Updated: Tokyo  2012/12/26 21:49  |  New York  2012/12/26 07:49  |  London  2012/12/26 12:49
 

米電力会社、ブラック・スワン事象への備え強化-サンディ後

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  12月24日(ブルームバーグ):今年、米東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」に関連する経済的損害800億ドル(約6兆7800億円)のうち、ニューヨークとニュージャージー州の送電網の修復費用だけで33億ドルを占めた。この災害をきっかけに電力各社は防災計画の見直しを進めている。

コンソリデーテッド・エジソン やパブリック・サービス・エンタープライズ・グループ(PSEG )などこの地域の大手電力会社は、被害状況を迅速に把握するための無人飛行機の活用やコンクリートでの電柱の補強、被害を受けた回路から送電ルートを変更する「自己回復力」のある送電網の構築を検討している。

サンディ襲来の約1年7カ月前には東日本大震災が発生している。国民や政府、投資家からの要請が高まる中、米国などの公益事業会社は「ブラック・スワン」と呼ばれる最も予測が困難な危機に備えて投資を増やす方針を示している。「ブラック・スワン」という言葉は、作家で投資家のナシーム・タレブ氏が2007年に出版した著書をきっかけに広く知られるようになった。西洋では全ての白鳥が白いと考えられていたが、欧州の探検家がオーストラリアで黒鳥を発見し、それまでの常識が覆された逸話に由来する。

パブリック・サービスの電力・ガス部門のラルフ・ラロッサ社長兼最高執行責任者(COO)は「今回の自然災害は暴風雨だったが、次回は全く異なる事象かもしれない」と指摘する。

フランスの監査当局はフランス電力公社(EDF)について、安全性の向上と改善に向け25年までに550億ユーロ(約6兆1500億円)の投資が必要との見通しを示している。同社はフランス国内の58基の原子炉を運営し電力の約75%を供給している。

米規制当局は、太陽の表面で大規模な爆発が発生し国内の送電網の機能が停止した場合に使用済み核燃料を保護するための規則について検討している。

原題:Utility Drones Becoming Black Swan Antidote After Sandy:Energy(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Chicago Julie Johnsson jjohnsson@bloomberg.net;San Francisco Mark Chediak mchediak@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Susan Warren susanwarren@bloomberg.net

更新日時: 2012/12/25 10:28 JST

 
 
 
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