政府、TPP交渉参加へ正念場 安倍首相、問われるリーダーシップ
SankeiBiz 12月27日(木)8時15分配信
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官邸に入った安倍晋三首相=27日午前、首相官邸(酒巻俊介撮影)(写真:フジサンケイビジネスアイ) |
通商政策のカギを握る環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応で、新政権は発足直後から正念場を迎える。交渉参加に向けたタイムリミットが間近にもかかわらず、踏まなければならない手順が残っているためだ。政府内では「このままでは交渉に乗り遅れる」と焦燥感が募る。
「実力派内閣」景気浮揚策に期待 産業界は政策決定のスピード感要望
「(TPPについて)日米首脳会談でしっかり議論していきたい」。安倍晋三首相は政権発足前の18日、経団連幹部との懇談会でこう述べた。
安倍首相が約1カ月も先の首脳会議での進展を示唆したのは「タイムリミットを意識して産業界の懸念払拭に動いた」(政府関係者)ためとみられる。実際、日本の交渉参加はほぼ「時間切れ」の状態だ。
参加11カ国のTPP交渉は今月12日までニュージーランドで開いた会合で、2013年中の交渉妥結を目指す方針で一致。「来年10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が大きな節目となる」(外務省)。残り時間が約10カ月となる中、3月にシンガポールで開催される次回の交渉会合からは、関税撤廃の例外品など個別分野で“詰め”の議論が交わされる公算が大きい。
だが、日本の次回会合参加は絶望的だ。交渉参加の条件となる米国の承認を得るには、90日前までに米大統領が議会に通知する「90日ルール」があり、安倍首相が年明けすぐに交渉参加を表明しても、実際の参加は4月以降となる計算だ。
加えて、自民党にはTPP反対を訴える農業団体から推薦を受けた衆院議員が少なくなく、党内に慎重派を多数抱え込む構図となっている。7月の参院選を前に党内の意見集約は難航が予想され、参加表明がさらにずれ込む可能性が高い。
交渉会合は2、3カ月ごとに開かれるため、APEC前に日本が交渉参加できる機会はすでに7〜9月に2回程度のみ。仮に、7月の参院選前に参加表明できなければ、コメなどを関税撤廃の例外にしたい日本の主張が反映されないまま「(APECで)合意した通商ルールをそのまま容認するだけになる」(通商筋)。
13年中の交渉妥結は依然として曲折が予想されるが、残された時間の中でリーダーシップを発揮できるか−。安倍首相の手腕が早くも問われる。
最終更新:12月27日(木)11時18分
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