再生の原風景 渡良瀬
ラムサール条約への登録候補地、渡良瀬遊水地の魅力を写真で紹介
【社会】ツキノワグマ 肉食に変化?長野県南部の中央アルプス山麓で、写真家宮崎学さん(63)=同県駒ケ根市=が今秋、死んだニホンジカを食べるツキノワグマの撮影に成功した。木の実などを好む雑食性とされるが、シカが全国的に増え、その死肉を食べる個体が出ているとみられる。野生動物を撮影する宮崎さんは「肉食傾向が強まれば、人的被害につながる」と、冬眠明けの危険性を指摘する。 (山口登史) 宮崎さんは九月下旬、猟友会員の協力で、シカの脚にワイヤを巻き付けて捕獲する「くくりわな」近くにセンサー式の無人撮影カメラを設置。クマが、わなで衰弱死したシカを骨と皮だけになるまで食べ尽くす様子を撮った。 環境省や大日本猟友会によると、ニホンジカは全国的に増えており、農産物への食害が深刻化。銃を使う猟友会員は高齢化や猟銃規制の強化で激減し、農家を中心にわな猟を手掛ける人が増えた。 一九七〇年度で一万四千頭だったシカの捕獲頭数は、二〇一〇年度に三十六万三千頭に急増。比較的、手軽なわな猟が普及したためとみられる。 しかし、獲物のシカがすぐに回収されないケースもある。猟友会関係者によると、山の奥深くは見回りに時間がかかり、放置されることも珍しくない。 宮崎さんは、クマがハイエナのように、死んだシカを食べて片づける役割を担っていると指摘。「肉食を覚えたクマが増えるのは危険」と話し、来春以降、クマによる人の被害を懸念する。 鳥獣保護法は、わなの定期的な見回りや獲物の速やかな撤去を義務付けている。環境省の担当者は「わなの監視は設置者の最低限の義務。管理できなければ使わないように」と話す。 ツキノワグマ 本州以南の最大の獣。体長1〜1・5メートル、体重100キロを超えるものもいる。雑食性で木の実やヤマブドウなどを食べ、農作物に被害を与えることもある。本州、四国に分布する。 PR情報
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