【編集委員・服部尚】原子力規制委員会の田中俊一委員長は27日、朝日新聞のインタビューで、全国で現在唯一稼働中の関西電力大飯原発の重要施設直下に活断層があれば、関電に停止を指示する方針を明らかにした。3年間で全原発の再稼働を判断するという安倍政権の方針については、審査に時間がかかり無理だとの考えを示した。
規制委は、28日から専門家による大飯原発の現地調査をし、活断層かどうかを判断する。重要施設の直下に活断層があると判断されれば、「行政的な判断で止めるようお願いする」と述べ、強制力はない行政指導で停止を関電に指示する考えを示した。
国の基準では、活断層の真上に重要施設は設置できないと定めている。原子炉等規制法では差し迫った危険があれば停止命令を出せる。しかし、差し迫った危険とまではいえず、田中委員長は法的拘束力をもって停止命令を出すのは難しいとの見方を示した。
また、規制委の専門家会合が原子炉建屋直下に活断層がある可能性が高いと判断した日本原子力発電敦賀原発について、安全審査はできる状態になく、廃炉にせざるを得ないとの見方を示した。