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【サッカー】

ゴン決めた ゴールで東北元気づけた

2012年12月27日 紙面から

ゴールを決めた中山雅史さん(9)を祝福する両チームのイレブン=ユアスタで

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◇東日本大震災復興支援チャリティーサッカー

 東日本大震災の復興支援を目的とした慈善試合「チャリティーサッカー2012」が26日、ユアスタ仙台で行われた。試合は日本代表経験者らによる「JAPANスターズ」が5−2で、東北出身者や仙台の選手らで構成する「東北ドリームス」を下した。インテルミラノのDF長友佑都(25)は負傷でプレーはできなかったものの、明大時代に鍛えた太鼓の腕前で場内を盛り上げた。試合終了間際には、今季限りでの現役引退を表明した元日本代表のFW中山雅史さん(45)がゴールを決め、詰めかけた観衆を沸かせた。

 氷点下の「杜(もり)の都」を、FW中山がきっちり沸騰させた。後半38分に途中出場すると、歓喜のドラマは終了間際に訪れた。FW宇佐美のパスを、背番号「9」が得意の右足で突き刺した。全力疾走で逆サイドのゴール裏まで走り、大声援を全身に浴びながら両軍選手に胴上げされた。「さすがゴンさん!!」。長友が、内田が、長谷部がうなった千両役者の面目躍如弾。中山は右腕を目いっぱい突き上げてほえてみせた。

 「やっぱりサッカーは良いなと実感した。サッカーを愛する自分に気づけた。(得点を取らせようとする)周りの気遣いが痛いほど分かっていたので、決められて良かった」

 実は、別のシナリオが用意されていた。後半44分、故障で欠場したDF内田篤人(シャルケ)が主審として登場。直後に「本当はPKを取るはずだったんだけど、ゴンさんは取らなくても決めてくれた。オレの仕事がなくなる、一番良い形だった」。そんな“有終”を飾ろうとする演出さえも、中山には不要。満身創痍(そうい)の体にむち打ち、激走する姿にスタンドはわき、同郷の長谷部は「ゴンさんの魂の一部でも引き継げたら」と感動していた。

 中山は、少しだけ誇らしげだった。「(観衆の)みんなに笑顔が生まれたのなら本当に良かった。(復興支援に)一役買えたのかな」。いつでも、どこでも全力プレーの中山の姿、そして最後のゴールは、被災地の人々の脳裏にしっかりと刻まれたはずだ。 (松岡祐司)

 

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