弘前市立病院の中国人研修医死亡:労災認定 「背景に医師不足」、「震災後一層重大」代理人訴え /青森
毎日新聞 2012年12月26日 地方版
弘前市立病院で研修医として勤務中の10年11月に急死した中国人医師、呂永富さん(当時28歳)が25日、弘前労働基準監督署に労災死と認定されたことについて、代理人の川人博弁護士(東京都)は同日、都内で記者会見し「背景には東北地方の医師不足がある」と訴えた。
川人弁護士は「東日本大震災を受け、事態は一層重大になっている。病院が研修医についてタイムカードなどで客観的な労働時間の管理を怠っていた点は抜本的改善が求められる」と指摘した。
労災死認定について、東野(とうの)博同病院長は「労基署が労災と認定したことを大変重く受け止め、労働環境の再点検を行っていきたい」とのコメントを発表した。
呂さんは02年に中国遼寧省から来日。04年に弘前大医学部に入学し、卒業後の10年4月から同病院で研修医として勤務した。急死を受け母親らが昨年7月に来日し、労災申請した。【松山彦蔵】