイテク機器は全て消え、昭和40年代です。

ここで、全ての警報音が突然停止、ランプも一斉に消灯。
「あれ?」と声がします。それもそのはず、こんなこと常識的に起きない出来事です。
IAEAも「1万年に一度の確率」と言った最悪の事態電源の喪失です。

実際は、フっと消えたわけでなく、水没で設備の誤動作が一気に発生してアナンシエータのランプが一斉にめちゃくちゃに点滅した後に真っ暗になったようです。想像しただけで恐ろしい。

間髪入れず、明かりも消えます。

この頃、建物の外では1階床面から5メートルが水の中です。
中操の中からは、外の地獄は全く分からなかったようです。窓も何も無いですから。

ちなみに、1・2・(4)号機では非常用発電機とほぼ同時にバッテリーもダメになったので、上の方の項目「非常用ディーゼル発電機トリップ」の瞬間にこの状況に陥っています。
明るかった部屋がいきなりこれです。(1号機以外は、非常灯だけは付いていたようですが)

後は、懐中電灯で生きている計器のチェックで、なにかひとつでも把握が可能かを調べていきます。

普通に考えたら無駄とも思えるかもしれませんが、水没の場合、運が良ければバッテリーが(一時的であれ)復活する可能性があります。
鉛蓄電池の電解液が残っている場合、時間を置けば電圧が復活する可能性があります。
充電器を電源装置とする場合、直流母線とバッテリーは直接接続されているので、遮断器などが水没していても、電子制御を介さない構造でかつ物理的に破損がなければ、使える可能性があります。
現に、1号機では津波でバッテリーが水没した数時間後、短時間ですが一部の電源が復活しています。

俺が思う教訓は、くだらん議論より直流電源をどうにかしろ、です。
高い階(そこらの屋上で十分)にバッテリーと充電器を置き、充電器と1階部分の間に予備で仮設電源ケーブルを敷設しておけばいいのです。バッテリーで1日持たせて、その間に電源車で充電器を生かしてRCICを制御下に置き、あとは代替注水のための消化系を強化すれば、交流電源の復活までに十分時間稼ぎが可能です。
今回、O.P.+15,000まで水没してもRCICは無事だったわけです。防水工事や海水系の強化など恒久的な改修は必要ですが、ちゃんと冷静に分析すれば比較的安価に効果的な対応は可能です。
正直、修理の出来る部分は放っとけばいいのです。
安全に冷温停止さえ出来れば、他は後で修理すればいい。はっきり言ってこれ位割り切って考えるべきで、国民はそういう理論を理解するべきです。

<参考>

これは、2002(平成14)年に完成した、福島第一原発にある3号機中央操作室のシミュレータです。
動画の舞台である柏崎刈羽原発のサイトシミュレータも、こんな感じになっているはずです。
ガラスの向こうから、もしくは監視カメラで人の動きなどがチェックされます。

奥に見える部屋が、中央操作室を模したサイトシミュレータ室、
手前が、各事象を発生させる信号を入力する部屋です。

(東京電力のサイトより引用いたしました。)


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2012年1月18日

新福島変電所の上流にあるらしい、南いわき開閉所で瞬間的に電圧低下が発生。瞬停じゃないかと思うけどわからん。
福島第一原子力発電所では、夜の森線1・2号が巻き添えを食らって電圧低下。
電圧降下の時間がどれくらいかは知らないが、これに耐えられなかった以下の設備が停止。

・セシウム吸着装置(キュリオン)
・2・3号機の使用済燃料プール循環冷却装置
・3号機の使用済燃料プール放射性物質除去装置
 (燃料プール淡水化の前準備で、プール水のセシウムを除去する移動式の除去装置)
・2号機の格納容器ガス管理システム
・1〜3号機格納容器への窒素封入装置(窒素ガス発生装置の事と思われる)

ちなみに、同じ開閉所を共有する、福島第二原子力発電所行き富岡線1L・2Lでも同様に事象が発生。使用済燃料プール冷却浄化系(1・3号機)が停止。
仮設が多少の瞬停に耐えられないボロ(失礼な)かと思いきや、本設の2Fでも止まっているので、通常の範囲を超えた状況だったみたいです。事故検出か母線の切り離しをしくじった可能性がありますね。

