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【大相撲】

“167センチ”爆羅騎 新弟子検査に合格

2012年12月27日 紙面から

入念な“対策”が功を奏す!?167センチぎりぎりでパスした伊藤爆羅騎(岸本隆撮影)

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 大相撲初場所の新弟子検査が26日、東京・両国国技館で行われ、異色の小兵力士が誕生した。マフィア映画から名付けられたという伊藤爆羅騎(18)=いとう・ばらき、式秀部屋=はびんつけ油で頭髪を固めるなど7センチを“上乗せ”し、体格検査では基準の167センチギリギリで合格した。身長が伸びるストレッチも受けるなど、苦肉の策で何とか難関をクリアした伊藤は「爆羅騎」のしこ名で初場所の土俵に上がる。

 その名も爆羅騎。父・雅浩さんが1972年製作のイタリア・フランス合作のマフィア映画「バラキ」からとった、いかにも強そうな名だ。

 ちなみに兄は立浪部屋の三段目・羅王丸(らおうまる)。こちらも本名は羅王で、漫画「北斗の拳」に登場するラオウが昇天するとき吐いた「我が生涯に一片の悔いなし」という名ぜりふが好きだった雅浩さんがつけた。

 爆羅騎は、それがそのまましこ名になる。1月4日付で式秀部屋を継承する小野川親方は「しこ名は爆羅騎でいこうと思っています。爆羅騎元気で。ゲンキは元気にするか源氣にするか字画で考えます。『ヒデキ、カンゲキ!』みたいな。電車で『いばらき、元気』というキャッチフレーズも見ましたし(式秀部屋は茨城県龍ケ崎市)」と既に決定。身長が足りるかどうか心配だっただけに「受かってよかったあ〜」と喜んだ。

 入門前に、福岡・希望が丘高で計測した身長は160センチ。新弟子検査前日の25日に計測しても、「165センチか166センチでした」と爆羅騎。身長計に乗ると体が浮き上がらんばかり目いっぱい伸ばした。検査係の玉ノ井親方(元大関栃東)が「167」と言うと、「覚悟してました。うれしかった。ホッとしました。背伸びはしてません」と笑みがこぼれた。

 もちろん、入念に対策を施した。床山さんにお願いし、頭髪を立たせた状態のままびんつけ油でカチカチに固めた。そうするために、3カ月前から髪を伸ばし続けた。

 龍ケ崎市の部屋から国技館までの車移動も、身長が縮まないよう横になったまま。検査会場の相撲診療所に到着しても開始ギリギリまで横になっていた。

 さらに、爆羅騎が「効果がありました」というのが小野川親方のストレッチ。「腹筋を鍛えて骨盤を戻し、腸骨を締めることで伸びる。1回で3センチは伸びるんです」と小野川親方。それを22日と25日に受けて挑んだ成果が出た。

 身長は低いが力士としては大きな期待がかかっている。埼玉県・山口小3年から相撲を始め、相撲留学した希望が丘高校ではインターハイ個人でベスト32、岐阜国体でベスト16、金沢大会でベスト16の実力者。目標に掲げる「横綱」に向かって爆進する。 (岸本隆)

 

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