国際【27年目のベラルーシ~チェルノブイリとの戦い】(上) 国家予算32年分が復興に+(2/3ページ)(2012.12.23 11:41

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【27年目のベラルーシ~チェルノブイリとの戦い】
(上) 国家予算32年分が復興に

2012.12.23 11:41 (2/3ページ)
大規模な国営農場「ソフホーズコンビナート」の養豚場。国主導で被災者の雇用確保を進める=11月23日、ベラルーシ・ゴメリ州モズィリ市

大規模な国営農場「ソフホーズコンビナート」の養豚場。国主導で被災者の雇用確保を進める=11月23日、ベラルーシ・ゴメリ州モズィリ市

 事故後、ベラルーシでは国家非常事態省が医療、産業などあらゆる問題を統括した。2006年には放射線学研究所など事故関連施設を移し、ロシア・ベラルーシ情報センターが情報管理を担った。汚染地域に設置された50カ所の地域情報センターでは、データや対策などを国内外へ発信している。

 リュドミラ副局長によると、現在も政府の事故関連予算の約6割が同州の復興に回っている。また、ベラルーシ全体でみると、事故後26年で国家予算32年分に匹敵する費用が復旧・復興につぎ込まれたという。

 全被災者への住宅提供、子供のいる家庭への生活費補助、医療費や出産費の原則無料-。汚染地域で暮らす子供は毎年、24日間の保養プログラムが設けられ、医療施設で甲状腺や内部被曝(ひばく)の検査、ぜんそくに効果があるとされる塩セラピー、アレルギー対策など多様な治療が受けられる。

 

社会主義の名残

 汚染地域の雇用確保が進まないといった問題は残っているものの、こうした実績は国家主導による徹底した復興政策の結果であり、旧ソ連の社会主義体制の名残ともいえる。

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測定器で野菜の放射性物質を検査する女子児童=11月24日、ベラルーシ・ゴメリ州のストレリチェヴォ中等学校(共同)
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