
今回、写真はすごく地味ですよ
先日行われた衆議院議員選挙。注目度の高い選挙だったので行かれた方も多かったと思いますが、その際に投票用紙の手触りと書き心地の良さにウットリした人もいるんじゃないでしょうか? アレ、気持ちいいですよね。……ということで今回は、投票用紙に使用されている紙を入手していじくり回してみました。
(
北村ヂン)
さて、こんな特徴を持つユポ紙。いったいどんな経緯で作られたものなのか? 製造元のユポ・コーポレーションさんに聞いてみました。
「もともと、折れても元に戻らない紙を作ろうとしていたわけではないんですよ。森林資源を守る目的と、耐水性や強度の高い紙を……ということで、木材などのパルプを使用せずに作られた紙なんです。原材料はゴミ袋などにも使われているポリプロピレンなので、どちらかというとフィルムに近いのですが、特殊な加工を施して筆記がしやすいようにしています」
――それじゃ、投票用紙に採用された経緯というのは……?
「普通の紙ですと折り曲げることによって繊維が切れてしまうので元に戻らないのですが、ユポは繊維を使っていませんので元の形に戻る性質があります。そこで、折り曲げて投票箱に入れても中で自然と開くから開票作業がやりやすい……ということから採用されることになったようです」
――投票用紙以外だとどんな用途に使われているんですか?
「耐水性や強度が高いので、屋外に掲示される選挙ポスターなどにも使われていますね。他には耐水性を求められるステッカーやラベルなど……要は紙なので、本当に様々なところに使われていますよ」
――丈夫さなどもそうなんですけど、ボク、あの書き心地と手触りの良さがすごく好きで……。
「木材パルプなどを使う紙と違って、表面を特殊加工しているので、書き味や触った感じが調整しやすい、というのもあるかもしれませんね」
やっぱりよかった“あの紙”
折り曲げる力に強すぎるため、折り紙として使用するにはあまり向いていなかった“あの紙”ですが。自宅で投票用紙のあの気持ちよさを思う存分体験できて満足でした。いやー、ホント気持ちいいっすよ。コレで服作りたいくらい……明らかに変態なファッションになりそうですが。
ちなみに鉛筆での書き心地はサイコーなユポ紙ですが、耐水性の素材なので水性インクのボールペンやマジックには向かないようです。