「父が骨折」「祖母が危篤」… 急に休む社員の言い訳が信じられない

2012/12/21 11:55

   米大手求職サイトのキャリアビルダーが実施する「会社をお休みする理由」アンケートには、「子犬に風邪をうつされた」「にわとりが母を襲っているので行けない」「ボーリングの玉から指が抜けなくなった」といったおかしな言い訳が寄せられるそうだ。

   さすがアメリカと思いきや、日本でも同じようなことが起きているという。ある会社では、休みがちな社員の言い訳が、どうも怪しくて信用できないと、営業部長が人事に相談に来た。

「たぶんウソ。会社をなめているんじゃないか」

――広告会社の人事です。営業部長が、部下の20代A君について相談にやってきました。有給休暇を当日申請してくることが多く、何らかのペナルティを科すことができないかというのです。

   付与された日数以内なので、明らかな問題行為とはいえません。ただし、申請してくるときの理由が、どうにも信用できないものばかり。

「父親が転んで骨折したので、病院に連れて行くことになりました」
「トイレの水が止まらなくなりました」
「今日はマンションの湯沸かし器点検の立ち会いで」
「義理の兄がヤクザのトラブルに巻き込まれまして」
「甥っ子が急病で、姉がどうしても病院に連れて行ってくれと言うので」
「祖母が危篤です」
「隣の家からの騒音クレームでトラブルになり、今警察が来ているんです」
「彼女を病院に連れて行かなといけないので」

   あまりに頻繁なので、部長は「たぶんウソだろう。会社をなめているんじゃないか」と、おかんむりです。同僚たちからも「そんなに不幸が続くなら、お祓いでもしてもらったどうなんだ」なんて皮肉まで出ているそうです。

   部長は、こんな好き勝手なことを許していたら、他の社員たちに示しがつかないから、「人事として言い訳が本当かどうか調査し、ウソであったら懲戒処分を下して欲しい」というのですが。そういうことは現実に可能なのでしょうか――

(続く)

尾崎 健一(おざき・けんいち)

臨床心理士、シニア産業カウンセラー。コンピュータ会社勤務後、早稲田大学大学院で臨床心理学を学ぶ。クリニックの心理相談室、外資系企業の人事部、EAP(従業員支援プログラム)会社勤務を経て、2007年に独立。ライフワーク・ストレスアカデミー代表として企業のコンサルティングを行いながら、秋田大学医学系研究科で自殺予防の研究に携わっている。単著に『職場でうつの人と上手に接するヒント』(TAC出版)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

野崎 大輔(のざき・だいすけ)

特定社会保険労務士、Hunt&Company社会保険労務士事務所代表。フリーター、上場企業の人事部勤務などを経て、2008年8月独立。企業の人事部を対象に「自分の頭で考え、モチベーションを高め、行動する」自律型人材の育成を支援し、社員が自発的に行動する組織作りに注力している。一方で労使トラブルの解決も行っている。単著に『できコツ 凡人ができるヤツと思い込まれる50の行動戦略』(講談社)、共著に『黒い社労士と白い心理士が教える 問題社員50の対処術』がある。

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