赤の斜線部分で事故が発生すると、×がしてある部分を速攻で開放(OFF)にして健全部分から切り離しつつ、負荷側接続を健全側にを変更させます。変電所へ向かう2本のラインがあるので、1本さえ無事なら支障はありません。どこが事故っても使える側に切り替えられるよう、網の目みたいになってるわけです。
事故った際に地絡か何かで電圧がおかしくなった時、検出か切替でもたついたのでしょう。

電圧変動にどれ位耐えられるかは機器の個性と運次第なので、不運だといえばそうかも知れん。
ちなみに、デスクトップパソコンの場合は0.3〜0.5秒くらいは平気だと、UPSの大手メーカー・APC社もそう言ってます。(マジ)

真正面にある■△の一段下にある、微妙に隠れている丸太のようなものが、事故の起きた母線だそうです。送電は詳しくないから全然ピンと来ないわ。
説明では、内部の碍子がどうのこうのとあるので、恐らくバスダクトみたいなもんじゃないかと思う。
どうせ錆穴かフランジの隙間から空気か水が入ったとか、そんなのだろう。

この不気味な記号は相(極性みたいなもん)を表しています。特高は、電力会社や事業者で好き勝手な記号や色分けをしているのか、会社で微妙に違う気がします。黒が青だったり。
余談ですが、普通の高圧配電の色分けは赤・白・青が多いのですが、JRの高圧配電はなぜか(伝統か?)R・S・T(相の呼び名)が赤・青・黄です。昔、「ビー(R)・ファイア(S)・ルコ石(T)と覚えろ」って習いました。・・・・・ってかトルコ石って黄色だっけ?青じゃね?

ちなみに、上記のような母線の切り替えは、皆さんが知らない場所ではたまに起こっていたりします。雷の後に一瞬だけ明かりが暗くなったりしますが、これも落雷を食らった線から健全側への切替を行った際に発生する瞬停だったりします。(切替時間は大抵0.07秒〜0.2秒程度)

会見では「完全には防げない」とのコメントがあったようですが、一般的な見解としてこれは本当です。もちろん予算に糸目をつけないなら解決は可能ですが。
ていうか一過性の事象での停止は運用上の想定内だから、こんなに騒ぐことじゃないと思うが。
保安院のパフォーマンス臭いな。パフォーマンスはアホ与党で間に合ってるから。


(2012年1月18日撮影)

<追記 2012.01.24>

いつもアドバイスを下さるプロ(本職)の方から、またまたアドバイスを頂きました。
GISの中身について、いくら探しても見つからなかったので困ってた。いつもありがとうございます。

これは重電関係ではお馴染みの富士電機製の一例です。まぁ他も似たようなもんなのです。
いわきのやつは、なんとなく東芝の香りがします。右の函に付いている銘板の雰囲気とか。

写真のものと見比べてもそっくりなのが分かります。図の左面から見たアングルが、上の写真の視点ではないかと思う。
丸太みたいなユニットを合体させて組み立てられています。ユニット化されているので現場では組み立てるだけで良く、工期短縮が可能です。

黄色く塗られた場所はガス(SF6:六フッ化硫黄)で満たされています。SF6は絶縁性が高く不燃性、さらに無毒・非腐食性なので、導体の離隔を狭く出来たり、また酸素や湿気を追い出す形になるので機器の劣化を防ぐ事が出来ます。開閉器や遮断器によく使われています。

ちなみにこのガス、温暖化の原因になります。温暖化係数がCO2の約23,900倍だそうです。京都議定書でも排出削減の数値目標が掲げられています。
ただし、SF6に代わるガスがこの世に存在しないため継続して使用されています。まぁ開閉器用途であれば点検時か廃棄時以外は排出は無いので、管理しやすい部類でしょう。
フロンガスのように回収サービスなんかもあります。

故障した部分は、中央下の部分に見える「母線」と書いてあるやつと思われます。

(図は、富士電機株式会社様のカタログから引用させて頂きました。)

問題の筒の断面。上の図では3相分が一緒に入っていますが、プロ氏によれば、電圧の高いものに関しては1相づつが1本の筒に入っているとのことです。写真を見ると、正面の筒には1本ごとに相別で記号があるのが分かります。

