【動画】理事長・佐々木里子さんの思い=日吉健吾撮影 |
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【向井宏樹】東日本大震災で大きな被害が出た宮城県女川町で27日、被災地初のトレーラーハウス型の宿泊施設が開業する。建築制限が多い被災地でも設置しやすいことから採用した。先頭に立ったのは、津波で旅館も両親も失った女将(おかみ)だ。工事関係者や年末年始に家族を訪ねる人たちを笑顔で迎える。
モノトーンの風景にパステルカラーの施設がひときわ目立つ。スペイン語で灯台を意味する「El faro(エル・ファロ)」。復興の道を照らす存在になりたいとの思いを込め名付けた。朝食付きで1泊1人4500〜6300円。64室あり140人が宿泊可能だ。
開業の中心になったのが、震災前に町で旅館を営んでいた佐々木里子さん(44)。旅館は津波に流され、父は死亡、母は行方不明のままだ。「現実なのか夢なのか。受け入れるまで時間がかかった」