大島親方(右)の内弟子第一号となった森宗順平(岸本隆撮影)
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史上初の甲子園投手の角界入りだ−。初場所の新弟子検査(26日)を、亜大野球部4年の森宗順平投手(22)が受検する。来年春場所にも武蔵川部屋を興して独立する大島親方(元横綱武蔵丸)の内弟子として藤島部屋から受ける。左腕として広島・広陵高の2007年夏の甲子園で準優勝し、亜大では今秋のドラフトでソフトバンクに1位指名された東浜巨投手の同級生。野球エリートが角界のエースを狙う。
高校球児として甲子園で先発経験のある左腕が、角界のエースを目指す。森宗は広陵高3年だった2008年の夏の甲子園で、2回戦の横浜戦に先発。3イニング0/3で打者16人に対し被安打2、奪三振2、四死球4、自責点1の結果を残した(チームも敗退)。2年の夏も甲子園のマウンドに立ち、当時3年で現広島の野村祐輔らと準優勝メンバーとして活躍している。
卒業後はスポーツ推薦で亜大に進学。東浜とは同級生。1年、2年とキャンプに帯同したが、左肘と左肩を負傷。チームは12年秋まで3季連続で東都大学リーグを制してきたが、森宗は「けがが続いて3年から裏方に回ってサポートしていました」と不完全燃焼に終わっている。
4年になって就職活動もした。「航空自衛隊に入って戦闘機の整備やパイロットのサポートをしようと思った」と入隊試験を受けていた。そんなときだった。格闘技が好きなことを知る亜大・生田勉監督から「相撲部屋に入って頑張ってみないか」と声をかけられた。11月中旬だった。
相撲界は未知の世界だったが、「監督を信じて、迷いはありませんでした。興味もありましたから」。その後、生田監督の知人を通じて大島親方を紹介され、今月6日に食事をともにした。「初めて会って、どんな困難も乗り越えた人間の強さを感じた。親方についていけば間違いないと思った」と決意を固めた。
トレーニングが好きなこともあり、入門を決めて体重を10キロ増やした。177センチ、94キロ。胸囲は117センチ、ヒップは120センチを超える。投手として体幹を鍛えてきたため、運動能力も抜群。スクワットで240キロを支える下半身も魅力だ。
大島親方もその素質を認める。「運動神経もいい。一生懸命やって、持っているものを出し切れば結果はついてくる。変なくせもついてない。その方が教えやすい。22歳。何をやればいいか分かっている。このくらいやれば一流になれるということも分かっている」と、精神的な素質にも期待する。将来は、大型ではなかったがスピード相撲で鳴らした、元関脇琴錦の秀ノ山親方のような相撲を取らせたいという。
憧れる力士や目標とする力士は「いない」という森宗。「好きな力士とか言っている場合じゃないですから。一生懸命やるだけ。野球でけがをして中途半端に終わりました。まったく違う世界で頑張りたい」。土俵に入魂する。 (岸本隆)
▼森宗順平(もりむね・じゅんぺい) 1990(平成2)年8月24日、広島県三次市生まれの22歳。177センチ、94キロ。亜大経営学部4年。広島・広陵高時代は左腕投手として2007年夏、08年夏の甲子園に出場。MAX140キロ、遠投は100メートル、50メートルは6秒4。得意はスライダーで「1回浮いてから落ちる感じ」という。家族は両親と兄3人。
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