【ベイルート】ロシアと国連は27日、シリア政府と反体制派がともに拒絶したことで実現していない数カ月前に提示されたシリア和平案を復活させることを求めた。
同提案による合意成立が、6月時点よりも高まっているとはみられていない。アサド政権は同提案を復活させようとの動きにはコメントせず、また、同政権追放を目指す反体制派で、この交渉に関わる人物は同提案は「筋が通らない」と批判した。
自由シリア軍の調整役となっているトルコ在住のバッサム・アル・ダダ氏は「反体制派の誰もこれを受け入れられない。もし受け入れれば、シリア国民に拒絶されるだろう」とし、アサド軍は、どのような解決策においても大統領が一定の役割を果たせるようにするために、あまりに多くの人々を殺している、と話した。
反体制派活動家によると、反アサド運動が2011年3月に始まってからこれまでに4万人以上が殺されたという。
ロシアが反対したため、当初の案にはアサド大統領や現政権高官を新政権から追放することは明記されなかった。
この案が最初に提示されてからシリア情勢は大きく変化した。反体制派が勢いを得て、支配地を増やし、同国北部で軍事施設を拡充している。また、首都ダマスカス周辺での支配地も拡大している。こうした状況を背景に、アサド政権の一部が存続するような案を反体制派が受け入れる公算はますます小さくなっている。
政権側も譲歩の姿勢は見せておらず、反体制派の行動は大半が国を破壊するテロだと非難している。
国連とアラブ連盟からシリア問題の交渉を任されたブラヒミ特別代表は27日、ダマスカスで、ジュネーブ提案はシリア内戦に終止符を打つ上で「適切な案だ」と述べた。同特別代表は「シリア国民は真の変革を求めている」とし、移行期が「国家あるいは国家機関の崩壊につながってはならない」と語った。また、当初案は修正が可能だとしながらも、具体的には言及しなかった。
同特別代表はアサド大統領には言及せず、暫定政権は「完全な執行権限」を持つとし、これは「国家の全ての権限を暫定政府に持たせるということ」を意味するとしている。さらに、その後の政権がどのようなものになるか、提案に盛り込まれた選挙は大統領選なのか議会選なのかなどはまだ決まっていないと指摘した。
一方、モスクワでは、ロシア外務省のアレクサンドル・ルカシェビッチ報道官が同国もジュネーブ提案を復活させようとしていると言明するとともに、アサド大統領の追放には反対であることを再確認した。ロシアは内戦が始まった時から大統領の最強の支持者であり、中国と並んでシリア軍に武器を売却し、反体制派弾圧に関する国連安全保障理事会の非難決議から大統領を守ってきた。
ブラヒミ特別代表は今週末にロシアを訪問する。シリアのメクダド外務次官は27日、ブラヒミ氏の訪問前の地ならしのために、モスクワでラブロフ・ロシア外相と会談した。メクダド次官は別のロシアの上級外交官とも会う予定だ。
シリアでは27日も戦闘が続き、反体制派は北部アレッポの警察学校と軍用飛行場を攻撃したほか、北部イドリブの政府軍基地でも同軍と交戦した。
(AP通信)
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