図の赤い部分が導体、いわゆる電線です。これを直接筒に固定するわけにはいかないので、電気を通さない「支持がいし」を介して固定しています。
電圧が高い場合は、この支持がいしを長くして、周りの部分から導体を離してやる必要があります。短いと、支持がいしの表面や周りの部分(筒など)との間で絶縁破壊と呼ばれる現象が起きて、そっちに電気が流れてしまいます。空気は電気を通しにくいですが、高い電圧下では電気を通します(放電)。雷が典型例ですね。
しかし最近の機器は小型化が要求されています。そこで、導体の周囲に電気絶縁性の高いガスを封入する事で、導体と周囲の間隔を狭くすることが出来るわけですね。(さらに、ガスで満たす事で酸素や湿分を追い出し、部材の劣化も防げます)

ガスのお陰でこれだけ導体が近くても大丈夫なわけなので、どこからか空気や塵や水が入ってくると、その前提が崩れます。
入ってきた物が支持がいしなどに付着して絶縁が低下し、それが許容範囲を下回ると絶縁破壊が発生します。
それが今回の事故の原因ではないかと。

事故の影響は電源に近いほど大きく、今回は母線で発生したのが影響が大きくなった原因ではないか、との事。保安院からお叱りの紙を貰っているので、そのうち調査結果が出るでしょう。

では次の話題。
さて、いよいよ明日に2号機格納容器内の内視鏡調査が行われますが、それに先立って行われた、5号機でのモックアップ(練習と言うか検証作業)映像が公開。
実は、去年の11月30日に実施していたようです。

この映像は上下が逆さまになっています。
防爆の照明器具が写っています。


(以下、この項目は2011年11月30日撮影)

格納容器内は配管だらけです。右側が格納容器の壁面です。

映像は思ったより鮮明です。2号機でこれくらい綺麗に見えるかは分からんが。多分、蒸気で見えないような気がする。

正面に見える右から突き出ているのは、格納容器を貫通するペネトレーションと思われます。

配管もバッチリ写っています。
作業床と思われるグレーチングも見えます。
明るい場所の視認は十分です。暗い場所はさっぱりだけど。

配管は当然のように完全ネジ配管なので、ニップルだらけです。

内視鏡に見降ろされる作業員

1〜3号機とは違ってこっちは冷温停止しており安全なので、映像中にも沢山の人が写っています。

2012年1月19日

さて、いよいよ2号機・格納容器内部の調査です。
液体と気体以外が格納容器内部に入るのは、事故後では初めてのことです。

これは、ペネトレーションに挿入された案内配管の中です。案内管を通って格納容器内部に向かう最中です。
ペネトレーションは、格納容器と、それを取り囲む「シェル」という壁を貫通しています。これらは厚さが2メートルくらいありますので、まずはこれを通り抜けます。
これだけの厚さなので、サプレッションチェンバーや上部の蓋のシールがやられても、ここの壁は何とも無いです。

正面を横切る謎の物体は、熱電対と呼ばれる温度センサーの電線です。
撮影と同時に内部の温度を測定するため、内視鏡と一緒に挿入されています。


(以下、この項目は2012年1月19日撮影)

※以下コメントは、翌20日に発表された動画も見た上で書いています。

おぉ!配管が映りました。
銀色のはずが、アブノーマルな色をしています。どう見ても錆汁の色です。
表面がテカっているので、管が錆びているとか腐ってるとかでなく、どっかの錆汁が伝って来た感じですね。
まぁこのまま放って置くと結局は錆びますが。

画面に乗る不気味なノイズは、強い放射線の影響によるもの。

配管と、配管を固定するUボルトサドルやアングルが見えます。

蒸気はそれほど発生していないようです。
内部の雰囲気温度は44〜46度程度と、恐ろしく高いわけではない。また内部気圧は大気圧とほぼ一緒です。
ちなみに、一緒に突っ込んだ熱電対の指示温度と、普段報告されているプラントデータの温度はほぼ同じで、既設温度計の正確さが確認できたとのことです。
こんな雰囲気でぶっ壊れないのも凄い。格納容器スプレイ設備があるので、一応は防水にはなっているとは言え、この高温多湿雰囲気内で8ヶ月以上も経過しているにも関わらず、まだ機能してるんだから大したもんだ。
工業分野には「原子力級」なんてグレードがあって、軍事・航空宇宙と並んで高品質高信頼性の代名詞だからね。

