THE INCIDENTS インシデンツ



THE INCIDENTS インシデンツ
兵庫県警、暴力団担当刑事を性風俗接待などで処分へ
筆者 - 寺澤有
2012年 7月 09日(月曜日) 00:30

常深洋蔵・兵庫県警警部補ら 兵庫県明石市在住の建設業Yさん(41歳)が、こう打ち明ける。

 「昨年5月ごろ、知人が明石署に逮捕されたんです。すると、当時、仕事でつき合いがあり、警察に顔がきくというGが、『警察の狙いはYさん。自分が警察に頼んで、もみ消してあげるから、50万円用意してほしい』と言ってきました。私が『何の容疑?』と尋ねると、Gは『それは言えないけど、今は他人名義の携帯電話を使用していても逮捕されるから』と答えました。私は、50万円で済むならと、言われたとおりにすることにしたんです」

 2011年6月16日、Yさんは神戸市の繁華街・三宮の喫茶店で、Gと兵庫県警察本部組織犯罪対策課の常深洋蔵(つねみ・ようぞう)警部補と会った。

 「常深警部補とは初対面で、彼は私に警察手帳を示し、名刺をくれました。開口一番、常深警部補は『あなたを捕まえるところだった』と言ったんです。私はGと事前に打ち合わせたとおり、常深警部補の目の前で、Gに現金50万円を手渡しました」

 その後、Yさんは2回、Gから連絡を受けて、常深警部補らを接待している。

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横浜地検川崎支部が窃盗で無罪論告も詐欺で追起訴 恥の上塗りか
筆者 - 寺澤有
2012年 7月 04日(水曜日) 14:00

横浜地方裁判所川崎支部 5月23日の《横浜地検川崎支部が自動車の窃盗で誤認起訴 無罪論告へ》の記事で報道していた事件は、6月14日に横浜地方裁判所川崎支部(写真)で公判(荒川英明裁判官)が開かれ、検察官は窃盗罪について無罪を立証、論告することを表明した。

 一方、中川隆成被告(46歳)が自動車の所有者・菊地均被告と共謀し、盗難保険金をだまし取ったとして詐欺罪で追起訴した。しかし、こちらもだいぶ捜査の詰めが甘いように思われる。

 検察官の陳述によると、以下のような事実関係があったという。

 2011年9月 中川被告が菊地被告からベンツを借り、乗りまわす。

 同月 菊地被告が警察に盗難届を出す。

 11月 中川被告がベンツで事故を起こし、神奈川県警察本部に逮捕される。中川被告は「ベンツは盗んだ。所有者は知らない」と供述。

 12月 損害保険会社から盗難保険金235万円が菊地被告に支払われる。

 2012年1月 菊地被告から現金が差し入れられないので、中川被告が初公判で、「ベンツは菊地被告から借りたもの」と暴露し、窃盗を否認。

 これに対し、中川被告は以下のように陳述した。

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首相官邸前の反原発抗議活動、最後は警察と主催者で幕引き
筆者 - 寺澤有
2012年 7月 02日(月曜日) 23:40

首相官邸前抗議活動 6月29日、首相官邸前で反原発の抗議活動があった。ツイッターやフェイスブックを通じて呼びかけが広まり、集まった参加者は数万人。このような手法で抗議活動が盛り上がるのは、昨年のチュニジアやエジプトなどの民主化運動、いわゆる「アラブの春」を彷彿とさせる。

 抗議活動は18時から始まり、時間を追うごとに参加者が増えていった。

 【写真上】18時50分ごろ。道路を挟んで中央右の建物が首相官邸。

 【写真中】19時30分ごろ。警察が抗議活動を封じ込めるため、わざわざクルマの通行を許可していたが、膨大な参加者が車道にあふれ、自然と通行止めに。参加者は警察官の隊列を押して、首相官邸に迫る。

 【写真下】19時40分ごろ。警察は首相官邸前に大型車両を並べて、参加者の前進を阻止。

 20時ごろ、警察と主催者(首都圏反原発連合有志)が“共同”で抗議活動の終了を宣言し、解散を促すという妙な形で、幕引きがはかられた。「首相官邸前に何万人集まっても、原発は止まりません!」と主催者が拡声器で訴えたとき、参加者からブーイングがあがった。

