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有機太陽電池 志津川駅で実証実験 来年の実用化目指す

駅舎の窓ガラスにはめ込まれた有機薄膜太陽電池を説明する鈴木社長(左)とイデアルスターの表研次副社長

 JR気仙沼線のバス高速輸送システム(BRT)が本格運行した22日、JR東日本と液晶ガラス基板製造加工の倉元製作所(宮城県栗原市)は、宮城県南三陸町の志津川駅舎で有機薄膜太陽電池の実証実験を始めた。1年間、耐久性や発電効率などのデータを解析し、来年内の実用化を目指す。
 両社の実証実験は宇都宮市の鶴田駅に次ぎ2カ所目、倉元はほかにJRくりこま高原駅でも行う。JRは志津川駅を選んだ理由として「地場の被災企業と連携し、被災地に次世代型の新製品を導入することで、被災地を元気づけたい」と説明している。
 太陽電池は倉元と仙台市の研究開発会社イデアルスターなどが開発し、倉元が製造する。ナノテク素材の球状炭素分子「フラーレン」を使い、光を通し、薄くて軽く柔軟性がある。今回は変換効率を実用レベルで世界トップ級の5%に向上させた青緑の製品を使った。
 ガラス基板に挟まれた太陽電池のセル(厚さ1ミリ未満、20センチ四方)12個が並んだパネル4枚を窓ガラス内に組み込んだ。独自の蓄電池も使い、運行終了後に発光ダイオードの防犯灯の電源に使う。
 倉元製作所は来春にも量産化に向けたモデル製造ラインを稼働させ、来年内にJRの駅舎に製品を本格導入する。
 鈴木聡社長は「BRTという復興のシンボルに採用され身が引き締まる思い。雇用を生むことで被災地の経済復興にも貢献したい」と話した。


2012年12月23日日曜日


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