ペニーオークション詐欺:「芸能人にサクラ依頼」 容疑者「知人通じ」
2012年12月27日
入札のたびに手数料がかかるインターネット競売「ペニーオークションサイト」を使った詐欺事件で、京都府警などに逮捕されたIT関連会社役員、鈴木隆介容疑者(30)が「知人を通じ、芸能人にブログでのサクラを依頼した」と供述していることが26日、捜査関係者への取材で分かった。府警は、一般的な書き込みを装って宣伝するステルスマーケティング(ステマ)の手法を使い、事実上落札できない仕組みのサイトに一般人を誘い込もうとしたとみて調べている。
捜査関係者によると、鈴木容疑者が運営する複数のサイトについて、約20人の芸能人がブログで「格安で落札した」との趣旨の書き込みをしているが、いずれも虚偽だった可能性が高い。鈴木容疑者は10年秋ごろ、知人男性を通じてグラビアタレントの松金ようこさん(30)にステマを依頼。松金さんはタレントのほしのあきさん(35)や熊田曜子さん(30)にも持ちかけ、2人とも虚偽の書き込みをしていた。府警は今月、松金さんから参考人として事情聴取。書き込みは認めたが、詐欺的なサイトとは知らなかったとして事件への関与を否定したという。
ほしのさんらのブログを運営するサイバーエージェント(東京都)は、事件を受けてガイドラインを改定。芸能人が書き込みを偽装したり、特定企業から見返りを受けて依頼通りの記事を掲載したりした場合、ブログを利用できなくするなどの罰則を設けた。【堀智行、花澤茂人】