 結局、三々五々と参加者は帰途についたが、不完全燃焼の気持ちを抱いた者も少なくないと思われる。

 
「暴力団排除を口実に警察は天下り先を拡大」 木村博工藤会幹事長インタビュー
筆者 - 寺澤有
2012年 6月 25日(月曜日) 20:25

木村博工藤会幹事長 2月に発売された拙著『本当にワルイのは警察~国家権力の知られざる裏の顔~』(宝島社)を読んだという、指定暴力団「工藤会」(北九州市)の木村博幹事長(写真)から電話があった。

 「ご著書で書かれているとおり、本当に警察は悪い」

 従前、木村幹事長と接点はなかったが、「取材を受けてもかまいません」ということだったので、6月23日、工藤会総本部でインタビューした。

 ――4月19日に元福岡県警警部の広石保雄さんが銃撃され、重傷を負った事件をはじめとして、警察はいくつかの発砲事件を工藤会の犯行として捜査しています。

 木村幹事長 警察が工藤会の犯行と断定し、そのままマスコミも報道していますが、犯人は捕まっていません。警察が工藤会を凶悪な集団と印象づけ、「我々が守ってやる」と、天下り先を拡大させているのが実態です。元警部も、できたばかりの大病院に天下りしています。

 ――そもそも工藤会とは、どういう組織ですか。

 木村幹事長 親が賤業に就いていたり、被差別部落出身者や在日朝鮮人だったり、そういう貧困や差別に苦しむ弱者、あるいは、いわゆる「落ちこぼれ」が自然と集まってきたものです。

 ――世間では、違法行為で利益をあげている集団とみているわけですが。

 木村幹事長 確かに違法行為で逮捕される組員はいます。しかし、そういう人間が出るのは、企業や役所、警察でも同じです。

 ――構成員が違法行為で逮捕されて、「組織は関係ない」と居直るのでは、警察と同じような気がしますが。

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免許提示拒否で逮捕の男性、「警察はもう信用しない」
筆者 - 小笠原淳
2012年 6月 24日(日曜日) 23:35

住田将仁さん 「もう警察の威信は地に落ちてますよ。信頼、信用……、とてもじゃないけど、できません」

 札幌市手稲区の住田将仁さん(40歳・写真)は、ため息とともにそう話す。

 地元の警察への信頼を失ったきっかけは、2年前の冬の体験。住田さんは、身に覚えのない交通違反を警察にとがめられ、運転免許証の提示を拒否して逮捕されたのだ。取り調べの席では違反を認める内容の調書をつくられそうになったが、供述と違う調書への署名を断固として拒否し続け、結果として不起訴となった。

 「やってもいないことを認めてまで免許証を出したくなかった」と、当時を振り返る住田さん。その日、警察署の目と鼻の先で“事件”は起きた――。

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伊藤祐一郎鹿児島県知事は3期目も記者クラブとの癒着を示唆
筆者 - 有村眞由美
2012年 6月 24日(日曜日) 14:40

伊藤祐一郎候補 6月21日、任期満了にともなう鹿児島県知事選挙が告示され、現職で3選を目指す伊藤祐一郎氏と、新人で出版社社長の向原祥隆(むこはら・よしたか)氏が、鹿児島市内で第一声をあげた。

 雨が降り続く中、向原氏は港大通り公園で、以下のように訴えた。

 「この雨は、私たちにとって祝福の雨です。生きとし生けるもの、雨がなくては生きられない。鹿児島では、今、早苗が雨の恩恵を受けて育つときです。原発は一瞬にして、自然も何もかも打ち砕きます。事故があれば、家を捨て、墓を捨て、すべてを捨てて、鹿児島を、故郷を、去らなければならなくなります。事故がなくても、放射能は出続けています。定期検査で川内原発が去年の9月から2基、止まっています。すると、温排水が排出されなくなり、原発の海に魚が帰ってきました。原発稼働中と比べて、なんと6倍の漁獲高です。原発が止まれば、豊かな自然がよみがえり、自然エネルギーを活用した新たな産業も生まれます。川内の方々には、真っ先に、その恩恵を受けてほしい。今回の知事選は、原発を止める県民の意思表示ができる、初めての選挙です。国は原子力政策を変えることができません。大飯原発も止められないようです。だとしたら、鹿児島県から止めて、原子力政策を変えていこうではないですか。新しい歴史を、その第1歩を、私たちが、私たちの手で切り開いていこうではありませんか」

