民主党が野田佳彦首相の後継代表に海江田万里元経済産業相を選出した。失った国民の信頼を取り戻せるのか。本人の弁の通り「解党的な出直し」をするしかない。
党の前途は明るくない。衆院の第2党とはいえ、比例票は日本維新の会を大きく下回った。この10年あまり占めた二大政党の一翼の地位さえ揺らいでいる。
反自民しか掲げる旗がなかった民主党は政権獲得後は結束を維持できず、現実政治に対応できなかった。党再建には、どんな日本をつくりたいのかの絵図面を有権者に明確に示すことが重要だ。
それにしては海江田民主党の立ち上がりは不安を感じさせる。
「与党が何を主張してくるのかの出方もみながら決めていく」
海江田氏は就任記者会見で来年夏の参院選に向けて何を訴えていくのかを聞かれ、曖昧な返答に終始した。野田首相が前向きだった環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加の是非も「慎重に検討する」としか答えなかった。
衆院選の大敗の結果、所属国会議員は衆院57人、参院88人といういびつな構成になった。衆院は「決める政治」を目指した野田首相に近い議員が多いが、参院の大勢は衆院選先送りを望んだ輿石東前幹事長の影響下にある。
先送り政治を反省するどころか、何でも反対、とにかく抵抗だったかつての民主党に先祖返りしそうな気配が漂っている。
代表選には党の顔だった岡田克也副総理や前原誠司国家戦略相らは不出馬だった。しばらく謹慎だというが、野田政権の主流派が自主投票を選んだことで党の方向性はますますわかりにくくなった。
党内には、参院選も負け戦かもしれないし、新代表はつなぎでよいとの声もあった。若手の細野豪志氏への根強い待望論もあり、海江田氏の足元は盤石ではない。
参院選の情勢を語る中で海江田氏は「議席の減り方を少なくする」と発言した。トップが今から予防線をはるような態度では党員も胸をはって歩けまい。
海江田万里、野田佳彦、岡田克也、細野豪志、輿石東、民主党、前原誠司
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