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iPS細胞を献血者から作成し保存へ
12月27日 5時48分

iPS細胞を献血者から作成し保存へ
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病気やけがで失われた体の機能を取り戻す再生医療で、iPS細胞を使って迅速に治療を行うため、京都大学iPS細胞研究所と日本赤十字社は今後、献血に訪れる人の細胞から多くの人の治療に使えるiPS細胞を作成し保存していくことを決めました。

これは26日、厚生労働省の審議会で承認されたものです。
体のあらゆる組織になるとされるiPS細胞は、再生医療の分野で期待が高まっていますが、患者本人の細胞からiPS細胞を作った場合、実際に移植するまで数ヶ月かかるため、損傷した脊髄の再生や進行の早い病気の治療に効果が十分得られなくなるおそれがあると指摘されています。
このため京都大学iPS細胞研究所と日本赤十字社は、移植しても拒絶反応が起きにくい特殊な型の細胞からあらかじめiPS細胞を作りだし、保存しておくことを決めました。
京都大学などによりますと、拒絶反応が起きにくい特殊な型の細胞を持つ人は数%しかおらず、今後献血する人から同意を得て特殊な型の細胞を持つ人を探し出し、細胞の提供を得たいとしています。
京都大学と日本赤十字社は来年春ごろから全国の献血ルームなどで呼びかけを始め、今後10年で特殊な型の細胞を150種類集め、日本人の90%の移植に使えるiPS細胞の保存を目指したいとしています。
京都大学iPS細胞研究所の木村貴文教授は、「献血する人の協力が得られるかが最も重要なので、日本赤十字社とともに実用化に向けて前進していきたい」と述べました。

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