 応援には、向原氏の政策提言100人委員会のメンバーであり、釣り仲間でもあるという「松本サリン事件」被害者の河野義行さんや、川内原発1・2号機差し止め訴訟原告団長の森永明子さんらが駆けつけた。

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「長崎県警を揺るがす男」がネズミ捕りに抗議
筆者 - 寺澤有
2012年 6月 22日(金曜日) 06:05

ネズミ捕り警察官 警察の不正や腐敗、弱い者いじめを見て見ぬフリをしていると、自分にツケがまわってくることもある。長崎市在住の竹下周志(たけした・ちかし)さん(61歳)も、そんな1人だったかもしれない。

 竹下さんは、1995年6月に長崎県警察本部大浦署に暴行容疑で逮捕された。否認するも、「警察官から『暴行を認めないならば、商売ができないようにしてやる。子どもが学校へ行けないようにしてやる』と脅され、自白調書を作成されてしまいました」という。裁判で無罪を訴えたが、罰金10万円の刑が確定する。

 以降、竹下さんは長崎県警の在り方を正すべく、私財を投じて、体を張って、活動してきた。その成果の一部は、『インシデンツ』でも記事にしている(キーワード「竹下周志」で検索)。筆者は竹下さんを「長崎県警を揺るがす男」と名づけた。

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「原子力村を復活させないために」 川内博史衆議院議員ロングインタビュー
筆者 - 有村眞由美
2012年 6月 15日(金曜日) 12:00

署名提出 「『原子力村』が野田総理を味方につけて、安全神話復活ののろしをあげた日だった」

 6月8日、野田佳彦総理は、関西電力大飯原子力発電所(福井県おおい町)の再稼働に関する記者会見を行い、「全電源が失われても、炉心損傷に至らない確認がとれている。再稼働は必要」との考えを示した。

 これに対する与党・民主党の川内博史衆議院議員(写真)の感想が冒頭の言葉だ。6月9日、川内議員は鹿児島市内で私のインタビューに応じた(以下、敬称略)。

 ――まずは、野田総理の会見への率直なご感想を。

 川内 原発安全神話の復活宣言です。野田総理は消費税増税のことで頭がいっぱいで、福島第1原発事故の教訓を自ら調べようとはされなかったのでしょう。本当に驚いたのは、会見の中で、「(大飯原発を再稼働しなければ)電力料金の高騰で中小企業や家庭に大きな影響を与える」と主張しているところ。消費税増税を進める姿勢と完全に矛盾します。どの場面においても、自己矛盾に気づかずに、それぞれの役所の官僚が作る筋書をそのまま読み上げて、あれだけ見事な演説をされる。

 ――「(再稼働のための『新基準』と呼ばれる)30項目の対策」や特別監視体制の構築など、事故後に新しく設けられた対策を挙げ、「実質的に安全は確保されている」と野田総理は述べられていますが。

 川内 総理が言っているのは、「福島のような地震・津波が来ても、原子炉は安全だ」ということ。しかし、国民は、原子炉が安全だと言われても、安全と思えるはずがありません。万一、(原子炉が損傷する)事故が起きても、安全を確保する対策がとられているか否かが問題です。政府と国民の「安全」に対する認識のギャップを埋めなければ、再稼働はできないと考えるべきです。

 ――政府は、防災対策は再稼働の前提ではないとしているのですね。

 川内 細野豪志原発担当相、齋藤勁(さいとう・つよし)官房副長官、牧野聖修(まきの・せいしゅう)経済産業副大臣が福井県の西川一誠(にしかわ・いっせい)知事と会談したときの会見概要に書いてあります。経済産業省の官僚が作成した文書なのですが、西川知事の防災対策に関する発言に、「(再稼働の前提ではないが)……」とあえてカッコ書きで挿入することまでしています。あちらの方々も必死なのです。

 ――大飯原発の再稼働の前提となる30項目の安全対策、いわゆる「新基準」や特別監視体制に関するお考えは?

