安倍妄言内閣、対中「低姿勢」対韓「高姿勢」の様相

入国拒否騒動の新藤・稲田両氏が入閣

 26日に発足した安倍新内閣では、独島(日本名・竹島)問題で韓国に視察に訪れた際に入国を拒否された新藤義孝衆院議員(54)が総務相、稲田朋美衆院議員(53)が行政改革担当相にそれぞれ起用された。新内閣の顔触れは、独島問題や日本軍による従軍慰安婦の強制動員などをめぐり、韓国には譲歩しないとする基本姿勢に変わりがないことを示すものだ。

 新藤総務相と稲田行政改革担当相は安倍首相が今年10月に結成したシャドーキャビネット(影の内閣)でそれぞれ経済産業相、法相に名を連ねていた。しかし、韓国の外交専門家や日本メディアは、2人の政治的な重量感や韓日関係を考えると、入閣はないとみられていた。東京の外交筋は「韓国への入国を拒否された人物を入閣させるとは全く予想できなかった。韓日関係は冷え込んだ期間が続きそうだ」と懸念した。

■入国拒否騒動で知名度上げた2人

 新藤氏は「国家主権と国益を守るために行動する議員連盟」「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」「日本の領土を守るため行動する議員連盟(領土議連)」 など極右傾向の議員団体で知名度を上げてきた。日本社会で無名の政治家に近かった新藤氏は昨年8月、自民党「領土に関する特命委員会」委員長代理として、日本の国会議員を率い、独島に近い韓国・鬱陵島を訪問しようとして有名になった。母方の祖父は太平洋戦争末期に硫黄島守備司令官を務めた栗林忠道陸軍中将だ。新藤氏は韓国で入国を拒否された後、国会で質疑などを通じ「独島は日本領」とする主張を繰り返しており、米国に設置された慰安婦石碑の撤去運動も展開した。新藤氏は今年8月に国会議員を率い、中国との領土紛争に発展している尖閣諸島(中国名・釣魚島)を洋上視察した。

 弁護士出身の稲田氏は安倍首相の側近だが、衆院議員当選3回という経歴では入閣は難しいとみられていた。稲田氏は妄言で知名度を高めた代表的な極右政治家だ。稲田氏は東京裁判について、近代法の大原則である罪刑法定主義に違反しており国際法違反だと主張し、日本の戦争責任を否定した。また、「南京大虐殺は虚構だ」「首相の靖国神社参拝に反対する人たちに道徳教育を論じる資格はない」「日本軍による沖縄住民の集団自決強制はなかった」などという妄言で日本国内でも多くの批判を浴びた。

■不意を打たれた韓国

 新藤氏の入閣により、日本政府は「竹島の日」を国家行事にいつでも格上げできる体制を整えた。総務相は地方自治体を統括し、国家行事に関連する業務を担当する。総務省は放送政策も担当しており、韓流ドラマなどにも影響を与える可能性がある。

 安倍首相が土壇場で2人を入閣させたのは、尖閣諸島への公務員常駐、国レベルでの「竹島の日」行事開催の公約を留保したことに不満を抱く極右勢力に配慮したためではないかとの分析も聞かれる。

 木村幹神戸大教授は「安倍首相が公約を守らないと批判する勢力に配慮し、新藤氏らを入閣させたのではないか。外相などには比較的中道の人物を入閣させており、韓日関係を改善する意思はあるとみるべきだ」と指摘した。また、日本のある専門家は「中国関連の公約を実行すると、中国から貿易上の報復を受ける可能性が高いため、安倍首相は韓国に関する公約で極右勢力の不満を解消する可能性がある」との見方を示した。

東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
関連ニュース