とはいえ、やっぱ常識外の過酷さには間違いなく、一部のセンサーはおかしくなっています。
最近、2号機の「CRDハウジング上部」の温度指示がおかしくなった。12日の夕方まで普通に50度弱だったのが突然100度を超え、翌午前中は48度かと思えば夕方には117度。18日午前はマイナス91度になってしまった。で、現在ダウンスケール。(測定範囲外)

※そもそもセンサーは消耗品です。さらに今回は使用範囲を超えてぶっ壊れたと思われます。センサー以外にも中継端子台やら、下手したらリピータやアンプなんかも入ってるかもしれないので、そっちがやられてもセンサーは死にます。

格納容器の壁面。

ここは鋼鉄製です。でこぼこしているので、普通でないのは分かります。錆と言うより、浮いた塗料とか水垢っぽい気がする。
現時点での錆の進行はまだ大したことはないと思います。高温多湿で塗料が剥離してると思うので、あちこちで鉄の地が出てしまい、そこから出た錆によって全体が茶色になっていると思われます。全部が錆びているかは判別できません。仕方ないにせよ、最初に海水を突っ込んだのが地味に効いてそうです。
あと、原子炉圧力容器は全体が高温になったはずなので、容器全体の塗装は焼けて無くなっているかもしれません。こうなると、水分があれば一瞬で錆びます。原子炉圧力容器は中心に設置されているので、ここから錆が飛んできてるかもしれません。

格納容器の厚さは20センチもあるので淡水であれば10年は余裕ですが、長い目で見ると錆は心配です。淡水になってしまえば幾分はマシになるかもしれませんが、今後30〜50年スパンの話となると、何か対策は必要かと思われます。容器の耐久性はともかく、錆の堆積は他の問題も引き起こします。
どっか大口径の空きペネトレーションを使って凄まじい勢いで窒素循環とかして酸素を追い出すとかできないものかね。
今みたいに、ソーセージほどの太さの配管で動かしている格納容器ガス管理システムだけじゃ心配ではある。

燃料プールに時たま入れているヒドラジンも、水中の酸素を奪うのには効果的です。
まぁあれは猛毒だから安易に使えないと思うが。

グレーチングが写っています。
つまり、こちらが容器下部です。

水面は見えません。想定より水面が低いようです。
既設センサー曰く底部の温度が低いので、燃料は冠水もしくは掛け流し状態ではあると思いますが。
格納容器の穴塞ぎが「廃止措置・第2期」(原子炉を開け、燃料の取り出しを行える条件)達成の条件なので、穴が多いとちょっと大変です。一箇所ドカンと開いているだけならまだマシだが、今現在それを確かめる術はない。

しかし、水滴の滴下が凄い。結構ボトボト落ちてきています。
格納容器下部(底の抜けた場所)から立ち上ってきた蒸気が、格納容器の壁面および上部で冷却凝縮して降ってきていると思われます。

グレーチングはO.P.+9,500mm、ドライウェルの床がO.P.+5,480mm。つまりここに水面が存在しないので、現在の冠水深さは4メートル以下です。
O.P.+8,300mmに水位計があり、ここの接点に導通があるとの事(フロートレス?)なので、最低でも3m弱は冠水しているのではと思われます。

フロートレス(スイッチ)
水が電気を通すという性質を利用し、長さを変化させた複数の電極の導通を比較することで水位を計測する装置。高架水槽(マンションやビルの屋上にある水道のタンク)などに利用されている。
浮きを利用したフロートスイッチという物があり、フロートを使わない水位検知方法はフロートレス呼ばれる。