 川内 どちらも、まったく法的根拠がありません。「新基準」といいますが、法的根拠がなければ、「基準」という言葉は使えないはずです。安全を印象づける狙いでしょう。官僚の方々はとても頭がいいですから。

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エコエネルギーで知られるデンマークのロラン島が本に
筆者 - 於保清見
2012年 6月 08日(金曜日) 01:15

ニールセン北村朋子さん 昨年11月10日にテレビ番組『地球イチバン』(NHK総合)で「自然エネルギー地球イチバンの島 ~デンマーク・ロラン島~」が放送され、大きな反響を呼んだ。

 この番組のコーディネートを務めたのが、ニールセン北村朋子さん(写真)。11年前にデンマーク人の夫の実家があるロラン島に住みはじめた。ロラン島はデンマークの南東に位置する沖縄本島ほどの広さの島。

 北村さんは、ロラン島の生活やエネルギー事情を日本の雑誌に書いているうちに少しずつ注目を集めた。今ではロラン島と日本を結ぶ懸け橋として活躍している。

 デンマークでもロラン島の再生可能エネルギー政策はあまり知られていなかった。日本のメディアで紹介されることにより、デンマークでも注目を集めはじめている。

 日本では、「ロラン島についての本はないのか」という声が多く、7月中旬に北村さんが書き下ろした『ロラン島のエコチャレンジ』(野草社/新泉社)が出版される。

 内容は、ロラン島の歴史、再生可能エネルギーや持続可能社会への取り組みなどである。5月27日、私はロラン島で北村さんにインタビューした(以下、敬称略)。

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鹿児島県知事選挙、向原陣営が「100人委員会」の顔ぶれを発表
筆者 - 有村眞由美
2012年 6月 07日(木曜日) 09:25

向原祥隆氏 鹿児島県知事選挙(6月21日告示、7月8日投開票)に立候補を表明している「原発のない鹿児島をつくる会」代表の向原祥隆(むこはら・よしたか)氏(写真)は6月5日、県政記者クラブ・青潮会記者室で記者会見し、政策提言を行う「100人委員会」の人選を発表した。

 「100人委員会」という名称だが、すでに委員は120人を超えている。エネルギー、女性活用、医療福祉、人権、農漁業、自治・住民参加など11分野に、県内外の専門家や識者をあてた。

 田口ランディ(作家)、小出裕章(京都大学助教)、上原一浩(元自民党県議団筆頭副会長)、斎藤駿(カタログハウス相談役)、河野義行(松本サリン事件被害者、元長野県公安委員)、藤田裕幸(元慶応義塾大学助教授)、田中優(未来バンク事業組合理事長)、広瀬隆(作家)などの各氏の名前が並ぶ。

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「30年で脱原発は方便」と川内博史衆議院議員が語る
筆者 - 有村眞由美
2012年 6月 06日(水曜日) 08:55

川内博史衆議院議員 川内博史衆議院議員は背広を脱ぐと、自分の前の長机を壁際に寄せた。6月2日、松原小学校区公民館(鹿児島市)で開かれた国政報告会の冒頭のひとコマだ。川内議員は75ページもの配布資料をもとに、身体を存分に動かしながら語りはじめた。

 「福島第1原発事故は津波ではなく、地震による配管損傷が原因の可能性もあると、経済産業省原子力安全・保安院も認めている。原子力安全委員会の斑目春樹(まだらめ・はるき)委員長は、『ストレステストの1次評価だけでは、再稼働に不十分だ』としている。『原発は安全ではない』ことを前提にした仕組みの整備が必須。にもかかわらず、現状、避難計画もできていない。このような状況で再稼働を認めれば、『安全神話』へ逆戻りだ」

 4月、民主党原発事故収束対策プロジェクトチームチームは、地域防災計画、免震重要棟の設置など、再稼働に必要な事故対策を求めた。しかし、これらは何1つ行われておらず、川内議員ら民主党議員約120名は署名を添えて、再稼働に慎重な姿勢をとるよう野田佳彦総理に要請するという(6月5日、署名を提出)。

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故黒木昭雄さんの遺作ミステリー『神様でも間違う』の予約販売開始
筆者 - 寺澤有
2012年 6月 04日(月曜日) 08:20

