浜岡原発 防波壁の高さ見直し12月20日 18時25分
中部電力は静岡県の浜岡原子力発電所で実施する追加の津波対策を発表し、建設中の防波壁をこれまでより4メートル高くし、巨大地震による津波の想定を上回る海抜22メートルに見直すことを正式に決めました。
20日、中部電力の水野明久社長が記者会見して明らかにしました。それによりますと、浜岡原発で建設中の津波対策の防波壁については、安全性を高めるためこれまでより4メートル高くし、海抜22メートルにするとしています。
これは、分析の結果、想定される最大の津波がせり上がっても壁を越えず、壁の強度も保たれる高さだとしています。
このほか、原子炉の冷却に必要な取水ポンプが水につかるのを防ぐため、ポンプを取り囲む壁を現在の1.5メートルから3メートルに高くすることや、比較的高い浸水が予想される5号機の原子炉建屋の空気の取り入れ口に、浸水を感知して自動的に閉まる装置をつけるなどの対策を追加するとしています。
浜岡原発では、東日本大震災を受けた津波対策として、去年の秋から、原発の海岸側1.6キロで、18メートルの防波壁が建設されています。
しかし、ことし8月、国が公表した南海トラフの巨大地震の新たな想定で、浜岡原発の周辺では津波の高さが最大19メートルに達するとされました。
中部電力は、津波が防波壁を越えても、敷地で行っている浸水対策や非常用電源の確保などによって深刻な事故は防げるとしてきましたが、地元自治体などからは、見直しを求める声が上がっていました。
水野社長は「安全を徹底することが計画を見直した第一の理由だ。対策を積み重ねることで、地元の人たちに安心してもらい運転再開への理解を求めたい」と述べました。
中部電力は、できるだけ早い時期に浜岡原発の運転を再開したいとしていますが、すべての津波対策を終えたうえで、国の新たな安全基準の下で審査を受ける必要があり、見通しは立っていません。
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