マスクを日常的に使用している人のうち73%がマスクを正しく使用できていないことが、マスクの衛生状態を保つスプレー剤「クリスタルヴェールマスク防菌24」などを販売する医薬品メーカー「エーザイ」のマスクに関する意識・実態調査で明らかになった。
調査は例年、12月〜翌年2月にインフルエンザなどの感染症対策のためにマスクを週1回以上使用している全国の12歳以上の男女310人を対象に、11月29、30日にインターネットで実施した。
それによると、「ノロウイルス」や「マイコプラズマ肺炎」など感染症に対する予防意識が高い人が85%に上り、また、97.1%の人が「マスクの着用は感染症予防に有効だと思っている」と答えた。しかし、普段のマスクの使い方について五つの項目から調査をしたところ、正しい使い方をしている人は26.8%と約7割の人が正しいマスクの使い方ができていないことが明らかになった。
マスクの誤った使用方法としては「マスクを外した後、手洗いができていない」が53.9%と最も多く、次に多いのが「使用中、ウイルスが付着したマスクのフィルターを触ってしまっている」が43%、「マスクを外す際に、フィルター部分を触ってしまっている」の38.7%だった。
マスクの使用頻度については「1日1回」が69.4%と最も多かった一方で、2日以上同じマスクを使用する人が16.8%だった。2日以上同じマスクを使用する人を男女別で見ると、男性が21.3%、女性が12.2%と男性の方が同じマスクを長く使用する傾向があり、特に50歳以上の男性では45.2%とほぼ半数の人が2日以上マスクを取り換えていないことが明らかになった。
また、同じマスクを使用しているときのマスクの着脱回数は平均8.2回で、外したマスクを再度着ける際に何もしていない人が91.9%だった。
広島大学大学院ウイルス学研究室の坂口剛正教授は「マスクは感染症予防の一つとして有効ですが、正しく使用しなければその効果を十分に発揮できません」として、▽できるだけ空気の漏れがないように鼻と口を覆うこと▽マスクの口周りを覆うフィルター部分は触らないこと▽マスクを外した後に手を洗うこと--と正しいマスクの使用法を呼びかけ、さらに「マスク使用前に、防菌のスプレーをすることもウイルスの付着を防ぎ効果的」と話している。(毎日新聞デジタル)