この項目・最初の写真で写っている熱電対。
先端におもりが付いていて、チョウチンアンコウみたいになっています。

最後、見上げた所。配管類が写っています。

ノイズがすごすぎる。さらに暗所&水滴のせいで、物がまともに見えん。

2012年1月20日

19日は静止画のみの公開でしたが、この日に動画も公開。
といっても19日の静止画がほとんど全てなので、ここでは省略。

一緒に公開されたのがこちら。映像を映しだした工業用内視鏡です。胃に突っ込むのは医療用内視鏡であって、これとは別物です、一応。
解像度は640×480の、いわゆるVGAというやつです。動画は30fpsとまずまずです。ていうか今時はデジタルなんですね。
一緒に熱電対を挿入するため、熱収縮チューブのようなもので一体化させています。


(2012年1月18日撮影)

象の鼻みたいに先端をクネクネさせて、カメラの向きを変化させます。

画質の悪さは放射線のせいもありますが、光源不足が主原因と思います。
もっと強い明かりを用意すれば、遠くの方も見渡せるのではないかと。


(2012年1月18日撮影)


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超久しぶりの、写真でお示しシリーズが公開されました。ステップ2完了以来ですかね。
うちのサイトのページ締め日ぎりぎりです。やばい急がないと・・・(やっぱりページ公開が遅くなってるし)
写真は60枚弱ですがダブリみたいなのもあるので、興味深いものをピックアップします。

こちらは3号機と4号機の間です。正面がタービン建屋(つまり、写真は海向き)で、右の奥にちょこっと写っている水色の壁は4号機です。左側、視界の外に3号機があります。

以前、ここは3・4号機の爆発でえらい事になっていましたが、黙々と撤去作業が行われた結果、ここまですっきりしています。マウスのカーソルを写真に乗せると、2011年3月20日時点でこの位置を撮影した航空写真が見られます。赤い矢印が、この写真を撮影した視点方向です。

すぐ左には、3号機オペフロ上の撤去作業を行う重機が乗る構台が設置されるので、こうやって事前に邪魔なものは退けて、すっきりさせています。

正面に、津波と爆発の両方に巻き込まれて放置されたままのクレーンが残っています。


(2012年1月10日撮影)

上の写真の位置のまま左を向いた所から見た3号機。

垂れ下がっていた柱や、壁面にあった配管類がすっきり撤去されています。
これを取り囲むように構台が組まれます。そこに重機を載せて、周りから撤去作業が行われます。

こんな感じになります。
線量が高いため、構台の上にある重機の操作はは遠隔で行われます。
その他、クローラークレーンも使います。ガレキ降ろしはこれじゃないと無理だろうし。


(2012年1月10日撮影)

こちらは4号機です。撤去j解体は、ちょっとだけ進んでいます。
写真にカーソルを乗せると、撤去開始前の頃の写真になります。


(撤去前:2011年9月22日、撤去後:2012年1月5日撮影)

これは解体に使われる重機の皆さん。

異様に腕の長いやつは、過去のページで触れたギネスブック記録ホルダー、コベルコ製建機「SK3500D」です。

去年の末に解体方法を見直すだかと書いてあったせいか、年末と様子は変わっていません。


(2012年1月14日撮影)

以前、試験運用を行いなかなか効果的だった、汚染ダストの集塵による除染ですが、どうやら実用化されているようです。
足場鋼管で作ったホース支えが、生かされたノウハウかな(冗談)

こちらは免震重要棟の駐車場です。舗装部分から植え込みの土部分まで、くまなく吸い込んでいます。
手前のアスファルトに、清掃の際に付いたノズルをこすった跡が見えます。
免震重要棟一帯を徹底的に除染し、ここをとりあえず安全な場所(放射線管理区域はら外せるようにする)にするみたいです。

ここは作業拠点なので、しっかり線量を下げて無駄な被ばくを減らしていただきたいものです。
駐車場がきれいになると、車の汚染も減ります。タイヤの除染は結構難しいと聞いてますので。


(2012年1月9日撮影)

ノズル係のユンボの後ろには、集塵機と吸引車の大名行列。

この写真の位置も、アスファルトにびっしりとこすった跡が付いてます。
全く隙間なく徹底的にやっているのが分かります。
手を抜いたら、そこがスポットになるので、絶対に手を抜くなと厳命されているはずです。周りは補助員を兼ねた見張りだらけです。(勝手な想像)


(2012年1月9日撮影)

