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国際
【27年目のベラルーシ チェルノブイリとの戦い】(下)年72時間、放射線の授業
2012.12.25 15:18
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学校には食品に含まれる放射性物質の数値が出る測定器が設置されている。子供たちが自宅から持ち込んだ野菜を調べるもので、「毎回違う数値が出るのが楽しい」と子供たちも操作を楽しんでいるようだった。現地の女性教員は「子供が親に数値や授業で学んだことを伝えるので家庭で放射線を意識する。これは極めて効果的だ」と話す。
学校が情報拠点
村では、線量測定が続けられており、立ち入りを注意しなければならない地域も随時見直している。ホイニキ地区にある学校では毎月1回、保護者や地域住民を集めて説明会を開き、こうした情報を提供している。学校が放射線に関する情報交換や教育の拠点となり、地域住民に繰り返し汚染地域で暮らす際の注意点を伝えている。
一方で、住民の中には内部被曝(ひばく)の高い数値を示したケースも報告された。ベラルーシの首都ミンスク郊外の保養施設「シダノビチ」では、現在でも体重1キロあたり20ベクレルを超す子供たちがいるという。
「大人が汚染された山で取ったベリーやキノコを子供に食べさせるからだ」。その理由を誰に尋ねてもほぼ同じ返答だった。ゴメリ州執行委員会チェルノブイリ事故対策局のリシュク・リュドミラ副局長は「食べるなと呼びかけている。あとは一人一人が守るしかない」と話す。
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