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原発事故避難基準 検討やり直しへ
12月27日 15時43分

原発事故避難基準 検討やり直しへ
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原発事故の避難基準を検討している国の原子力規制委員会の専門家会議で、国際基準の半分の放射線量で避難を始めるなどとした事務局案に対し、専門家から「科学的根拠が薄く、自治体などに説明できない」といった反論が相次ぎ、一から検討をやり直すことになりました。

原発事故の避難については、去年3月の事故の際、放射性物質の広がりを予測する「SPEEDI」が機能せず、素早い判断ができなかったことから、原子力規制委員会は、今後は予測ではなく、実際に測定された放射線量を基に判断するとして専門家会議で具体的な基準づくりを進めています。
これについて、27日の会合で規制委員会の事務局案が示され、原発の半径5キロから30キロの範囲では、放射線量が1時間当たり500マイクロシーベルトに達した地域について直ちに避難を求めるほか、1時間当たり20マイクロシーベルトに達した地域は、1週間以内に一時的な避難を求めるとしています。
いずれも国際基準に比べ半分から5分の1の放射線量で、事務局側は「安全側に立って国際基準よりも厳しい値にした」としています。
しかし、専門家からは「国際的な避難基準の数値を半分にしただけで、科学的な根拠が薄く自治体や住民に説明できない」といった指摘や、「暫定的に国際基準を採用し、日本独自の基準を作るための議論を続けるべきだ」といった意見が相次ぎました。
この結果、避難基準の合意には至らず、年明けに検討をやり直すことになりました。
避難基準は、自治体が避難計画などを見直す際に前提となるもので、基準づくりが遅れることで、計画の見直し作業にも影響する可能性があります。

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