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政治
【正論】安倍氏は高揚感抑えて船出せよ 東洋学園大学教授・櫻田淳
第2次安倍晋三内閣が発足した。目下、安倍新首相を取り巻くのは、期待、緊張、不安、警戒といったものが複雑に入り乱れる空気である。それは、「高揚感なき船出」と評すべきものであろう。
≪野田チームの城明け渡し評価≫
この期に敢(あ)えて指摘しておくべきことであるけれども、外交・安全保障政策上、特に日米関係の上で、安倍新内閣への「赤穂城・城明け渡し」を恙(つつが)なく進めたのは、野田佳彦首相、玄葉光一郎外相、森本敏防衛相以下、副大臣、政務官を含めた、野田前内閣「外交・安全保障政策チーム」の功績である。
「城内を不用意に散乱させた」鳩山由紀夫内閣期、「散乱した城内を片付けるにも片付けられなかった」菅直人内閣期の状態のままで、「城」を明け渡されていたら、安倍新内閣は、発足当初から途方もない難題を背負い込むことになっていた。こうした手間を後に残さなかった故に、野田前内閣「外交・安全保障チーム」の努力を労(ねぎら)うのは、当然の礼儀というものである。
実際、衆院選結果判明直後、バラク・オバマ米大統領は声明の中で、安倍自民党の選挙大勝に祝意を表す一方、野田首相に対しては、「日米関係への貢献に感謝したい」と謝意を示した。これは、日米関係全般を概観するに、公正な評価と見るべきであろう。
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