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知床五湖観光 クマ克服…出没増えても客11%増(5〜10月)

観光客でにぎわう知床五湖の高架木道(今年5月、斜里町で)

 世界自然遺産・知床の「知床五湖」全体の観光客数が今年5〜10月、ヒグマの出没が多発したにもかかわらず38万3031人となり、前年同期と比べ11・1%増えたことが分かった。

 ガイドツアーや高架木道が奏功

 環境省や地元の関係団体でつくる「知床五湖の利用のあり方協議会」によると、高架木道を整備するなどの取り組みが功を奏したためだ。

 全体の観光客のうち、高架木道を利用したのはほぼ同じ期間で約30万人となった。高架木道は2006年に地上から高さ2メートルの位置に設置された。周囲に電気柵もある。ヒグマが出ても安全に見物できる木道として知られ、8月は7万6682人と前年同月比62%増となった。

 一方、地上の遊歩道は、ヒグマの出没で閉鎖された日が多く、10月までに4万5234人と前年同期比24%減となった。しかし、ヒグマ活動期の5月10日から7月末まで、ヒグマへの対処法を習得したガイド付きのツアー客は入れるようになった。料金は5000円程度かかるものの、ウトロ自然保護官事務所は「ヒグマが多い期間でも遊歩道を歩けることが周知された」としている。

 この結果、遊歩道でヒグマと遭遇したのが59件と前年から倍増したにもかかわらず、ヒグマ活動期の地上遊歩道の利用者は前年同期と比べ33%増えた。

 ヒグマは7〜8月のほぼ毎日、高架木道付近に姿を見せたが、地元の観光関係者は「以前なら観光客は全く入れなかったが、見物に来られるようになった」と話している。

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