世界戦に向けスパーリングする、WBCスーパーフライ級王者の佐藤洋太=東京都新宿区で
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しゃべり倒して、1.8キロ減! 大みそかに2度目の防衛戦に臨むWBC世界スーパーフライ級王者佐藤洋太(28)が25日、東京都内のジムで練習を公開。減量中の佐藤は「しゃべると、カロリーを消費する」と、約2時間半の公開練習中、ほぼしゃべりっ放し。練習後、リミットまであと1.3キロとして「減量はメドがついた」とニンマリ。大収穫の公開練習となった。
止められない、止まらない。洋太のえびせんトークが始まった。練習前の会見では、約30分強の洋太節。その後、4回戦ボーイとの4ラウンドのスパーリング。さらに、3ラウンドのサンドバッグ打ち。休憩時間も終始ペチャクチャで、仕上げの自転車こぎでも取り囲んだ報道陣相手に「何か聞いてください」と大独演会だ。
話題は、ボクシングの話から家庭の話から昔話まで多岐にわたった。まるで、ボクシング界のノムさんだ。もともと、話し好きだが、それにしても、異常なしゃべりっぷり。実は今が最も減量のきつい時期で、気を紛らしているのだ。いろんなタイプがいるだろうが、佐藤は減量が苦しくなると、一方的にしゃべりまくり、相手の言うことには全く耳を貸さないという、“超わがままスピーカー”と化してしまう。
「おしゃべりもエネルギーを使う。何グラムか減量もできる」と言う佐藤は「減量中はいろんなくだらないことも考える。生きる意味とか、人生の矛盾とか」と哲学的なことを言ったかと思うと、「奥さんが妊娠中で太っていく。ボクはやせていく。このバランスが家庭円満の秘訣(ひけつ)」とオノロケ発言も出て、報道陣も口をアングリ。
で、練習後に計量すると…。「1・8キロ減の53・4キロ。リミットまで1・3キロ。減量はもらった! 今日は、1リットルの炭酸(飲料)が飲める」とニンマリ。満面の笑みを浮かべた“おしゃべり洋太”は、寒風吹き抜ける街をバイクに乗ってさっそうと帰っていった。 (竹下陽二)
◆おしゃべり洋太語録
▼赤穂を挑発
「年を取ると、人生初体験っていうのが減ってくる。ボク、KO負けないですから。(挑戦者の)赤穂には、オレに人生初体験をさせてくれと。ナメてるわけじゃないけど」
▼落とし穴に近づく!?
「落とし穴があるとしたら、いろんな人に見られているということ。観客のいない、ひっそりとした会場なら逃げ回るけど、やみくもに打ち合うことはしない。危険度増すから。ま、落とし穴があると分かってて落ちるヤツはいない。知ってて、落とし穴に近づいてやろうかな」
▼ジムに遊びに来ている
「(驚異のスパーリング500ラウンド超え)ボクはジムに遊びに来ている感覚。草野球をしに来て、キャッチボールで帰る人、いないでしょ」
▼ブロッコリーは神
「最近、年取ったのか、食の好みが変わってきた。野菜が食べたい。ブロッコリーが食べられなかったんですけど、秋ぐらいからブロッコリーばかり。ボクにとって、ブロッコリーは神です」
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