裁判中に「偉大な朝鮮民主主義人民共和国万歳」と叫び、裁判官たちに靴を投げつけた傍聴人が逮捕された。
清州地検は21日、法廷侮辱や公務執行妨害、国家保安法違反などの容疑で、日雇い労働者の男(51)を逮捕した。検察によると、容疑者の男は今月14日午後2時ごろ、清州地裁で行われた、国家保安法違反事件の被告人(57)の控訴審の判決公判を傍聴した際「偉大な朝鮮民主主義人民共和国万歳」と叫び、法廷内にいた裁判官たちを目掛けて靴を投げつけた疑いが持たれている。靴は裁判長のすぐ横に落下した。
検察によると、男は、国家保安法違反罪で起訴されて一審で懲役10月の判決を受けた被告人がこの日の控訴審でも控訴を棄却する判決が言い渡された直後、突然靴を投げつけたという。男と被告人は全く面識がないことが分かった。
法廷内で逮捕された男は、裁判官から7日間の監置を命じられ、刑務所に収監された。検察は、男が釈放される直前に事前拘束令状(容疑者の身柄を確保できていない状態で捜査機関が裁判所に請求する令状)を請求し、裁判所は改めて令状を発行した。検察によると、男は以前にも、北朝鮮を賛美したとして処罰を受けた前歴があるという。
一方、控訴を棄却された被告人もまた、法廷で「朝鮮民主主義人民共和国万歳」と叫んだ。検察は「被告人は国家保安法違反罪で処罰を受けながらも犯行を繰り返している。今回の事案についても再び捜査を行い、処罰する方針だ」と説明した。この被告人は昨年から今年にかけ、法廷で北朝鮮を賛美したとして3回逮捕・起訴され、懲役8月の判決を2回、同10月の判決を1回言い渡された。そして4回目となる今回の判決に際しても「朝鮮民主主義人民共和国万歳」を叫んだことになる。
この被告人は、インターネットの討論掲示板やテレビ局の視聴者向け掲示板などに、北朝鮮を賛美し韓国や米国を非難する約350件の利敵表現物を掲載したとして、今年5月25日に逮捕・起訴された。一審では懲役8月の判決を受け、控訴審の最中にも突出した行動をし、その後法廷で北朝鮮を賛美する発言を繰り返した。被告人は独身で、トラックの運転手として働き、2002年以降、インターネットに一般的な内容の書き込みをしていた。