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母失ったカピバラ2匹、別のメスが世話

フジコ(左)とともに打たせ湯で温まる秋とオータム

 長崎バイオパーク(西海市西彼町)で、生まれてすぐに母親を失った2匹のカピバラの赤ちゃんを、6歳の雌のカピバラ「フジコ」が自分の子どものように育てている。スタッフは、本当の親子のように寄り添う姿を温かく見守っている。

 フジコは9月、いずれも雌のキンとギンを出産。直後の10月に、7歳だったアキが雄の(しゅう)と雌のオータムを産んだが、元々体が弱かったアキは約1週間後に死んだ。すると、フジコは秋とオータムにも乳を与えたり、離れると鳴いて呼び止めたりするなど、実の母親のように振る舞うようになった。

 カピバラが一度に産むのは多くても6匹ほどだが、乳首は哺乳類の中でも多い12個あり、母性も強いという。

 同園では、寒さに弱いカピバラのために、毎年12〜2月に露天風呂を設置。寒い日は正午から午後3時頃まで、目を細めて気持ちよさそうに湯につかっている。秋とオータムはまだ体が小さく、深い浴槽には入れないため、フジコと一緒に打たせ湯に当たることが多い。

 同園の伊藤雅男副園長(51)は「自然界では、動物が出産後に死ぬことは珍しくない。母親を亡くした赤ちゃんの面倒を見るのは、カピバラの本能なのかもしれない」と話している。

2012年12月16日  読売新聞)



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