 6月下旬に発売される故黒木昭雄さんの遺作ミステリー『神様でも間違う』(インシデンツ)の予約販売を開始しました。

 http://www.incidents.jp/

 初版3000部のみ、故黒木さんのサイン入りカラーポートレートが巻頭ページにとじられています。

 警察官として、ジャーナリストとして、真実を追求し続けた故黒木さんの姿を思い出しながら、ご一読いただければ幸いです。

 
「今が千載一遇のチャンス」と川内原子力発電所の操業差し止めを提訴
筆者 - 有村眞由美
2012年 6月 01日(金曜日) 20:00

原告団と弁護団 「原発を止めることができるのは、私たち国民だけ。今が千載一遇のチャンスだ。裁判所で原発問題を論争するのは意味がある。(国や電力会社が)当事者としてデータを出さざるをえないからだ」

 「原発なくそう!九州川内訴訟」弁護団共同代表の後藤好成弁護士は、5月30日、かごしま県民交流センター(鹿児島市)で原告らに訴えた。

 同日、原告団は、国と九州電力に対し、川内原子力発電所(薩摩川内市)1、2号機の操業停止と原告1人あたり1万円の慰謝料を求める訴訟を、鹿児島地方裁判所に提起した。

 福島第1原子力発電所の事故の原因が未解明のまま、国と九州電力が川内原発を操業することが、憲法で保障される人格権と生存権を侵害し、精神的苦痛を与えるなどとしている。

 原告団は、鹿児島県477人、宮崎県314人、熊本県302人を中心とする1114人。本州からも16人が参加している。弁護団は、九州各地の79人。

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全原発停止後、初めての知事選挙に脱原発派が立候補を表明
筆者 - 有村眞由美
2012年 5月 25日(金曜日) 04:15

