ニュースランキング

'12/12/17

40年前の過ち悔い送金 広島



 心に刺さったとげがあった。40年前、店頭から無断で商品の履物を持ち去ったという女性から、イズミ(広島市南区)に手紙が届いた。「お許しいただけないとは思いますが、どうぞお納め下さいませ」。おわびと悔やみの言葉に1万円が添えられていた。

 手紙は今月5日に届いた。便箋2枚につづられた告白はこうだ。

 イズミがテナントとして出店しているファッションビル「サンモール」(中区)。1972年の開店セールの中、女性はサンダルを手にレジに向かったが「人波に押され、気が付けば外に出ていた」と打ち明ける。

 文面は「ずっと、その事が頭から離れなかった」「早くおわびに行かなければと思いつつ、今日まで時が過ぎてしまいました」と続く。途中に「すみません」との言葉が何度も繰り返されている。

 同社が当時の状況を調べても、どのテナントの商品かは分からなかった。代金を支払わなかった行為は過ちだが、広報課の後藤郁生課長は「女性が長く苦しみ続けたと思うと、つらい」と思いやる。

 同社は高齢となっているであろう女性のためにもなると考え、「40年後の代金」1万円を中国新聞社会事業団(中区)に寄付した。

【写真説明】女性の告白をつづった手紙を読む後藤課長




MenuTopBackNextLast