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改稿中……………………。
【FILE1】ビギニング・ワールド
AREA5《現在改稿中》
「ぅわっ」
 数秒後にゲージが満タンになり、「COMPLETED」と言う表示が現れ、サイトの視界が一瞬にして真っ白になった。
 サイトはその瞬間はどこかにワープさせられるのではないかと一瞬思ったが、目を開けてみたらそんなことは起きていなかった。ルームに立っている。ただそれだけが変化は無かった。
 だが、変わっている事と言えば……。

 
 人が変わっている。


 変わっていると言うのは、プレイヤーが変わっていると言うことではない。周りのアバターがどう見ても変わっていると言うことだ。男女比がそれを如実に現していた。おそらく、男:女で7:3ぐらいだ。
 そして、サイトは気付いた。周りにいる人たち全員の顔が現実感だらけなのだ……。なんと言えばいいのだろうか、ゲームとかで良く見る美形の顔立ちの人たちが激減していた。本当にネットゲーマーです見たいな人ばかりになって……。
「ッ!」
 そして、サイトはまさかと思ってメニュー画面を開き、自分のステータス画面を開いた。ステータス画面にある自分のステータス表示の横を見た。そこには現在のアバターの顔が浮かびあがっている。
 サイトの推測では、この状況は高坂切夜が全プレイヤーのアバター情報を書き換えた。どのように? もちろん、現実体と全く持って同じようにしたのだ。
 だから、ステータス画面に映る自分の顔は、きっと、書き換えられた後のはず……。
「やっぱり……」
 そのステータス画面の横に移っている顔は、さっき自分が設定した「これぞ男」と言うものではなかった。中世的な顔立ちに、父親譲りの前髪を左右に分けたような茶髪、そして、母親譲りのエメラルド色の瞳。
 それは間違いなく、現実にいるサイト自身だった。

































 サイトの頭の中ではここまで数分の出来事の整理をつけようとしていた。この状況、この現状、その全てが今までの中で型破りだった。
 そう、今この状況を言うなら、「デスゲームスタート」だった。この世界の抹消デリートが本当の「死」になってしまう。そして、エリアFまで行って、エンディングに行かなければログアウトすらさせてくれない。
「天才だ……」
 その言葉は称賛なんかじゃない。ただ単純に最低だと思っていった言葉だった。父は「科学は人を幸せにさせるために生まれてきてくれた贈り物」だと何度も言っていた。それを、こんな形で……。


『さて、これで私からの説明は以上にさせてもらおう。以後質問がある場合ならば、通常通りメニュー画面から質問してくれれば自動的に受け応えしてくれるだろう。では、以後も健闘を祈らせてもらう。存分にゲームを楽しんでくれたまえ』

 そして、次の言葉が止めになってしまった。

『だが、これだけは覚えていたまえ。この世界は仮想ではなく、もう一つの、創り上げられた世界なのだと言う事を……』

 その言葉を最後に、サイトたちの上空にいた光の人型のシルエットがウイルスを倒した時と同じように、何個もの透明な立方体のボックスを作って、最後は消滅した。
 それからのほんの数秒後に、一人の女性プレイヤーが大きな叫び声を出したのを境にたくさんの人たちの罵倒や叫び声が響きだす。
「ふざけんな!!!」「出して! 出してよ!!」という数々の罵倒の中、サイトは辺りを見回した。この状況が、高坂切夜の望んでいる状況? こんなみんなが絶望しているこの状況が……。
 その瞬間、サイトの頭の中になにか黒々しいものが大容量で流れ込んでくるような感触がした。
「グッ!?」
 サイトの口から獣染みた呻き声がもれ、サイトは自分の頭を押さえて自分の立て膝に手を突いた。
(頭が……、痛いッ。破裂しそうだ……ッ!)








「出よう、ここから……。早く出たい……ッ!」
「お、おぉう……」
 頷いたのか頷いていないのか。サイトはその反応を見ずに、自分のメニュー画面を開き、本来「ログアウト」と言うキーがあったはずの場所に浮かび上がっている「ルームアウト」のキーを押した。
 サイトの体が高坂切夜が消えたように、サイトの体も消えた。
 次に目を覚ましたのはゲーム上で言う「現実世界」の中だった。
「はぁ……はぁ……」
 さっきの痛み大分体力を削がれたらしい。疲れがサイトの体を襲ってきていた。それが仮想だと分かっていても、とんでもない疲労感だった。ついつい地面に方膝を突いてしまった。






 ルームから出た途端、サイトの頭を襲っていた痛みはまるで溶けて消えていくかのようにスゥーッとゆっくりと沈んでいった。痛みが完全に沈んだ頃に、またサイトはスッと立ち上がった。
「ほんとに大丈夫か?」





















《サイバーリンク、サイトEXE、オン・エア!》


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