向原祥隆氏 「原発のない鹿児島をつくる会」代表の向原祥隆(むこはら・よしたか)氏(写真左)は、6月21日に告示される鹿児島県知事選挙に立候補することを、5月22日の記者会見で正式に表明した。記者会見は鹿児島県庁舎内の県政記者クラブ・青潮会記者室で行われた。向原氏の発言の要旨は以下のとおり。

~~~~~~~~~~

 (現職で3選を狙う)伊藤祐一郎知事は、今年4月の記者会見のころから「脱原発」を言いはじめた。しかし、「脱原発には30年かかり、原子力発電所の再稼働も必要」という。私には、30年間も県民が原発事故や日常的放射能汚染の危険にさらされることは、とうてい容認できない。30年もかかるようでは、「脱原発」とはいえない。

 伊藤県政は、国の方針を鵜呑みにし、県民の側を向いた発想がなかった。県知事は、国の統治代行者ではない。常に奉仕者として県民の側を向いて、県民に寄り添うのが本来のあり方だ。

 原発は事故が起きれば、何もかもだいなしになる。その意味で、原発の問題は最優先で取り組むべき問題だ。福島第1原発事故で、「エネルギーの選択肢に原子力を残してはならない」ということがはっきりした。

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保険金殺人を防げるか 「死因・身元調査法案」が衆議院で可決
筆者 - 柳原三佳
2012年 5月 24日(木曜日) 20:05

千葉大学法医学教室の解剖台 5月22日、衆議院本会議で「死因究明等の推進に関する法律案」と「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案」(以下、死因・身元調査法案)が、賛成多数で可決された。今後、参議院でも可決され、今国会で成立する見通しだ。

 死因・身元調査法案には、外面からの検視や遺体が発見された状況だけで犯罪死か否かが判断できない場合、警察署長の判断で尿などを採取し、薬物や毒物の検査ができることが明記された。

 また、警察署長が法医学の専門家の意見を聞いたうえで、遺族の同意がなくても解剖にまわせるという規定や、歯や骨を採取するなど、身元を明らかにするための措置も盛り込まれている。

 これまで、犯罪性の有無がはっきりしないケースでは、警察の判断によって解剖にまわされないまま火葬されてしまい、後で死因の取り違えや犯罪の見逃しが問題になることがあった。死因・身元調査法案が成立すれば、それらが予防され、身元不明死者の増加にも歯止めがかかるのではないかと期待されている。

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自動車の窃盗で誤認起訴 神奈川県警は「コメントできない」
筆者 - 寺澤有
2012年 5月 24日(木曜日) 14:50

 2011年11月に神奈川県警察本部宮前署が自動車の窃盗容疑で逮捕し、現在、横浜地方裁判所川崎支部で公判中の中川隆成被告(46歳)が、横浜地方検察庁川崎支部の再捜査で冤罪とわかり、無罪論告される予定であることについて、筆者は神奈川県警広報県民課に見解を求めていたが、5月23日、「現在、公判中の事件であり、コメントできない」との回答があった。

 
横浜地検川崎支部が自動車の窃盗で誤認起訴 無罪論告へ
筆者 - 寺澤有
2012年 5月 23日(水曜日) 02:10

 横浜地方検察庁川崎支部が自動車の窃盗などの罪で起訴し、横浜地方裁判所川崎支部で公判中の男性が冤罪だったことが判明し、同地検支部が無罪論告する予定であることがわかった。

 この男性は中川隆成被告(46歳)。現在、神奈川県警察本部大和署に勾留されている。

 中川被告から筆者に届いた手紙や弁護人の山根大輔弁護士の話によると、以下のような事実関係があったという。

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九州電力社長、「原子力発電所の再稼働、あきらめたわけではない」
筆者 - 有村眞由美
2012年 5月 19日(土曜日) 16:50

瓜生道明・九州電力社長 九州電力(福岡市)の瓜生道明(うりう・みちあき)社長(写真)は、5月18日の記者会見で、消費者に節電を要請した。節電期間は、7月2日から9月7日までの平日午前9時から午後8時まで(ただし、お盆の8月13日から15日までは除く)。

 九州電力の予測では、今夏が一昨年並みの猛暑となると、昨夏同様の7%の節電をしても、最大需要が1634万キロワットに対し、供給能力は原子力発電所が再稼働しない前提で1574万キロワット。随時調整契約(電気料金を割り引くかわりに、電力が不足したときに使用を控えてもらう契約)を発動し、需要を24万キロワット抑えても、なお36万キロワットが不足する計算だ。

 また、九州電力は、不測の事態に備えて、エリアごとに送電を止める計画停電の検討も始めており、6月中旬に詳細を公表したいとしている。

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政府と東京電力、福島第1原発取材にフリーランスも形だけ参加させる
筆者 - 寺澤有
2012年 5月 19日(土曜日) 01:45

抽選方法 5月14日、園田康博・内閣府大臣政務官から電話があった。