吸引力を生み出す、吸引車ご近影。
鉛で完全武装です。

掃除機をガーデンライトにブチ当てたらしく、ひん曲がってます。
こまけぇことはいいんだよ!って感じ
破壊した後はちゃんと吸い込んだのか、破片ひとつ落ちていません。


(2012年1月9日撮影)

掃除機掛けにする場所に隙間が生じないよう、専用の誘導員まで付いています。
完全に徹底しています。
おそらく、ここでのノウハウは、後の一般地での除染にも生かされると思われるので、除染効果などのベンチマークも兼ねているのではないかと。

発電機にちゃんとアース打ってます。しっかりした現場だのう。


(2012年1月9日撮影)

唸る、赤いアクティオ

そういえばニッケンって、いつの間にかあんまり緑に塗らなくなったよな。
中古で売る時に困るからか、塗る費用が無駄と思ったか、どっちだろう。

後ろにさりげなく写っている現場小屋が、何気に3階建てです。あれって3段重ねしてもいいのか。
田舎もんには3段は刺激が強い、ていうか始めて見たわ・・・


(2012年1月9日撮影)

さっきから何度も写っている発電機。何を動かしてるのかと思ったら、何か変な白い機械のようです。
ダストサンプラーかな。

誘導係に全く隙が見られない、秀逸な写真です。


(2012年1月9日撮影)

場所は変わって、海側から3・4号機を見たところです。

改めて見ても、やはり海岸エリアはダメージが凄いですね。まぁ鉄骨建屋をひん曲げる程の波力なのでどうしようもない。

福島第二や女川とかと比べると分かりますが、海岸にここまで設備を剥き出しにしている原発はあまりありません。他の70年代中頃の物と比べても、やっぱりここは目立って露出しているように思えます。
一応、非常用海水ポンプの嵩上げなど、基準の見直しの度に改良はされているのですが。
ていうか、津波云々以前に保守が大変じゃないかと思う。

正面のサービス棟、津波がブチ破ったと思われる1階にガラスが入ってるように見えます。
直して使ってるんだろうか。
RCだし、除染すれば使えると思うけど。


(2012年1月14日撮影)

再び陸へ。

高台の南側から原子炉建屋を望む。
1〜4号機が見えます。
左奥には5・6号機の排気筒も見えます。

この辺り一帯、綺麗に整地されています。たぶんタンクの設置場所になるのではないかと。


(2012年1月9日撮影)

上の写真から、少し右を向いた所。

木の生えている場所の先は崖で、その下はサリーやキュリオンが設置されている廃棄物処理建屋付近のエリアです。
左に見える真砂土の山の先、左辺りに共用プールの建屋が見えます。その右にはナベカヰくん重機がちょこっと写っています。

手前には、何かのホースが保温されて這っています。
ついでにケーブルらしきものも一緒に並んでいます。


(2012年1月9日撮影)

後ろを振り向くと、タンクが並んでいます。



(2012年1月9日撮影)

こちらは免震重要棟です。

まさか、建物完成後1年も経たずにいきなり役に立つことになろうとは、誰も想像していなかったでしょう。
免震重要棟は、新潟県中越地震の際、災害対策室のある建物が被害を受けて機能しなかった教訓により建てられたものです。

隣にある事務本館は地震で被害が発生した上に、翌日の1号機爆発の衝撃でガラスが粉砕するなど大きな被害が出ていますが、こちらは入口ドアの枠が少し歪んだ程度で、他はノーダメージだったようです。
ここが出来る以前は、対策本部室は事務本館内にあったようです。さすがにここは天井もしっかり作ってあったようで、後に休憩室として使われています

建物の上に何か置いてあります。たぶんモニタリングポストだと思う。
右隅に、1・2号超高圧開閉所の引込が見えます。


(2012年1月18日撮影)

こちらは廃スラッジ貯蔵施設の建設現場です。アレバの除染装置を使うと湧いてくるスラッジを突っ込んでおく場所です。

先月の動画では、写真の右に少し写っている鉄骨造がそれっぽく紹介されてたような気がしたものの、本物はこっちの大きいほうのようです。
適当な鉄骨建屋かと思いきや、ポンプ車で天端にコンクリを打っているので、結構本格的な建物です。
ご覧のとおり、建物自体が非常にデカイです。こんなのを短期間でやるとは・・・

