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【サッカー】

澤 復興へのひと振り

2012年12月26日 紙面から

 東日本大震災の復興支援を目的としたサッカーの慈善試合が25日、東京・国立競技場で行われ、発起人となったMF澤穂希(34)=INAC神戸=らロンドン五輪で銀メダルを獲得したなでしこジャパン、U−20女子ワールドカップ(W杯)で銅メダルに輝いたヤングなでしこ、男子日本代表OBら豪華なメンバーが出場した。試合には3万674人の観衆が集まり、被災地の岩手、宮城、福島の3県から小中学生を中心に約200人が招待された。

 大好きなサッカーを通じて復興支援の輪が広がることを願った。「今日からが新たなスタート。心はいつも一緒です。これからも共に歩みましょう。メリークリスマス!!」。澤サンタから贈られたクリスマスプレゼントに大観衆が酔いしれた。

 東日本大震災からの復興に尽力しようと、澤が働き掛けて実現した試合。きっかけは昨年のW杯優勝後に届いた1通の手紙だった。サッカー選手を志していた娘を震災で失った夫婦は、なでしこジャパンに勇気をもらい、感謝の気持ちを手紙に込めた。

 その思いに応えようと、澤は「W杯や五輪で多くの方から応援してもらった。自分に何ができるか。自分にしかできないことを考えていた」という。澤からの呼びかけに、男子OBを含む総勢57人の選手が集結した。

 前半にゴールを決めると笑顔がはじけた。前半26分、右サイドMF川澄がドリブルでペナルティエリア付近まで2人のDFを引きつけ、MF宮間にマイナス方向のパス。クロスは一度DFに当たり、ボールは背番号「10」の元へこぼれた。「得点が欲しかった」。澤が右足で押し込むと会場の熱は急上昇した。「チャリティーマッチで得点がなかったら寂しい。見ている方も盛り上がってくれたと思う。重みのある1点だった」。澤の思いを乗せたゴールは被災地への思いと重なり、クリスマスの夜に最高の輝きを放った。 (岩谷純一)

 

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