 「26日に細野(豪志・原発事故担当)大臣が福島第1原発を視察します。そのさい、フリーランスも2名が同行取材できるようになりました」

 2011年11月12日と2012年2月20日にも細野大臣は福島第1原発を視察しているが、同行取材は新聞やテレビという記者クラブメディアが中心で、フリーランスは排除されていた。これに対し、筆者が事務を取り扱う「フリーランス連絡会」(昨年12月まで開かれていた政府と東京電力の共同記者会見に出席するフリーランス数十名で組織)は、フリーランスも同行取材に参加させるよう交渉してきた。その結果がようやく出たといえる。

 しかし、東京電力は、同行取材に参加可能なフリーランスの資格を制限。福島第1原発事故後、東京電力本店で開かれた記者会見に出席したことがあり、同事故に関して、著書を出版したか、大手メディアに署名記事を書いた者という条件をつけた(「福島第一原子力発電所の取材案内について」参照)。

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名誉毀損で訴えられても、報道し続けることが大切
筆者 - 寺澤有
2012年 5月 17日(木曜日) 03:25

田中稔さん 5月16日、参議院議員会館で、「原発スラップ訴訟を問う ジャーナリストと市民の会発足集会―田中稔さんを支援する集い―」が開かれ、40人以上が集まった。

 ジャーナリストの田中稔さん(写真)は、『週刊金曜日』2011年12月16日号に、《「最後の大物フィクサー」白川司郎氏 東電原発利権に食い込む》という記事を執筆。白川氏が「『フィクサー』とは、『事件の調停やもみ消しをして報酬を得る黒幕的人物』とされ、原告(白川氏)の社会的評価を低下させるものであり、原告に対する名誉毀損行為」などとして、慰謝料など6700万円を請求する訴訟を東京地方裁判所に提起し、現在、係争中だ。

 冒頭、田中さんは「高額訴訟を起こされると、個人はつらい。弁護士費用も着手金で300万円ぐらいかかると言われた。(敗訴したときのために)自宅の名義を妻に変更しようかなどと考えている」と話した。

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冤罪が晴れても、白バイの修理代を支払わされる理不尽
筆者 - 柳原三佳
2012年 5月 16日(水曜日) 23:20

事故直後の白バイ 5月10日、高松高等裁判所で、愛媛白バイ衝突事件の国賠訴訟判決が言い渡された。金馬健二(こんま・けんじ)裁判長は、「原告の男性が白バイの通過を待って右折していれば事故は避けられた。白バイに過失があったとは言い難い」として、原告側に9割の過失があると認定し、約77万円の支払いを命じた。

 原告側は、「なぜ、体験したことをそのまま言ってきたのに伝わらないのか。まったく事実と異なる。納得できない」と批判。判決後、記者会見に応じた原告側代理人の水口晃弁護士も、「緊急走行なら右折車や背後の車両を確認する必要もなく、なにをしてもいいのか。むちゃくちゃだ」と憤りをあらわにした。

 事故は、2004年11月、愛媛県松山市の三叉路交差点で起こった。250ccのスクーターに乗っていて左足首と右手首を骨折する重傷を負った山本昌樹さん(当時16歳)は、「自分は右折するために足をついて止まっていただけ。前の車が右折した直後、前方から白いもの(白バイ)がぶつかってきた」と主張。ところが、この主張は無視され、2005年6月に松山家庭裁判所で「保護観察処分」(有罪)が言い渡される。

 納得できなかった山本さんと両親は、高松高裁に抗告。高松高裁は、「原決定には重大な事実の誤認や処分の著しい不当がある」として、審理を松山家裁に差し戻した。2006年3月、松山家裁は、「警察官等捜査関係者作成の供述調書のみに基づいて非行事実を認定することは、少年側に、裁判所の中立性ないし公正さに対する疑念を抱かせかねないから、原裁判所の審判手続きは、手続きの適正さを著しく欠いており、原決定には、決定に影響を及ぼす法令の違反があるといわざるを得ない」として、「不処分」(無罪)を言い渡した。

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新宿署が設けたとされる「特命捜査本部」なるウソ臭いものの正体は?
筆者 - 寺澤有
2012年 5月 08日(火曜日) 13:00

 2009年12月11日、警視庁新宿署に痴漢容疑で取り調べを受け、直後に自殺した原田信助さん(享年25歳)の母親・尚美さん(55歳)が、「警察の捜査は違法で人権侵害」として東京都に損害賠償1000万円を請求している訴訟の第6回口頭弁論が5月8日、東京地方裁判所(相澤哲裁判長)で開かれた。

 原告側は「記録上、新宿署が(痴漢)事件の全容を解明するため、『特命捜査本部』を設けたとされている。しかし、法規上、『特命捜査本部』などというものはない。これは、いったい何なのか」と追及。被告側は「『特命捜査本部』に法的根拠はない」と認めたものの、「詳細は次回口頭弁論(7月10日)までに書面で回答する」とした。

