これはまた、けしからん作品が出ましたね…。『ものべの』、『おたマ!』に引き続き、ロリー垂涎の一作ではないでしょうか。プレイしてみて罪悪感が沸きました。
ところで、ここまで低年齢っぽい洋ロリは、エロゲー界隈ではあまり見ない気がします。よく出せたなあ、と。その点はユーザーとして感心しております。
評価(☆→★→◎→○→△→×)シナリオ・テキスト○ 変態が滲み出ているテキストです
グラフィック・演出★ ふくみみ氏。評価は後述
エロ★ 踏み絵。好き嫌いが分かれる内容ですね
サウンド○ サウンドに力点を置いたゲームではないです
ヴォイス★ いい感じです。人選は正解か
ゲームシステム◎ 使い勝手は悪くないです
実にけしからんロリゲーだが、この選択はブランドにとって実に正しかった。突き抜けたがゆえに、他では見られない魅力が詰まっている。
◆シナリオ◆
読み進めるうちに、なんだか申し訳なさが募ってきた。主人公は子供に絵本を提供する作家という立場にありながら、異母姉妹である双子に対して邪な感情を抱き、抗いがたい性衝動に支配されていく。要するに、どうしようもないロリコンなのだ。
そして、いざ双子と同じ釜の飯を食むようになってからは、理性と獣性の間で揺れ動くようになる。理性ではタブーだと分かっていても、欲望に流されやすい非常にアブない人物なのだ。これを隠れ鬼畜と呼ばずしてなんと呼ぼう。ここまでの傑物とシンクロするのは人によっては難しい。
エロゲーユーザーの中には、幼女と純愛を貫くことを夢見る穏健派と、凌辱することも厭わない過激派に分かれると思うのだが、前者に属するユーザーにとって、この作品の主人公は羨ましくも妬ましい存在と映るはず。なんてったって、おもらしを特農(※1)ミルクと形容したり、パンツを脱いでからの時間を言い当てるチート紛いの能力の持ち主だったり、終いには我慢できなくなって双子を孕ませたりするようなアンチヒーローなのだから。低俗すぎる彼と同化するには、ニッチすぎる経験値が必要になってくる。
狼が赤ずきんちゃんを食べてしまうかのように、主人公はいたいけな双子を毒牙にかけていく。身体が空気を求めて呼吸するように、自然に双子を手篭めにしていく。彼の嗜好からして、これはもう愛でているとは到底言いがたい。ただの変態生物である。
幼稚さを浮き彫りにしたパッケージとは裏腹に、内容は思った以上に禁忌を孕んでおり、常に蠱惑的で危うい。本質的には双子を愛でるという目的がありながらも、抑えきれなかった性衝動という事実が克明に描かれており、結果としてなんともいたたまれない気持ちになってしまう。悪戯やシモの世話がエスカレートして事に至ってしまうだけに、ロリコンの夢を描きつつも、自戒的な意味を込めている様にも見受けられる。
純朴な幼女はたしかに眩しいのだが、これは単純に双子の幼女とちゅっちゅラブラブする話ではない。ごくごく当たり前に冥府魔道へと堕ちていく主人公がどことなく自分に重なり、仄かな罪悪感を募らせてしまった。この作品の怖ろしいところは、作中に重篤なまでの犯罪臭を漂わせている点である。実にけしからん。
◆グラフィック・演出◆
同人時代から定評のあった、ふくみみさんの商業2作目。もともとロリに精通したぷにっとした絵柄が特徴的だったが、今回もその実力を遺憾なく発揮。あどけなさの残る二次洋ロリは、煌びやかな存在感がある。いかにもその道の人間が好みそうな幼児体型に、柔らかさを演出するやさしい線が魅力的だ。
◆キャラクター◆
直球も直球。これを18歳として売りこもうとするブランドに余慶あれ。幼さを全面に押し出したキャラクター造りで、コンセプトが非常に分かりやすい。やれ潔し。
◆エロ◆
回想の数が多く、人によっては総じて実用的。ロリコンの夢が詰まっているので、ともするとエロシーンの評価が踏み絵の役割を果たしかねない。
惜しむらくは、シーン数の多さのせいで、1シーンあたりのCG枚数を抑えざるを得なかった点。数を取るか質を取るかというのは常にデリケートな問題。ただシナリオと設定を鑑みれば、質よりも「しょっちゅうえっちなことしててもいいよね、18歳以上だから☆」と乱れ打つほうが分かりやすいし、ウケはいいだろう。この作品では、キャラクターからエロに至るまで、それが頑固なまでに貫徹されている。
ゲーム内の選択肢で、人の道にもとる選択をしていると、主人公はブラックにゅうしさん化してしまう(より過激なエロに走ってしまう)ようになる。たとえば葉月ルートにて、ローターをお○んこに押し込んだまま肉棒で突いちゃうシーンがあるのだが、これはとくに悶絶ものだ。並のエロゲーではあまり見られないシチュエーションだが、ロリっ娘の狭小であろうお○んこで表現しようとした製作陣の心意気やよし。本気度が伝わってくる。
◆サウンド・ボイス◆
ヒロインが年端もいかぬ(18歳の)子供ということで、声優さんについては表現力が問われる人選だったと推察する。聡いロリとアホなロリ。対照的な2人の声優さんをもってきたことで、双子の魅力は相乗的に上がったように思われる。
天真爛漫な恋ちゃんを演じたのは桃也みなみさん。彼女はどこか抜けている天然ボケしたキャラクターを演じるのが非常に上手い。若干舌足らずな印象があるのだが、今回はそれが大いなるアドバンテージになっていると思う。『ピュアガール』の妹がいい例だろう。
理知的で聡い葉月ちゃんを演じたのはshizukuさん。時折見せる知性やその対応、所作の表現が好印象。葉月ちゃんは双子の中でのお姉さんポジで、そこらへんの賢さを意識した演技だったように思う。
音楽に関しては結構独特だ。主人公がタブーを犯してイケないことをしているシーンでは、どういうわけかダンディーで渋い曲が流れる。ところが、これが予想外にいい雰囲気を演出してくれる。物語に対するMeeonさんの理解が詰まっているように思われる。OPはPOPでキュートな曲調。こちらはイメージ通りの印象だった。全体的にはそつがない。
◆総評◆
分かりやすい抜きゲーだと思う。前作では、コンセプトらしきコンセプトがあまり強調できていなかっただけに、今作のような明快な路線変更は正解だろう。決して一般うけはしないが、その中に明確な指向性が感じ取れる。ニッチなジャンルにしろ、強力なペド属性を印象付けたのは紛れもない事実。
ふくみみさんのロリ受けする絵柄を最大限に活用した今作は、まさにロリコン専用の一本と言っていい。大っぴらにできる内容ではなく、むしろ背徳感のゲージMAXと言って差し支えない異色の作品。ロリっ娘を手篭めにして、イケないおにいちゃん気分を存分に味わえる内容だ。歴戦の変態紳士をして、唸らずにはいられない逸作となりうる可能性を秘めている。ロリの扉を開けた者、開けようとしている者は、是非その手にとってほしい。
【雑記】
主人公は水梳聡里は小五ロリのアナグラム?
水梳聡里→みなすきさとり→皆好き悟り→皆好き小五ロリ
※1 おそらくこれは「濃」の誤字だろう。