iPS細胞:特許詐欺 全国で12件5200万円の被害
毎日新聞 2012年12月22日 12時25分
山口県警は21日、iPS細胞作製の特許権譲渡を巡る詐欺事件があり、山口市の80代男性が2000万円をだまし取られたと発表した。消費者庁によると、三栄と名乗る架空会社が介在し、このほかにも今年6月末〜10月26日の間に全国で12件計約5200万円の被害が出ているという。
県警によると、男性方に今年8月、「三栄という会社から封書が届いたら連絡がほしい」と男の声で電話があり、iPS細胞作製の特許権を買う権利を1口50万円で買えるとする申込書が届いたという。男性が電話すると、男は「別の客が1000万円分の譲渡権をほしがっている。1000万円はその客が送金するので、三栄に申込書だけを送れば謝礼金100万円を払う」などと話した。
男性が申込書をファクスすると、同社や男から「申込人と金の振込人が違い、規約違反になる。1000万円払えば謝礼金と一緒にすぐに返す」などと言われ、同29日に現金1000万円を宅配便で送付。買い増しなどの名目で更に1000万円を送った。しかし、10月に会社と連絡が取れなくなり、男性が警察に相談して事件が発覚した。【井川加菜美】