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政治
【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 「安倍日本」どこが右傾化なのか
1978年の日中平和友好条約の際の中国側の関心は対ソ包囲網の形成であり、当時中国側は日本に対して国内総生産(GDP)3%の防衛費を期待していた。日本にその気があれば、尖閣問題などはとうに解決していただろう。台湾問題も、当時はまだワシントンに五星紅旗と青天白日満地紅旗の両方が立っていた時代でもあり、対ソ防衛協力を梃子(てこ)に台湾関係の改善もあり得た時機であった。
79年のソ連のアフガニスタン侵攻後、アメリカが同盟国に軍備増強を呼び掛けたときは、日本はよくそれに応えて中曽根-レーガン時代を築いたが、高度成長期でありそれでもGDP1%程度にとどまった。それが冷戦後、GDPの4%を使った米国に比べられて、「冷戦は終わったが、儲(もう)けたのは日本だ」と、「勝利にタダ乗りをした」日本たたきが行われた。
当時の日本バッシングの激しさは、あの頃日本経済をになった世代の忘れ得ない経験である。
≪米国には日本の協力が不可欠≫
時は移って、今は、米国は対中戦略に軸足を移す「アジア・ピヴォット」を呼号しながら、財政の赤字に悩み、同盟国、友好国の協力を強く望んでいる状況である。
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