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【サッカー】

千葉の善戦に拍手やまず

2012年12月25日 紙面から

◇皇后杯<決勝> INAC神戸1−0千葉

 INACを最後まで苦しめた千葉をたたえる拍手は、しばらく鳴りやまなかった。「この皇后杯でジェフらしさを出せた」。さわやかに試合を振り返ったのは、今季限りで引退するFW清水由香(32)だった。

 試合後、上村監督が清水、MF河村真理子(32)とFW乃里子(29)姉妹の引退を発表した。中でも、主将の清水は異色の経歴を持つ。1999年に千葉・市船橋高から名門・三井住友海上陸上部に入部。駅伝選手として全日本実業団駅伝2連覇に貢献するトップ選手だった。転機は2002年1月1日。全日本女子選手権(現皇后杯)決勝の伊賀−田崎戦を、深夜の録画放送で見て、女子サッカーがあることを知った。男子のように体をぶつけ合う選手たちの姿に「光が見えた」と心が揺さぶられた。

 陸上部を辞め、母校の市船橋サッカー部の布監督(当時)をつてに、千葉(当時Lリーグ)に入団した。スポンサーもなく、練習場も土だった。選手の意識も低く、「サークルのようだった」という。自身のプレーも「小、中学生にバカにされるレベルだった」。今では笑って言える、いい思い出だ。

 決勝戦前には、陸上部時代に同期だった土佐礼子、渋井陽子からも激励のメールが届いた。「ここで終われて本当に幸せです」。深夜のサッカー中継がきっかけとなって始まった清水のサッカー人生は、正真正銘の「夢舞台」で幕を閉じた。 (岩谷純一)

 

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