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下水管が復興阻む“落とし穴”に
12月23日 18時57分

下水管が復興阻む“落とし穴”に
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東日本大震災の被災地の自治体は津波の被害を受けた沿岸部について住民の集団移転を実施したうえで工業団地などとして整備する計画ですが、地下に張り巡らされた下水管が、地面の陥没や冠水を引き起こすおそれがあることが分かりました。
対象となる区域の下水管は宮城県だけでも長さにして100キロを超えていますが、処理には国の補助がなく復興事業を阻む“落とし穴”になっているということです。

津波の被害を受けた沿岸部では、多くの自治体が集団移転を実施したあと、かさ上げなどをして工業団地や農地などに整備する復興計画を示しています。
ところが、こうした区域の地下に生活排水や雨水を流すために整備された下水管が張り巡らされていて、復興の妨げになっていることが分かりました。
下水管の上に盛り土をすると、地面の陥没を引き起こすおそれがあるほか、海水が入り込んで冠水が続いている場所もあり、工事が行えなくなっているということです。
NHKが宮城県の沿岸の自治体に取材をしたところ、こうした下水管は仙台市で長さにしておよそ50キロ、女川町で26キロなど少なくとも124キロにも及んでいました。
影響を抑えるには、管の中にモルタルを流し込んで固める処理などが必要ですが、こうした場所での下水管の処理には国の補助がつかず、ようやくかさ上げや区画整理の事業に国の補助が認められたのに、下水道という“落とし穴”で事業が進められないケースもあるということです。
これについて国土交通省は、「災害復旧は“現状復旧”が原則なので、下水管の処理がそれに該当するものなのか、国の関係部局と協議を始めているところだ」としています。

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