地下貯蔵という話だけど、この巨大な上屋は何の意味がるんだろう。


(2012年1月9日撮影)

待ってました、やっと出てきた新開閉所の写真です。

前回は鉄塔の建方をやっていましたが、ばっちり完成しています。
何か腕金の角度にこだわりが見えます。引下線の干渉対策か、引きこむ電線の角度が変だから向きを付けたか、どっちかだと思うけど。

下に見えるステージみたいなものは、引下線の引き留めとケーブル端末の設置場所でしょう。


(2012年1月9日撮影)

あくせく働く協力企業と、それを後ろから熱いまなざしで見届ける東芝社員の構図
いつも通りです
しかし、彼らも結構凄く動いたりします。

これがGISとかってやつだっけ?結構コンパクトなんだねぇ。
設置工事の横では、柵無しで土木工事やってます。カオスです

後ろに、東電原子力線らしき鉄塔が写っています。
へぼく見えますが、66kVなのであんなもんでしょう。


(2012年1月9日撮影)

これだけのサイズなら建物に突っ込めないものなんだろうか。

関係ないけど、やばい雲行きです。
ところで、タイベックって濡れてもいいもんなんだろうか。雨降ったら染みこんで中も汚染されそうなんだけど。


(2012年1月9日撮影)

違う角度から。
上の写真は、この視点で言う左側から右向きへ撮影したものだと思う。

後ろに、鉄骨建屋を建ててます。おそらく、開閉所兼変電所じゃないかと思う。
今回の工事で、いくつかある仮設変圧器を本設に置き換えることになっています。
ついでに容量アップもされます。


(2012年1月9日撮影)

建屋の方も急ピッチでやっているようです。本体と外構を同時進行です。
ここだけ鉄骨の塗装が終わっているので、外構いじりの邪魔だといって足場をバラさせた感じかな。まぁたまにある話だから驚きはしない。

この設備、最長50年は使うので、普通の設備と寿命が一緒であり、作りは本チャンと全く同等です。

予定では3月末までに運用開始との事なので、マジで急がないとやばいと思います。
建物のドンガラだけでが完成しても電気はつきません。中に機器を持ち込んで、それを接続して、最後に調整や試験を行う必要があります。
ていうか、ここに向かうケーブルとか、まだ這わしてないんじゃね、工程大丈夫?

後ろに、同じクレーンがぴったり3つ並んで立ってます。コピペみたい


(2012年1月10日撮影)

こちらは側溝工事中。
溝が建物に向かっているので、もしかしたらケーブルピットかもしれない。

場所の取り合いをしているのか、鉄骨の塗装がまだらになっています。
上部だけ、逃げで塗ってある感じか。

遠い向こうには、東芝メンバー一行が見えます。


(2012年1月10日撮影)

動く東芝マン。

手前に鉄塔の脚みたいなもんが映ってます。
ん?ドブじゃなくて塗装なのか。どこかで聞いた話によると、原発には鉄の構造物をサビから守る専属の塗装職人が居るらしいので、彼らが何とかするのかも知れん。余部鉄橋みたいだなぁ。


(2012年1月10日撮影)

新開閉所の内陸側にあるタンク。Hエリアという場所らしい。
この前漏れが発生した奴と同じタイプですね。


(2012年1月9日撮影)

そのすぐ隣。

こっちは工場製作の物です。


(2012年1月9日撮影)

ポリエチレン管に置き替えられた配管。
最近、徐々にホースからポリエチレン管に置き換えているようです。
さらに冬がやってきたので、保温もされています。

設備屋じゃないから間違ってるかも知れんが、エルボ部分は斜めに架台を入れたほうが良くね?
手前のやつ、自重で下がってるぞ。


(2012年1月9日撮影)

免震重要棟から見た、太平洋と1号機。

実はこんなに近いのです。爆発した時、音が凄かっただろうと思う。
瞬間を撮影したニュース映像を見ると吹っ飛び方がやばい。ていうか衝撃で付近のガラスがみんな粉々になってるし。
免震重要棟のガラスが無事でよかった。あれ割れたら内部が汚染されて司令部陥落だし。


(2012年1月9日撮影)


(写真は、表記のないものは全て東京電力公開)

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