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政治
【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 「安倍日本」どこが右傾化なのか
私は情報関係事務に関与してきたこともあり、ある時期まではその種の情報にも絶えず接してきた。それが途切れて既に久しい。もう今は、注視を怠れない、ある程度の社会的影響力のある右翼団体は存在しないらしい。
≪右翼思想とはもう無縁の社会≫
2006年の加藤紘一邸放火事件後、「今や30年代の右翼テロ時代の再来」という警鐘を鳴らそうとしたテレビ番組で、私は、「挫折した老右翼の単独犯」とコメントして、参加者たちを鼻白ませたことがあった。それも右翼凋落情報を知っていたからである。
ヨーロッパでは、外国移民排斥などの右翼思想を掲げる政党が、今でもかなりの影響力を持っているが、自民党周辺、安倍内閣周辺には、そんな匂いもしない。今回の総選挙では、小政党が乱立したが、ヨーロッパの右翼に相当するような党はなかった。一つぐらいあってもよさそうなものなのに皆無だったということは、日本が右翼思想から無縁の社会だということを示している。
右傾化でないとすれば、正常化への過程であろうが、国際政治の現実においては、日本はまだとても正常といえない状態である、バランス・オブ・パワーのパートナーとして必要とされる場合その期待を満たしてきていない。
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