 閉廷後、原告代理人の清水勉弁護士は「『特命捜査本部』なんてウソ臭い名前のものは初めて聞いた。本当は、警視庁本部も警察庁も関与して違法捜査の後始末をしているのに、新宿署だけで処理したように見せかける必要から、『特命捜査本部』などという法的根拠がないものを設けたとしているのではないか。つまり、警視庁本部と警察庁の責任逃れだ」と話した。

 
黒木昭雄さんの遺作『神様でも間違う』、出版へ
筆者 - 大内顕
2012年 5月 08日(火曜日) 01:10

黒木昭雄氏☆本記事は6月発売予定の単行本『神様でも間違う』(黒木昭雄著、インシデンツ刊)の原稿をもとに書かれています☆

 本サイトでの連載が中断していた黒木昭雄氏(写真)の小説『誤認手配』が、著者と関係者による改稿、編集を経て、『神様でも間違う』というタイトルの単行本として、ついに出版の運びとなった。黒木氏ご本人と、出版を心待ちにしていたであろうご遺族に、まずはお祝いを申し上げたい。

 一昨年、自ら命を絶つまで、多くの著作を残した黒木氏だが、小説は、ほとんど手がけていない。遺作であることに加え、ノンフィクションより自由な表現が可能な小説で、黒木氏が何を書いたのか、ワクワクしながら一気に読んだ。

 警視庁管内で少女が相次いで殺害され、しだいに同一犯による連続殺人事件の様相を呈してくる。捜査本部は、いくつかの証拠から、ある人物を容疑者と断定したが、その所在をつかめないため、指名手配を打つ。しかし、指名手配を拙速とみた警視庁文京署の警部、山岡健介ら数名は、捜査本部とは別行動で独自捜査を始める。

 そんななか、事件は、また起こってしまった。はたして、指名手配は正しかったのか、事件はいつまで続くのか……。

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公務員宿舎はいらない(3)=了
筆者 - 大内顕
2012年 4月 30日(月曜日) 19:00

 国家公務員宿舎(以下、宿舎)に関する話題は、最近でも各種メディアをにぎわせている。「赤坂議員宿舎の賃料値下げ」「進まない宿舎削減」などのニュースが耳に新しい。

 議員宿舎は役人用の宿舎と異なり、財務省が直接運用しているものではないが、家賃などについては、国家公務員宿舎法(以下、宿舎法)や、その関連規程が準用されており、それに基づき、5年ごとに賃料が下がっていく。

 赤坂議員宿舎は、2007年に運用が始まり、築5年を過ぎたことで、この4月から賃料が月額約8000円値下げされ、3LDKが月額約8万4000円になった。専門家によると、付近の同規模マンションは、月額35万円が相場だという。

 一方、昨年12月に安住淳財務大臣がぶち上げた「宿舎数の25%削減」について、その現状を筆者が財務省に聞いてみると、「今、各省庁が細かい部分を精査している。いつ、どの宿舎を、いくつ減らすかということは、現状では把握していない」(理財局)と、はっきりしない。

 そんな中、昨年10月に発足し、12月に朝霞公務員宿舎の建設中止や、宿舎数の25%削減を決めて解散した「国家公務員宿舎の削減のあり方についての検討会」の外部委員(委員全員の名簿は末尾に掲載)の1人であるX氏が、筆者の取材に、ようやく重い口を開いた。以下は、その一問一答。

 ――取材に応じようと思ったのはなぜか。

 X氏 会議の初回に、座長から、個別の取材には対応を控えるよう全員が言われていた。でも、当初、発言者名が伏せられていた議事録が開示されたし、その他の会議資料も公開されているので、ある程度は答えても差し支えないかと。

 ――この検討会は、そもそも名称が「宿舎の削減のあり方」となっており、議事録(筆者が情報公開請求により入手)を読んでも、「廃止」には一切触れられていない。実際には、どんな感じだったのか。

 X氏 「廃止」という空気はなかった。形態はともかく、公務員が住むところを組織が準備することは必要だというのが共通の認識だったと思う。

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記者会見で質問が許されないフリーランスの苦労
筆者 - 有村眞由美
2012年 4月 28日(土曜日) 10:35

 私は、4月20日の伊藤祐一郎・鹿児島県知事の定例記者会見に、フリーランスとして初めて参加した。しかし、質問が許されない「オブザーバー」という立場だったので、伊藤知事が曖昧な発言をしても、その真意を確認することができなかった。

 そこで、私は記者会見が終了してから、伊藤知事の発言の真意を確認するべく、広報課に文書で質問した。3日後、広報課から電話があり、「担当課(原子力安全対策課)に直接、聞いてほしい」ということだった。私が質問していたのは、以下のこと。

 「4月6日に政府が作成した『原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準』に関して、伊藤知事は『スタートのところでの判断基準としては、(従前、同知事が求めていた『政府の安全性の保証』という条件を)クリアしている』と発言したが、『スタートのところで』と限定した真意は、どういうことか。原発が再起動すれば、次に運転停止するまで動き続けるので、再起動時に限った判断基準というものは考えにくい」

 これに対する、藤崎学・原子力安全対策課長の回答は以下のとおり。

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