40年ほど前、ベトナムで銃口を向け合った、韓国とベトナムの勇士が和解の握手を交わした。
大韓民国武功受勲者会のイ・スヒ会長(76)=予備役少将=と、ベトナム武功受勲者会のド・コン・ムイ会長(70)=同=は今月21日、ソウル市竜山区の戦争記念館で、両国の和解を目的とした行事を開催し、ベトナム戦争に出征した約120人の将兵たちが出席した。
イ会長は1966年、韓国軍第9師団第28連隊第9中隊長としてベトナムに派遣され、トッケビ(韓国語で妖怪の意)1号作戦や馬頭1号作戦、烏鵲橋作戦などに加わり、数々の戦果を上げ、忠武武功勲章を受章した。一方、ド・コン・ムイ会長も66年から10年にわたり、ケサンの戦いなど多くの戦闘に加わり、北ベトナム1級勲章を受章した。
イ会長は「かつては敵として戦ったが、戦争が終わってからすでに40年近くたった。両国の国交正常化20周年をきっかけに、和解のため行事を初めて開催することになり、感慨深い思いだ」と語った。一方、ド・コン・ムイ会長も「(韓国側が)温かく出迎えてくれたことに驚いた。イ会長と私は40年前、銃口を向け合った間柄だが、今やこうして面会し、和解や協力について語り合う仲になった」と話した。
イ会長はベトナム戦争について「戦争の大義名分は国際関係によって変化し得る。しかし、決して変わらないのは、両国の勇士たちが皆、軍人としての本分に従い、国家に忠誠を尽くしたということだ」と強調した。
韓国とベトナムの武功受勲者会は、ベトナム戦争に出征した将兵たちの和解や交流の行事を、両国で交互に、定期的に行う方針を決めた。大韓民国武功受勲者会はまた、5万人近くのベトナム人女性が結婚のため韓国に移住したことを考慮し、多文化家庭(国際結婚家庭)に対する支援など、韓国とベトナムの協力事業を行う構想も打ち出した。イ会長は「両国の武功受勲者会が兄弟のように行き来しながら親睦を深めることで、両国関係の発展にも貢献できるだろう」と語った。